【report #141】県北BCPアイデアソン#4 -Business Challenge Program-
10/21(土)に開催した『県北BCPアイデアソン #4 中間発表』の様子を紹介します!
Business Challenge Program(県北BCP)では、新規事業開発を目指したアイデアソンを開催しています。このアイデアソンにて、参加企業であるリーダーの事業開発に関するアイデアを出し合い、参加者であるチャレンジャーとともにみんなで事業開発にチャレンジしていきます!
#4では、#3までのアイデア出しの成果と#7の最終報告会に向けたビジョンを発表。どのチームも、中間発表に向けてアイデアソン以外の時間も作戦会議し、準備を重ねてきました。当日は、5名のコメンテーターの方々やチャレンジャーのみなさんからコメントをもらい、発表後はチームで振り返りを行いました。#5からの後半戦に向けて、各チームのさらなる飛躍が期待できる中間発表となりました。
さてここからは、今回参加できなかった方々や当日の様子を振り返りたいという方々に向けて、中間発表の様子を紹介いたします!
まずは5名のコメンテーターを紹介します!
🙋♀️ 市村 美江さん(茨城県政策企画部県北振興局 局長)
県北BCPを主催している、県北振興局局長の市村です。これまでの成果とこれからどう取り組んでいくのかをお聞きできるということで、みなさんの発表を楽しみにしながら今日会場に来ました!どうぞよろしくお願いいたします。
🙋♂️ 高橋 遼平さん(株式会社みらい創造機構 執行役員 パートナー / グロースチーム統括)
みらい創造機構は、スタートアップに投資しているベンチャーキャピタルです。東京工業大学との連携から始まったベンチャーキャピタルですので、大学の技術や研究を世の中に出すことに投資しています。わたし自身は投資するだけでなく、起業前の先生方と一緒にビジネスを作っていくこともしています。
わたしも何かお役に立てればと思いますので、色々ディスカッションさせてください!
🙋♂️ 和田 昂憲さん(株式会社ただいま 代表取締役)
みなさん、コーヒー楽しんでいただけてますでしょうか??
わたしは日立市出身で7年前に戻ってきて、機会の不平等をテーマに2つの事業をやっています。
1つ目は株式会社ただいまにて、小規模コーヒー農家さんから豆を調達し加工してお客様に届けています。2つ目は教育分野として一般社団法人常陸Frogsの創設に関わり、企業の協賛金を集めて学生のアントレプレナーシップを育む活動をしています。
初回から見させていただいていて、本当に今日楽しみです!
🙋♀️ 西野 由希子さん(茨城大学人文社会科学部 教授)
専門は文学で、世界の文学作品を地域のみなさんと読む読書会などを開いています。伝統文化、芸術といったものは、地域にとても大切なもので、文化の継承や文化・芸術を中心にした地域活性化に関心があり、茨城県や県内各自治体の地方創生のお手伝いをしています。
大学では、文学の授業だけでなく地域志向教育と呼んでいる地域活性化の教育カリキュラムも担当しています。今日はみなさんの発表を伺ってお役に立てるようなコメントができればいいなと思っています。
🙋♂️ 大柴 貴紀さん(East Ventures フェロー)
East Venturesは、年間で100社ほどのスタートアップに投資をしているベンチャーキャピタルです。若い投資家と一緒に伴走し応援していくというような使命を持って投資しています。East Venturesに入る前は自分自身10年ほど友達と会社をやっていたので、酸いも甘いも知り尽くしています。
茨城県には由縁があり、今日をずっと楽しみにしてきました!今日はよろしくお願いいたします。
今回は中間発表!
