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【report】県北BCPセミナー #1|今を変えるのは、共感と信頼でつながる仲間かもしれない

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5/16(土)に開催した『県北BCPセミナー #1』の様子を紹介します!

Business Challenge Program(県北BCP)は、県北地域活性化を目指すコミュニティ。業種/職種/年齢/性別/国籍を超えた挑戦者たちが共創することで未来を切り拓く、アイデアソンによるディスカッションを活用した新規事業開発を通じてビジネス関係人口の創出を図るプログラムです。茨城県県北振興局が主催し、株式会社しびっくぱわーが運営。半年間で事業構想を磨き、最終報告会で発表します。

対話から始まる、県北BCPの最初の一歩

しびっくぱわー代表の堀下が冒頭で伝えた、この日の約束ごとはたったひとつ。楽しむこと。

セミナー#1では「導く力、支え合う力 〜事業を拓く組織のつくり方〜」をテーマに、株式会社ヤマオコーポレーション代表取締役 鬼澤 慎人さんをゲストに迎えました。

参加者同士で意見を交わしながら進む対話型。会場では、一人ひとりが学びと対話を行き来しながら、リーダーシップの本質について考えを巡らせていました。

🙋‍♂️ 鬼澤 慎人さん(株式会社ヤマオコーポレーション 代表取締役)

鬼澤さんは2000年に独立し、全国各地の自治体や企業でリーダーシップや経営品質についての研修をされています。ミッションは「縁あって出会った人に、明るい未来をつくる勇気と知恵を持ってもらうこと」。5年目を迎えた県北BCPセミナーでは毎年初回に登壇いただいており、今年はAI時代のリーダーシップにも踏み込んだ90分となりました!

変化の時代に、成果を出し続けるために

「世の中が変化していく中で、成果を出し続けるためにはどうしたらいいか」

鬼澤さんは、この問いから始まりました。参加者は3〜4人のグループに分かれ、周りの人たちと話し合いながら進んでいきます。

鬼澤さんが挙げたのは、変化への4つの向き合い方。変化を知り素早く対応すること、変化を予測し準備すること、変化を楽しみ、変化に強い体質になること、そして変化をリードすることです。

「こういう教育を受けた子たちが、これからどんどん社会に出てくるんですよ」

教育の変化に触れながら、鬼澤さんは会場に語りかけました。

これまで企業や行政の組織改革にも関わってきた鬼澤さんは、「まちを良くするには、人と組織が変わらないといけない」と語ります。

「長く続けたかったら、人と組織の質を高めるしかないんですよ。だから、まちづくりは人づくりだと常に思っています」

共感と信頼が、人を動かす

チームで成果を出すうえで欠かせないのが、シナジー(相乗効果)です。鬼澤さんは、人が動く理由を「外発的動機付け」と「内発的動機付け」に整理しました。

お金、権限、恐怖——。外からの動機づけだけでは、成果は長続きしにくい。特に県北BCPのようなコミュニティでは、お金や権限だけで人を動かすことはできません。

「じゃあ何が人を動かすかっていうと、『共感』と『信頼』の2つなんです」

大切なのは、目的やビジョンに共感してもらうこと。そして、語る人自身が信頼される存在であることです。鬼澤さんは、ある言葉を紹介しました。

「信頼とは行動の結果である。だから人は、言っていること以上にやっていることを見るんです」

リーダーシップとは管理ではなく、人の成長と成功を助ける支援。鬼澤さんは、そう語りました。

AI時代だからこそ問われる、人間の価値

後半、鬼澤さんは会場にこう問いかけました。

「AIが調べる、書く、整理する、企画まで引き受けてくれる時代に、あなたが人間として大切にしたいことは何ですか」

参加者同士で話し合う時間も設けられ、会場のあちこちで活発な対話が生まれていました。鬼澤さんは、AIを「優秀な部下」にたとえます。

「でも、優秀な部下を生かすも殺すも上司次第です。AIには体がないんで、目の前の人の雰囲気や表情、場の空気を感じ取ることはできない。だから問いを立てることがすごく大事で、最後は答えを自分で決めるんです」

そして、次の言葉で締めくくられました。

「リーダーシップとは、人を動かすことじゃなくて、人が動きたくなる場をつくること。県北BCPは正解を教えてもらう場ではなく、一緒に未来をつくる仲間と出会う場です」

休憩中は県北BCP恒例の県北フード&ドリンク!

