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【report #30】みんなのはたらき方会議 in 日立 vol.4 “micakel×まちづくり”

3/25(金)に日立地区産業支援センター「みんなのはたらき方会議 in 日立 vol.4 “micakel×まちづくり”」を開催しました✨

 

🚩みんなのはたらき方会議とは…?

2022年4月、JR大甕駅前に新たなサテライトオフィスがオープンします!
その名も…日立市テレワークサテライトオフィス「micakel」
「みんなのはたらき方会議」は、micakelを起点に『地域づくり』『中小企業』『外部人材』『まちづくり』の4つの視点から、人々が集い語らい繋がるイベントです。

vol.4では “micakel×まちづくり” をテーマに、銀座通り商店街の一角に位置し、地域から愛される場として「コーヒーを通してつながる場所」を実現しているCOFFEE STAND GENKAN神定祐亮さんと、日立市内で30年以上愛されているイタリア家庭料理店「ベイカナーズ」を事業承継しており、地域から愛される食を発信している株式会社えぽっく若松佑樹さんをお招きし、地域に愛されたまちづくりについて学び合いました。

 

🚩イベントの様子を紹介!

今回はWD代表の高橋 美紀さんにモデレーターを務めていただきました。

 


神定 祐亮 さん(COFFEE STAND GENKAN

1993年、日立市出身。
2012年、漫画家を目指して上京。スターバックスコーヒーに中途入社。
2018年に退社して、株式会社ただいまに入社し、現在バリスタ、イラストレーターとして活動しています。

▶︎神定さんのあゆみ

高校3年生の時に上京し、スターバックスコーヒーにアルバイトとして勤め、その後正社員として勤めるようになりました。順風満帆な生活を送っていましたが、満足して働いていたつもりがいつしか言われたことをやるだけなり、本当に自分のやりたいことがわからなくなってしまいました。病院に行くとうつ病と診断され、2ヶ月休職。そこで地元日立市に帰ってきました。

日立市に戻ってくると、近くにただいまコーヒーというコーヒー屋さんができたと聞きつけ、冷やかしがてら行ってみました。すると、冷やかしに行ったはずが代表である和田に感銘を受け、年齢が3歳しか変わらないのにそのクリエイティブな生き方と地元に対する想いに心を動かされました。「こんな身近にロールモデルがいるんだ」ということに衝撃を受けたことを今でも覚えています。

その後和田からの助言も受け、自分自身を見つめ直すことに。当時なけなしのお金で沖縄への片道切符を購入し、ペンとメモを持って旅立ちました。そこで自己分析を行い、感じたことや気づいたことをメモして約2週間を過ごしました。これを機に自分自身のことがわかってきて、自信がついて俯瞰的思考が身につきました。

改めて自分自身を見つめ直し、働きたいという意欲が湧き、和田からの誘いを受けて株式会社ただいまに入社しました。ただいまの理念に沿って業務を全うしながら、自分自身の好きなことを掛け合わせた取り組みも行うようになりました。

▶︎COFFEE STAND GENKANについて

株式会社ただいまに入社して2年が経った頃、知人から空きテナントでお店をやらないかとお誘いを受け、COFFEE STAND GENKANを開業しました。古くから日立市に根付いている銀座通り商店ですが、近年は人通りが少なくなり不安な要素もありました。しかし、自分自身いろんなビジョンをイメージすることができ、チャレンジしてみることにしました。クラウドファンディングで資金調達をしながら、DIYで自分のこだわりが詰まったお店を作り上げました。年齢、性別、属性問わず、たくさんの方々にお越しいただき、シンプルにやってよかったなと思える日々が続いております。

COFFEE STAND GENKANは『人、地域、ビジネスの「接点」を生み出し、コミュニティの創出と牽引を仕掛けていく』をコンセプトに、街のランドマークになることを目指しています。これをコミュニティビルド型コーヒースタンドと呼んでいて、内装はシンプルにバーカウンターとベンチが並んでおり、接客はフレンドリーとプロフェッショナルを掛け合わせることを意識してお客様と接しています。これによって、自分自身が想像していた100倍、お客様同士のつながりが多い店舗になったと感じています。お客様が交流している様子を見ることが自分自身の刺激となり、今後はこのようなコミュニティを牽引し、新しいコミュニティが増えるようなきっかけづくりをしていきたいと思っています!