各チームの発表の要点をピックアップして紹介します。
👪 株式会社W Coral[医療業(訪問看護)]佐藤 絢美さん/ 日立市
W Coralを立ち上げたのは
働きたいけど働けない潜在的な看護師の雇用を生み出し、自分らしく働ける場を提供したいと思い、日立市で訪問看護ステーションを立ち上げました。
日立市には訪問看護が必要です
2,400人くらいの高齢者を、1つの訪問看護ステーションで見なければいけない状況です。また、入院している患者さんは、ずっと病院に居られるわけではありません。長い期間入院していると、自宅に帰らなければならなくなります。その際の1つの選択肢として、住み慣れた自宅で安心しながら過ごすことを選択できるために、訪問看護が存在しています。高齢化が進んでいる今、在宅医療を望む人は多く出てくることが考えられます。こういったことから、日立市には訪問看護ステーションが必要であり、足りていないと思っています。
W Coralの事業
W Coralでは、雇用を生み出すことができます。起業した理由の1つに、日立市に雇用を生みたいというものがありました。病院やクリニックだと毎日勤務が必要なのに対し、当ステーションならば週1日2時間からの勤務が可能です。この体制は、潜在的に眠っている看護師を雇用するという目的と、自分がこんな働き方ができたらいいなと思い作った体制です。
アイデアソンでは
これまでのアイデアソンでは、世間の訪問看護に対しての認識不足や、イメージが働いてる側とずれていると感じました。今後のアイデアソンでは、そのイメージのずれを無くしながら、弊社の理念である自分らしく生きられるまち日立を実現していきます!
【コメンテーターによるフィードバック】
西野さん)少し視野を広げて、看護師の資格がなかったり他の資格を持ったりしている方たちがチームになって動けるようにすると、訪問看護に縛られず、違うサービスが提供できるのかなと思いました。
和田さん)ご自身が有名になるのも大事ですが、組織が社会全体として担う役割を分析し、発信していくといい人材が集まるのではないかと思いました。
高橋さん)看護師という職業をライセンスとして増やしていかないと、そもそもの雇用創出という問題にはつながらないと思っています。今病院で働いている人が訪問看護にジョブチェンジをしたところで、その人のライフスタイルが変わっただけであり、雇用創出ではないと思います。
市村さん)潜在的看護師が復帰する際に感じるハードルは、医療技術の進歩についていけるか、などもあるのではないでしょうか。そういったハードルを解消できるような何かがあればよりよくなると思います。
📹 monotalk studio[情報通信業(映像コンテンツ企画)]永松 裕士さん/ 日立市
会社の理念
① 言語や国境の壁を超えた、感情に訴えかける表現
② だれもが自分自身の主人公として輝ける、1つの大きな物語の共創
会社が感じている課題は、中小規模の生産者の所得の低さ、高齢化に伴う廃業が深刻な問題になっていることです。そういった中小規模の生産者からお金をもらって映像やコンテンツを作るのは難しく、ビジネスが成立しません。この課題を解決するためにチームでアイデアを出しました。
EC×映像 自社メディアプラットフォームの運営
中小規模の事業者と連携して「オリジナル商品」と「体験コンテンツ」を一緒に作成します。また、魅力が伝わるようなコンテンツを自社で出資して作成します。加えて、マーケティング用のメディア(YouTubeやInstagramなど)に投稿し、そこから自社オリジナルメディアプラットフォームに誘導します。そして、このフォームから買ってくれるユーザーの利益を、事業者と分配するというビジネスモデルを構築中です。この事業は、メディアを持ったEC事業ではなく、ECと連携したメディア事業としてやっていきたいと思っています。
現在の進捗状況
① リクルートメント
楽天グループから2名、大手広告代理店から2名に入社してもらっており、県北地域で連携できそうな方と話を進めています。
② テストマーケティング
県北振興局初の海外層に訴えかけるメディアの運営をしていて、現在は「Made in Ibaraki」というYouTubeチャンネルを運営中です。元々は受注企画のみでしたが、今回新たにオリジナル企画を発信しています。受注企画の視聴者層は国内65%、海外35%だったのに対し、オリジナル企画では、海外85%まで増加しました。これにより、海外に訴えかけることができていると考えています。