休憩中には、県北地域を中心に活動する「hearth baked sweets & coffee」のコーヒーと、2022年度県北BCPをきっかけに生まれた「Obi」の焼き菓子が振る舞われました。

対話を重ねた参加者の喉を潤すアイスコーヒーと、香ばしいココア味のクッキー。学びや対話だけでなく、おいしいものを囲みながら自然につながれるのも県北BCPの魅力です。

さらに、昨年の県北BCPアイデアソンから生まれた「赤津ねじ商店」のネジガチャガチャも登場。休憩時間も参加者同士の会話で盛り上がっていました。

後半は、県北BCPリーダーOBOGによるトークイベント!

これまでの県北BCPアイデアソンで、新規事業に挑戦してきた県北BCPリーダーOBOGの皆さん。今でこそ事業を少しずつかたちにしている3名ですが、最初から明確な答えや確信があったわけではありません。

アイデアソン当時を振り返りながら、その経験が今にどうつながっているのかを語っていただきました。

🙋‍♂️ 2024年度県北BCPリーダー
茅根 太造さん(有限会社茅根電設工業

常陸大宮市で電気工事業と農業を営む茅根さん。2年前の県北BCPでは「農業を推せる時代へーエンタメ×再エネ×AI」をテーマに、地域に1000年企業をつくるというビジョンを掲げました。

「参加する前は、休館日などにLED交換をしているような仕事が中心でした。そんな中で、大学生や全然違う業種の方と、温かい雰囲気で事業を進められる場に出会えた。人とのつながりが増えたことが一番大きかったと思います」

発表後もチームメンバーとの協働は続いています。AIで生成した6人のキャラクター「AIスタッフ」はラベルや動画コンテンツへと展開。本業でも、農業ハウスへの次世代型太陽電池導入に向けた実証が進み、セミナー直前には茨城県議会の視察も受けたといいます。

これを受け、堀下はあえて投げかけます。

「建設業なんだから、こういう場に出ない方が短期的には売上につながるという見方もあると思うんです。でも、“1000年企業をつくる”という旗を立てたことで、今まで出会えなかった人とつながり、2年経った今もチームで動き続けている。

それ自体が、この場の価値なんだと思います。これって、誰か一人がすごいというより、“コミュニティがすごい”ってことなんだと思うんですよね」

最後に、これからリーダーに挑戦する人へ向けて、茅根さんはこう語りました。

「参加してみて思ったのは、本当にいろんな人が集まる場だということでした。世代も仕事も違うので、自分のアイデアに対して、想像していなかった反応が返ってくるんです。正直、台風で中止にならないかなと思った日もありました(笑)」

それでも最後に大事なのは、“自分で決めること”だったといいます。

「さまざまな意見にも耳を傾けつつ、最後は自分で決める。その覚悟を持つことが大切。途中で“やっぱり違った”となったとしても、それを素直に言えることも大事だと思います」

昨年度には、「新規事業をつくれなかった」と率直に語りながら、自分自身の経営や人生と向き合ったリーダーもいました。完成した答えがなくても挑戦できる——それも県北BCPの特徴です。

🙋‍♂️ 2025年度県北BCPリーダー
大畑 義則さん(コスメライセンススクール茨城校

美容業界で37年のキャリアを持つ大畑さん。日立市で「N’s BEAUTY STUDIO」、水戸市で「コスメライセンススクール茨城校」を運営しています。

2025年度の県北BCPでは、「日立を日本一の美容が学べるまちにする」というビジョンを掲げました。実は2022年度の第1期にもエントリーしていましたが落選。3年越しのリベンジでした。参加を通じて大きく変わったのは、自分自身の「当たり前」だったといいます。

「美容の仕事は、変化を起こさなくても続けられてしまう。でも、あえて変化を起こすことで、自分自身のモチベーションも上がると感じました」

それまで男性からの問い合わせは断っていましたが、アイデアソンでの対話を通じて時代の変化を実感。メンズ向けの美容講座を始めました。

「テーブルに来る人も、本当にいろんな方がいたんですよ。男性も普通に来てくださったし、“そんな考え方もあるんだ”と、自分では見えていなかったものが見えてきた感覚がありました」