 


若松 佑樹 さん(株式会社えぽっく 代表取締役)

日立市出身。
一度上京しますが、2014年にUターンで地元に戻ってきました。
地域のことに関わりたいと思っていたので、社会人になっても働きながら地方のまちづくりに関わる活動をしていました。

2014年、茨城県にUターンし茨城県地域おこし協力隊に着任した際は、新聞の一面を飾るほど大きな反響がありました。東京で仕事をしていた人がわざわざやめて、人口減少が進む茨城県に当時少なかった地域おこし協力隊として戻ってきたことが、社会的に不思議な現象だったのだと後から気づきました。現在は茨城県内に80人ほどの地域おこし協力隊がいますが、当時はとても珍しかったのだと思います。とはいえ、自分にとっては地元に帰ることは普通のことだと思っています。

その後2018年に株式会社えぽっくを設立し、2019年には地元の飲食店「ベイカナーズ」を事業承継しました。

▶︎株式会社えぽっくについて

株式会社えぽっくでは、いろんな人材が活躍できる社会づくりをテーマにしています。地域活性化というと「地域課題」という言葉をよく使いますが、マイナス面ばかりに目を向けている状態に違和感を感じ「こんなことをやりたい」「こういうふうになったらいいな」という “願い” に目を向けてサポートしています。地域の中の願いを実現すべくプロジェクトを企画立案し、参加してくれる人材を募集し、実施をサポートしていくという「地域コーディネート」をメインの事業として行っています。地域おこし協力隊の募集/運営サポート/研修、兼業/副業のコーディネート、インターン/採用支援、取材型インターンの実施などを行い、地域密着型のコーディネートで関係人口の創出に取り組んでいます。

▶︎事業承継について(ベイカナーズのこと)

2019年、日立市で約30年続いていたイタリア料理店を事業承継しました。当時第三者事業承継が社会的に珍しく、新聞などに取り上げられました。地域でお仕事する中で、後継者がいないからなくなってしまうお店が多くあることを知り、ベイカナーズを承継することを決めました。インターンで知り合った学生さんにもアルバイトとして関わってもらいながら経営しています。これまで30年続けてきたことは本当にすごいなと思っていて、コロナ禍でもお店に来てくれる常連さんがたくさんいます。


 


モデレーター:高橋 美紀さん(WD代表 / KENPOKUyoga主宰 / (一社)なでしこ未来塾/ (一社)母親アップデート など)

群馬県出身。
2016年、茨城県北芸術祭を機に茨城県に移住しました。

現在は常陸太田市を中心に、女性の働きやすい環境や生きやすい選択肢をつくることを目標に活動しています。そのファーストキャリアとしてヨガのインストラクターをしながら、県外出身者だからこそわかる茨城県の魅力に興味を持ち、まちづくりにも携わっています。


 

ここからはクロストークの様子を紹介します!

 

なぜ日立市に帰ってきたのですか?
日立市を客観的に見たときに、自分が好きなものに囲まれて好きなことができる環境であり、地元だということで周りの方々が自分のチャレンジを応援してくれる環境でもあったからです。また、地元だからこそ地域に対する思いが強く、その思いの強さが成功につながったと思っています。
どの地域でも楽しく過ごせるとは思うのですが、やはり家族がいるということが大きな要因だったかなと思います。祖父母に育てられたということもあり、ずっと祖父を尊敬していました。そんな祖父が地域に関わる活動をしているのを見ていたので、自分も地域に関わることでやれることをやりたいと思うようになりました。

 

なぜ日立市で新しいことにチャレンジしようと思ったのですか?
都内とのアクセスも悪くなく、情報はどこにいても入手できるので、人口減少や少子高齢化などによる不安はありませんでした。現在コロナ禍で人との出会いが少なくなり、新しいものが生まれるきっかけが少なくなってしまうことに不安を感じることもありましたが、今ではマイナスにとらえるのではなく、自分自身できっかけをつくっていけばつながりをつくることができると考えているので、日立市で活動することに不安は感じていません!
日立市にいたのは高校までで同級生も県外に出てしまう人が多いので、情報はほとんどありませんでした。しかし「失敗してもまたどこかでチャレンジすればいいや」と考えていました。ふらふら戻ってくるよりは、地域おこし協力隊として3年間全うするのがいいなと思い、日立市に帰ってきました。一生懸命足掻いていればなんとかなると思っているので、この7年間なんとかなっています笑

 

なぜ日立市でCOFFEE STAND GENKANを始めたのですか?
ただいまコーヒーとは別にもう一軒お店をつくろうという話が出ていた矢先に知人から物件の紹介があり、和田から「やってみないか」とパスをもらいました。当時は何も考えていない状態で不安もありましたが、ワクワクの方が優ったので、和田からの支持もありやってみることにしました。もちろんどの立地でもお店をやるというわけではなく、何度も足を運んで調査をし「きっとここなら自分と会社の理念が活かせるのでは」と思い引き受けることに決めました。

 