最終報告会に向けて
食×モノ×体験を提供するコンテンツのベータ版を発表できたらと思っています。
【コメンテーターによるフィードバック】
大柴さん)メディアを見るマインドとそこから物を買うマインドは違うので、コストをどれくらいかけるかによりそうかと思います。
西野さん)何につなげることを重視していくかが気になりました。収益化に向けて、観光なのかそれとも物を買ってもらうのか。そういった面を決めていくといいと思います。
和田さん)気になったのは、どのくらいの規模感を目指しているのかという点でした。県北のみなのか、日本全国なのかによっても資金面やスピード感も関わってくるので、そのビジョンを明確にするとよりいいかと思います。
高橋さん)スタートアップ的にお金を集めて上場しようとしたときに、本当にこの取引を1つ1つ積み上げていくとちゃんと利益が出る構造なのかという検証を、このアイデアソンの間にやっていくのがいいと思いました。
市村さん)県北の伝統文化を守るのが目標になるのでしょうか。価値観をアップデートをするやり方以外でも必要なことがあると思うので、そこも検討するといいのかなと思います。
🌳 大北産業株式会社[林業]樋本 鶴雄さん/ 北茨城市
大北産業は林業を中心に創立70年の歴史を持っており、植林から製材までを行っています。
大北産業の課題
高齢化と若手不足からなる人手不足が、1番の課題です。現状の課題に対する取り組みとして、ハローワークに求人を出しています。この取り組みにより、ハローワークに来てくれた方に見学をしてもらうと、来てくれた3人全員を採用することができました。今は、ハローワーク以外からも大北産業に興味を持ち見学する人を増やしたいと思っています。
大北産業がやりたいこと
雇用を目指した自社ブランド確立とプロモーション実施に取り組みたいと思っています。それは、もっと多くの方に林業のことを知ってもらいたいからです。知ってもらったら、きっと林業の面白さがわかるはずです。
アイデアソンでやってきたこと
これまで、企業理念の説明と林業に対するイメージのアイデア出し、課題の整理を行ってきました。その整理によって「とにかく林業の生の迫力を見てもらいたい」という結論に至りました。また、人材確保に対してのアイデア出しを行い、コミュ障の人材確保、奨学金の一部補助、丸太を使ったマッチョ大会の開催など、他にも多数の案が出ました。
これからやりたいこと
アイデアを形にしてプロモーションを実施したいと考えています。それぞれのアイデアを具体的にし、優先順位をつけて順位の高いものから実行する。そして、実施した結果を報告したいと考えています。また、自社ブランドを決定したいと考えています。
大北産業オリジナルを模索していきます!
【コメンテーターによるフィードバック】
和田さん)今日の発表では単発のプロモーションだけという印象を受けてしまったため、長期的なプロモーションや今まで林業に関係のなかった層にリーチしていくという考え方を行っていくと、よりスピードが上がると感じました。
高橋さん)林業の担い手として新たに就職された方をより深く理解することが今後につながると思いました。林業に感動してきたのか、企業に関心を持ったのかを分析し、アイデアを出すのが大事だと思います。
市村さん)林業が業としてどんな風に見えているのか、どんな風に見せたいのかという部分を明確にしたらいいと思いました。
大柴さん)会社をどう見せたいか、林業をどう見せたいか、転職者に対してどう見せたいか等が異なると入社してからの齟齬につながるので、その整合性をつける作業をするといいかなと思いました。
西野さん)うちの会社は素敵なんだというのを、どうやってアピールしていくのか。ここが凄い、こんなに面白いことができるといった魅力をはっきり決め、他と違う所を作るといいと思いました。
🪵 有限会社東和木材産業[卸売業]和田 道代さん/ 常陸太田市
現在、常陸太田市で話題(になる予定)の「Mitchy Kingdom」について今日はご紹介したいと思います。
地元に恩返ししたい、人が集まって元気になる場所を提供したい!