ワークショップや講座を通じて、参加者にも少しずつ変化が生まれているといいます。

「県北BCPは”ゴール”じゃなくて、最初の一歩だと思っています。半年後に賞を取ったとしても、そこからがスタートなので」

大畑さんは、「いろんな意見を聞く中で、自分の方向性が少し見えてくることもある。まずはチャレンジしてみた方がいい。きっと何か生まれると思います」と語りました。

実は、アイデアソン初回ではメンバーが2人しか集まりませんでした。それでも毎回声をかけ続け、チームは大所帯に。美容サロンの独立を目指す人も現れています。

「大畑さんは本当に毎回仲間を呼んでいましたよね。リーダー自身が動いたからこそ、人が集まっていた。それを体現されていたなと思います」と堀下は振り返りました。

🙋‍♀️ 2025年度県北BCPリーダー
笠井 潤子さん(株式会社赤津工業所

食の現場で20年の経験を持つフードコンサルタントの笠井さん。伊藤ハムでの商品開発、料理家 栗原はるみさんのアシスタントを経て、現在は地域食材のプロデュースやアップサイクル商品の開発に取り組んでいます。

食の専門家が、なぜネジの会社のリーダーを務めることになったのか。きっかけは2024年度県北BCPリーダーの三牧航さんが運営する副業・兼業マッチングサイト「Otanomi(オタノミ)」でした。

当初は「ネジのかたちのグミをつくる」アイデアからスタートしましたが、立体的なグミは日本の機械では製造が難しいことが判明。「平らなネジはネジじゃない」という赤津社長の熱い想いもあり断念。それでも挑戦を終わらせず、県北BCPへの参加を決めました。

チームで生まれたのが、本物のネジを使ったガチャガチャのキーホルダー。昨年度の最終報告会では審査員特別賞を受賞し、ひたち万博や日立さくらまつりへの出展も続いています。

赤津社長も、当時をこう振り返ります。

「最初はグミの話でしたが、ガチャガチャになるとは思っていなかった。でも、本当にチームメンバーに恵まれて、“かたちにできた”ことが良かったです」

一方で、チームづくりは最初から順調だったわけではありません。

本業を持つメンバーが集まるコミュニティだからこそ、最初は反応が少なく不安になることもあったそう。Slackで「ネジのスタンプ」を使うなど、小さな工夫を重ねながらチームを育てていきました。

「外部の私でもリーダーができたので、“やってみたい”と思う人にはぜひ挑戦してもらいたいです。特別なスキルより、レスポンスや期限を守ること、ちゃんと反応すること。そうした信頼の積み重ねがリーダーとして大事なんだと思います」

「笠井さんのチームは本当にいいチームだった。それぞれの強みを持ち寄りながらかたちにしていった。今でも当時のTシャツを着てくれているメンバーがいるのは、あのチームらしさが続いている証だなと思います」と堀下は振り返りました。

神奈川から県北へ通いながらリーダーを務めた笠井さん。初めて県北BCPに参加したときは、会場の熱量に圧倒され、「自分はここでやっていけるのだろうか」と、少し不安に思ったといいます。それでも、地域で挑戦する人が増え、その事例が県北から全国へ広がっていく可能性も同時に感じたと笠井さんは語ります。

「これから地方の価値は、もっと上がっていくと思っています。県北には可能性やパワーがたくさんある。チャンスが転がっているので、ぜひつかみに行ってほしいです」

クロストークの最後に、堀下は県北BCPのコミュニティならではのおもしろさについて、こう語りました。

「新規事業は、最初から社内で理解されるとは限らない。だからこそ、まずは外部で共感してくれる仲間をつくることにも意味があると思っています。

さらに、このコミュニティでは、社内組織みたいに“やらせる”ことができる場ではないんですよね。僕らから、リーダーにもチャレンジャーにも1円も出していません。むしろ、交通費も時間もかかる。

それでも、お金や権限が理由ではなく、“自分でやってみたい”“この人と一緒にやりたい”という想いで、一人ひとりが動いている。得意を持ち寄り、関わり合いながら少しずつ積み上げた先に、ちゃんと“かたちになる”。それが県北BCPの価値であり、おもしろさなんだと思います。

人前で話すときれいな部分が目立つけど、3人とも苦悩も失敗もたくさんあったはず。それでも今もチームメンバーが関わり続けている。それこそが、何よりの資産なんだと思います」

現地では最後にネットワーキングを実施!