どういった経緯で事業承継することになりましたか?
1番のきっかけは里山ホテルの廃業でした。里山ホテルはうちの最初のインターン先になってくれたところで「本当になくなってしまうんだな」ということを強く実感しました。地域の特徴は個人やひとつひとつのお店や企業によってつくられると思っていて、そのひとつひとつがなくなってしまうのは、まちの個性が失われていくように感じました。そこで1店舗くらいやれるものがあるといいなと思い、事業承継することにしました。実際に事例をつくることが大事で、やろうと足掻いている姿を見せる方がみんな楽しめると思っています。

 

どうやって地域で愛されるお店をつくっていますか?
1番意識しているのは “お客様の情報” です。GENKANでは、髪型や何気ない会話の情報をメンバー間で無意識に共有しています。お客様の情報を大事にすることで、前回の話の続きを次来たときに話したり、会いたい人に会わせてあげたりすることができ「大事にされている」とお客様に感じてもらうことができています。この1年半でお客様同士がつながる瞬間を何度も見てきましたが、このようにつながりが増えて小さいコミュニティが何個もでき、GENKANを通してその輪が広がっていけば、地域に貢献できるのではないかと考えています。常に鮮度の高い情報をインプットし続けることで、GENKANがきっかけの場としてつながりを広げていき、地域に貢献し続けたいと思っています。
ベイカナーズは先代の社長が偉大で、これまでの蓄積があってこそだなというのをすごく感じています。事業承継する際に、先代の社長にベイカナーズはどんなお店なのかを聞いたところ「大皿料理をシェアしながら食べることをイメージして、集いの場としてありたい」と話してくださりました。そこで私は、もっと具体的に集いの場を体現できるようにしようと思いました。しかし、コロナ禍で集うことがいけないとされるようになり、まずは飲食店としてお客様においしいものをちゃんと出すという基本を崩さないことをベースにやっています。また、ベイカナーズの従業員もお客様のことをよく覚えていて、お客様ひとりひとりをよく見て大事にすることが重要なんだなと感じています。

 

神定さんや若松さんのようにアクションしたいと思っている人に対してコメントをお願いします!
現に、お店出したいという方は日に日に増えていると感じています。そういったときに「お店を通じてどうしたいのか」を掘り下げた方がいいと伝えるようにしています。私自身カフェをやりたいという夢はなく、地元に活気をつくりたいという目的を達成するひとつの手段としてカフェをやっています。やることを目的にするのではなく、やったことで相手にどういう表情になってもらいたいのか、どういう影響を与えたいのか、まちにそれをどう貢献できるのか、を考えるようにするといいと思います。
相談されることは多いですが、地域にいいことをやりながら事業を通して成長させるのは、正直苦難の道です。関わり方はいろいろあっていいので、それぞれができる範囲で関わってくれればいいと思います。地域に関わってくれる人が増えることがまちを面白くする要因になると思うので、関わりしろをつくっていきたいと思います。

 

最後にひとことずつお願いします!
質問してくださった方々の幸せを考えてお話しますので、ぜひコーヒー飲みがてら夢や目標を語りに来ていただければと思います。私は日立市のみならず茨城県全体が大好きです!せっかく地域に同じ志を持つ人がいるのであれば、交流を通じてつながりをつくり、夢にかかる時間を少しでも短縮できるように、外に出てたくさんの人とつながってもらえればと思います。COFFEE STAND GENKANでお待ちしております!!
茨城県外からインターンにきた大学生が「日立市って地域で活躍するプレイヤーがすごく多いまちですね!」と言われたことを今でも覚えています。自分自身も日立市に戻ってきた時に、地元の経営者の方々が地域の発展や地域への貢献を考えながらいろんなことに取り組まれていることを知って、すごいなと思いました。ベイカナーズではコロナ禍でもできる限りお店を開けるようにしています。周りの大きな商業施設がなくなってしまっているからこそ、ベイカナーズは開け続けたいと思っています。
本日ご登壇いただいた神定さんや若松さんなどの地域で活躍するプレイヤーの方々とリアルでもオンラインでもつながることができる時代です。ぜひこのイベントを機に多くの方々の点と点をつないで、より挑戦しやすいまち日立市として盛り上げていければと思います。本日はありがとうございました!

 

イベント終了後には交流会を実施!

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました✨
4回のイベントを通じて、187名もの方にご参加いただきました!今回のイベントを通じて、micakelという場がどんな場所になるのか、ぜひ足を運んでみてください!!

 

🚩これまでのイベントの様子

◎ vol.1 “micakel×地域づくり”

◎ vol.2 “micakel×中小企業”

◎ vol.3 “micakel×外部人材”

 

株式会社しびっくぱわー 中井 遥

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