まずは人を集めるため、身近な人から集めようとしました。古い家には泊まりたくないという長男家族のために、山小屋を1つ建て、それが2つ、3つと町内の家族のために増えていきました。帰省しても泊まらない、泊まれない。そんな方のための宿泊施設を県外の方も利用するようになり、多くの方が訪れるようになりました。※予定です。
地元のものを食べさせてあげたい、ここに来ないと食べられないものを作ってあげたい!
そう考えるようになり、道の駅ならぬ「Michiの駅」が話題に。宿泊施設やMichiの駅で働く元気な方々が常陸太田市に増えていきました。※予定です。
社会貢献もしていきたい!
常陸太田市に限らず茨城県内、ひいては全国において放置竹林が社会問題となっています。そこで製造業・林業の経験を活かし、近隣企業と協力して次の取り組みをしています。竹林の整備、伐採した竹を利用した製品の開発・販売を通じた放置竹林対策で、県北事業者とそこに住まう方々が活躍されています。また、常陸太田市で働きたい、住みたい人向けの移住者用集合住宅を作成しました。※予定です。
人が集まって元気になる場所を提供したい!
地元の人も県外の人も泊まれる施設。地元の名産品、新名物を作り出して楽しめる施設。放置竹林対策でみんなでお仕事。常陸太田市で素敵なLIFE。
Mitchyの恩返しの夢は、まだまだこれからも続きます!
【コメンテーターによるフィードバック】
高橋さん)自分も猫アレルギーで実家に帰れないということがあったので、さらに深掘りすることで新たなビジネスモデルになると思いました。
西野さん)竹林はさまざまな活用方法があり、伝統文化があるので、竹林の整備や竹を活かしたいという思いから始まる活動は今後も続けていってほしいです。
大柴さん)実家が古すぎて家族が実家に帰りたがらない、というのは自分でも体験があります。一般の人もその課題を解決できるようにする方法を考えてもらえるといいかと思います。
和田さん)和田さんの人物としてのエネルギーを感じるので、ぜひアイデアを実現してほしいです。
市村さん)県北地域での竹林の問題はとても大変だと思います。竹を上手に使い、頑張っていってほしいと思います。
⛳ 株式会社佐々木製作所[製造業]佐々木 謙彦さん/ 北茨城市
弊社は強みとして、難易度の高いウレタン材の射出技術や、多品種に対応できる品質・生産管理能力を持っています。
課題
佐々木製作所の現在の課題として、次の3点が挙げられます。
・コロナウイルス、ウクライナ戦争による受注減少
・自動車EV化による部品減少への不安
・自社開発品が無く拡大販売ができない
そこで、新規事業を考えました。射出成型技術を活かしたエラストマーゴルフグリップの開発と販売です。
グリップ開発の話は大きく分けて2種類存在しています。1つ目は、お客様向けの話です。ゴルフグリップには、シャフトの硬さに合ったグリップを選ぶ必要があります。そこで、硬さの違うグリップを開発するために、シャフトメーカーと共同開発をしています。2つ目は、販売者向けの話です。販売者側は、装着しやすいグリップの開発が求められています。そこで、ゴルフ工房や自分でグリップ交換する方々の意見を聞き、各メーカーのグリップ寸法を調査しています。グリップ交換をよくする方が、他の方に勧めたくなるゴルフグリップの開発を目指しています。
今後の開発計画
製品設計図や金型の制作は、茨城県の企業に協力してもらっています。Made in 茨城のゴルフグリップを目標に開発を続けていきます。販売について出たアイデアは、ゴルフ人口の多い水戸市をはじめ茨城県内を中心としたゴルフショップ・工房への足を使った営業、SNSを使った宣伝などがありました。まだまだアイデアを募集していますので、よろしくお願いします!
販売計画
来年の春から販売開始予定で、初年度販売本数として60,000本を考えています。そして、5年後に5倍の売上を記録したいと思っています!