現地参加者限定で行われたネットワーキングでは、講演やOBOGクロストークを受けて、参加者同士の前向きな対話があちこちで生まれていました。

特に印象的だったのは、OBOGクロストークを聞いた参加者から「最初に思い描いていた形と、たどり着いた結果が違っていたとしても、それは失敗ではなく、そこに至るまでに必要なプロセスなのだと腑に落ちた」という声が聞けたことです。

新規事業や挑戦は、最初から完成形が見えているものではありません。対話を重ねる中で形が変わったり、思いもよらない方向へ進んだりすることもあります。それでも、その変化を恐れずに行動してみようと思えたこと自体が、この日の大きな一歩だったのかもしれません。

また、会場では「自分もリーダーにエントリーしてみようかな」と話す方の姿もありました。誰かの挑戦のリアルを聞くことで、次に挑戦する人の背中が押されていく。そんな瞬間を、ネットワーキングの場で間近に見ることができました。

誰かの挑戦が、これから一歩を踏み出す人の背中を押していく。そんな連鎖が、確かにこの場から生まれていました。

これからの挑戦を、県北BCPで

2026年12月まで、毎月第3土曜日は県北BCP!

今を変えたい人。
自分なりのリーダーシップを育てたい人。
共感と信頼でつながる仲間と、挑戦や事業を前に進めたい人。

そんな思いを持つ人たちが、今年も県北に集まっています。
完成した答えがなくても大丈夫。会場で誰かと話してみることから、挑戦は少しずつ動き始めます。

あなたも、挑戦をともに育てる仲間と出会えるかもしれません。

県北BCPでは、2026年度県北BCPリーダーを募集中!

県北BCPでは、ともに新規事業に挑戦する経営者・事業者(県北BCPリーダー)を募集しています。

アイデアがまだ固まっていない方も、まずは相談してみたい方も参加できます。実際に今回登壇したリーダーたちも、最初から完成した答えを持っていたわけではありませんでした。業種を超えた仲間と対話を重ねながら、半年かけて事業を磨いていく。それが県北BCPです。

現在、個別相談も実施中です。気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください!

 

次回の県北BCPセミナー #2「アントレプレナーシップと新規事業開発」は、6/20(土)13:00より開催します。

キーノートには伊藤 羊一さんをお迎えし、県北BCPリーダーOBOGとして林 三弘さん、福地 美喜さん、永松 裕士さんにもご登壇いただきます。

ぜひお誘い合わせのうえ、ご参加ください!

🗓️ 県北BCP アイデアソン

#1| 7/18(土) 13:00〜18:00 アイデアソン#1(日立地区産業支援センター
#2|8/15(土) 13:00〜18:00 アイデアソン#2(日立地区産業支援センター)
#3|9/19(土) 13:00〜18:00 アイデアソン#3(日立地区産業支援センター)
#4|10/17(土) 13:00〜18:00 アイデアソン#4 ※中間発表(日立地区産業支援センター)
#5|11/21(土) 13:00〜18:00 アイデアソン#5(日立地区産業支援センター)
#6|12/19(土) 13:00〜18:00 アイデアソン#6 ※最終報告会(NN Shibuya Crossroads

 

🎪 子育て世代のチャレンジ、大歓迎!


当日は、まちのこ団が子どもたちのあそび場をつくってくれます。
お子さんと一緒に、ぜひ会場へお越しください!

\やるぜ、県北!みんな、集まれ!/

イベントカレンダー公開中!
しびっくぱわーでは、セミナー、アイデアソン、絵画教室、実験教室など、毎月さまざまなイベントを開催しています。開催されるイベントが一目でわかるイベントカレンダーを公開しています!イベント詳細やお申し込みリンクはカレンダー詳細に入れていますので、ぜひチェックしてみてください✨

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