【コメンテーターによるフィードバック】
高橋さん)皆さんのビジネスのメインは、メーカーに対するBtoBではなく顧客に対するBtoCという個人向けとのことなので、一番使うエンドユーザーと話していただき具体化していくと面白いなと思いました。
西野さん)品質やデザインで、これを使いたいと思ってもらうことが大事だと思います。茨城県にもゴルフ場が多いので、特徴をPRすることもできるのではないでしょうか。
市村さん)茨城県はインバウンドを目的としたゴルフ事業にも力を入れていて、今年はゴルフ目的のお客さんが多く来ています。そういったインバウンドの分野にも拡げていけば、口コミも増えると思います。
大柴さん)マーケティングをどうするかの前に、ターゲットをどうするかをもう少し明確にした方がいいかなと思いました。
和田さん)顧客に向き合い続けていただきたいというのが結論です。どこにプロモーションするのかの繰り返しだと思うので、ぜひ頑張ってください。
🛰 株式会社菊池精機[製造業]菊池 正宏さん/ 日立市
目指したい世界、想い
・日立を元気にしたい
・宇宙事業は凄く魅力がある
・地域活性化に貢献したい
目指したい世界、姿
なりたい職業ランキングに「機械加工」が入り、茨城県が就職したい地域ランキングで1位になることを目指しています。日立の銀座通りを、再び多くの人が来るまちにしたいと思っています。県北BCPに期待する成果は、超小型人工衛星のミッションが決まることです。
人工衛星で何をやるのか?
人工衛星の市場規模はほとんどがアメリカであり、小型の人工衛星を民間企業が上げていることが多いです。日本は世界5位の市場ですが、世界全体では4%程度です。そういった状況下で、結局どこに人工衛星を売るのかが課題になりました。
県北BCPアイデアソン#1では、102件にも及ぶ膨大なアイデア出しを行いました。Ibaraki発、Kenpoku発、何を飛ばして世界に発信するのか?これが次回の課題でした。
#2では、子供たちがワクワクするようなネタ MiniLabo。実験室のような場所を作るということが決まりました。
#3では「最終的なターゲットをどこに絞るか」をテーマにアイデア出しを行いました。
億単位のものをまず1個売るには
今後のアイデアソンでは「宇宙空間で使える化粧品」「宇宙で着る服」など、宇宙空間で扱うことが難しい物を作っている企業さんと連携していきたいと考えています。また、そういった物が他にもないかを考え、アイデア出しを行っていきます。
【コメンテーターによるフィードバック】
高橋さん)どこに売り出すのかが大事になってくると思っています。私は、数を作りコスパ勝負に入らないといけないと思いました。また宇宙業界にいくのなら、一度宇宙の市場についてをブレイクダウンする時間があるといいと思います。
大柴さん)既存で打ち上げようとしているところにどう入り込むかを考えていくのもありだと思います。誰に売っていくかをスパッと説明できると、よりお金が集まるのではないかと思います。
西野さん)宇宙に情熱のある人のアイデアをどこで取り込んでいくかなど、一つ一つ整理していくといいと思います。大事な分野だと思っているので、応援しています。
和田さん)日立市でこんなに大きいチャレンジを熱い思いでやられている方がいることに感銘しています。ぜひ成功させて、まち全体を引っ張っていってほしいです。
🔩 株式会社石川工業所[製造業]石川 哲也さん/ 日立市
石川工業所は、薄い金属や樹脂を一定の求められている大きさに切り、その上に塗装をしたり傷つかないような表面処理をすることが得意な会社です。
医療分野に貢献したい
貢献できることは弊社の強みを活かした、医療機器の作成だと考えています。しかし、医療機器を作るぞと言われても、金属加工で作れる機器の種類が多く話が広がりませんでした。話を広げるためのアイデア出しを重ねた結果「試作品を作ろう」といった結論にたどり着きました。でも、何を作っていいか分かりませんでした。そんな時、作成に関するヒントをアイデアソン参加者のカメラマンの方にいただきました。その人は、カメラの溝にはまったスポンジを取るためのちょうどいい製品がないと仰っていました。
これだ!
カメラマン向けの試作品として、ピンセットを作成しました。このピンセットには「先端に突起があり溝にハマる」「滑り止め付き(模様、エッチング)」「寸法が図れるメモリつき」「塗装(QRコード、ロゴ)」といった機能がついています。この試作品のピンセットを2,3本欲しいと、ヒントをくださったカメラマンが言ってくれました。このことから、このピンセットを欲しいと考えるカメラマンが他にもいるのではないかと考えています。
今後の計画
カメラマン向け商品の開発と販売を行っていきたいと考えています。また、元々の目的は医療機器なので、お医者さんや看護師さんに見ていただいて、いろんなアイデアを募りたいと考えています。
最後にお願いです。こういうことができないかな?と思った方はお話を聞かせてください!!
【コメンテーターによるフィードバック】
高橋さん)今後の発想の転換として、CT装置のような値段の高い医療装置が抱える課題から逆算する方がいいと思いました。ピンセットのような汎用物だと、価格競争に巻き込まれて消えてしまうと思います。
和田さん)医療従事者側は何に困っているのかが、実は分かってないんじゃないかと思いました。そこで、医療機器を作っているメーカー側にヒアリングをして「どういったプロセスで製品作成を考えているのか」を聞いた方が進みやすいと思いました。
大柴さん)本当に医療分野がやりたいのか、疑問に感じました。医療分野がやりたいのであれば、カメラなどをやらない方がいいのではないでしょうか。また、企業として再構築したいのであれば、医療に拘らなくてもいいのではないかと思います。
西野さん)医療分野で役に立つ製品をつくっていきたいということであれば、やることはクリアになっていくと思います。本業だけでなく、このBCPでの出会いを通じて別の分野を視野に入れ、新たなアイデアが出てくるといいなと思います。
市村さん)今までは自分たちができることの手探りだったのだと思いますが、今後それを見定めて、他の方がおっしゃっていたように軸足を示していけばいいのではないかと思いました。
♨ DAIGO SAUNA[宿泊業]和田 真寛さん/ 大子町
大子町は、人口15,000人程度の過疎化が進んでいるまちで、各産業も縮小しています。逆に、豊かな観光資源やイベントが盛んなど、良い点も多く存在しています。DAIGO SAUNAは、空き家バンクで買った母屋と石倉をリノベーションし、石倉の方をサウナにしました。
コンセプトの共有と課題
これまでの県北BCPでは「コンセプトの共有と課題」について時系列と重要度で整理しました。また、目指すべき姿から何ができるかという面で、マイルストーンを決めました。このアイデアソンを通して、頭の中がかなりクリアになったと感じました。2地域居住の1つ、大子町の拠点をDAIGO SAUNAとして「交流の場」「イベント」「宿泊」の3つの機能を持たせた施設にするのが目標です。そして、その機能それぞれに観光や娯楽、コミュニティや文化の醸成といった接点を作っていくこと。これがうまく回ると、僕たち自身の暮らしも成長できると考えています。また、東京から人を呼んで、文化の交流も活性化するのではないかとも考えています。
大子町のまちづくりのハブとなるDAIGO SAUNA
これから取り組むべき課題がいくつかあります。例えば、平日やオフシーズンの稼働率の問題があります。現在、売上の問題に対する解決策として、客単価UPを狙ってインバウンドやワーケーションをターゲットにしようと考えています。また集客の面では、BCPのチームメンバーにLPを作れる方がいて、作成している途中です。
人材が足りない
これがDAIGO SAUNAの1番の課題です。 こんな人材を求めるといった募集をかけましたが、別にこれをやったところで一時的な解決にしかならないと気づきました。もっとやるべきことは大きいことなんじゃないかと、3回のアイデアソンを通して思いました。
これから取り組むべきこと
DAIGO SAUNAの次は、まちづくりや地域商社を作ってもっと大きくチャレンジしたいと思っています。そのためにまずは実績を上げ、DAIGO SAUNAからまちづくりにつながるような取り組みや企画を考えようとしています!
【コメンテーターによるフィードバック】
和田さん)誰でも運営できる仕組みやノウハウの共有のようなものが1個大子町から生まれれば、かなりのイノベーションになって爆発的に広がると感じました。ぜひ頑張ってほしいです。
西野さん)地元の皆さんや新たに入って来る方々もいて、お互い連携を取りながらまちづくりを進めていくのがいいと感じました。そういった皆さんといい関係を作って、全体で大子町の地域を活性化していってほしいと思います。
大柴さん)サウナを起点にまちづくりを広げる予定だと思いますが、サウナ好き中心になるのではないでしょうか。ゴールを明確にするといいかと思います。
高橋さん)わざわざサウナに来る人は特徴があると思うので、そういった人に向けたサービスや観光が増えるといいかと思います。単身者が多いとのことなので、サウナに入っている際に家族が過ごせる施設を作る、などの視点から考えると面白いと思います。
⚡ 合同会社ときわ水電[電気業(小水力発電)]鈴木 耕太さん/ 北茨城市
ここまでBCPに参加して明確になった、1つの課題があります。それは、適した資金調達の方法です。今日はピッチ形式で発表することで、社会性の強い事業がビジネスとしてどう見られるのかを確認したく、意見を頂けたらと思っています。
合同会社ときわ水電では、地域資源を開発する小水力発電事業を通して、地域の活性化に貢献することを目的としています。この事業の社会的背景として、気候危機や脱炭素、地域活性化などを挙げています。小水力発電のメリットは、外部の影響を受けないため安定していることや環境負荷が小さいことがあります。
小水力発電が活かされる場面
① FITの適用
売り上げの価格と期間を決めて、市場に出すことができます。
② 小売事業者との相対契約
電力市場とは別の安定電源として、再エネメニューの充実化を図っています。
③ 需要家との個別契約
需要家は法人である場合が多く、13年分の電気代を前払いしてもらいます。また、環境への取り組みアピールとしても活用します。
ときわ水電が取り組む理由
大手は細々とした小水力の開発には着手しにくく、地元との調整や協議がハードルとなる場合が多いです。地元の企業だからこそ、地域のポテンシャルを開発するには優位性があります。
「地域にはビジネスの可能性があふれている」
みなさんからのご質問ご意見お願いします!
【コメンテーターによるフィードバック】
高橋さん)市場では、コスパ勝負になってしまうかと思います。資金を集めるには、水で発電することで得する人を探して、その消費者に売る。もしくは太陽光が発電できないところで地産地消する、など電力に色をつけるのがいいと思います。
大柴さん)資金を集めるには、企業の価値やストーリーを作ることが必要だと思いました。事業のスケール感が問われると感じます。いきなり3.6億円が必要というのが、1番難しいなと感じました。
和田さん)普段使う電力だからこそ、社会のためにいいものであるというのは企業さんに刺さりやすいです。そういったストーリーを描きながら仲間を集めていくと、前に進めると思いました。
西野さん)社会や地域に貢献する会社は地域にあってほしいと思います。県北地域の気候や地形、メンタリティに合っている、この地域に向いている、というストーリーが言えると顧客が掴める可能性があるのではないでしょうか。
今回のドリンクは…ただいまコーヒー☕️
発表の前後や合間に、テーブルに準備したお菓子と一緒にコーヒーを楽しんでいました!
今回もまちのこ団のあそび場をお届け🧸
遊び場と会場を行き来したり子どもの声が会場に聞こえたり大人も休憩時間に遊んだり…!遊び場を求めて来てくださるご家族も!!
最後に#5以降に向けて中間発表の振り返り!
県北BCPアイデアソン2023、後半戦スタート🔥
県北BCPアイデアソンは、来年1月までの合計7回実施します。
前半戦に参加できなかった方も#5以降のご参加大歓迎です!
ご都合の合う日程に、ぜひご参加ください!!
#5:11/18(土) 13:00~18:00
#6:12/16(土) 13:00~18:00
#7:1/20(土) 13:00~18:00 ※最終報告会として都内で開催予定