【report】県北BCPセミナー #2(2026.6.20)
6/20(土)に開催した『県北BCPセミナー #2』の様子を紹介します!
Business Challenge Program(県北BCP)は、県北地域活性化を目指すコミュニティです。業種/職種/年齢/性別/国籍を超えた挑戦者たちが共創することで未来を切り拓く、アイデアソンによるディスカッションを活用した新規事業開発を通じてビジネス関係人口の創出を図るプログラムです。茨城県県北振興局が主催し、株式会社しびっくぱわーが運営。半年間で事業構想を磨き、最終報告会で発表します。
BCPセミナー#2「アントレプレナーシップと新規事業開発」
キーノートに登壇したのは、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 学部長の伊藤 羊一さんです。Musashino Valley代表、Voicyパーソナリティ、元Yahoo!アカデミア学長を務め、著書『1分で話せ』などで知られています。県北BCPのセミナーには、今回で3回目の登壇。テクノロジーで世界が変わり続ける時代に、私たちはどう一歩を踏み出せるのか。お話は、問いに沿って進みました。
🙋♂️ 伊藤 羊一さん(武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部 学部長)
アントレプレナーシップは、起業家だけのものではない
「やりたいことや夢に基づき、失敗を恐れずに踏み出し、新たな価値を創造していくマインド」
伊藤さんは、アントレプレナーシップをこう定義します。
起業家精神と訳されることが多い言葉ですが、伊藤さんは、起業する人だけのものではないと語ります。会社に勤める人、行政で働く人、NPOで活動する人。立場は違っても、新しい価値を生み出そうとする姿勢は同じように求められます。アントレプレナーシップは、一歩を踏み出そうとするすべての人に関わるものとして語られました。
できるかどうかより、やってみること
伊藤さんは、個人の妄想を仮説に変え、共感する仲間とともに、少しずつかたちにしていける可能性について語りました。テクノロジーや生成AIの広がりによって、個人が試せることの幅も広がっているからです。
象徴的に語られたのが、伊藤さん自身の経験でした。2020年4月、学校現場でオンライン授業への対応が急がれていた時期に、伊藤さんは知人の先生にZoomの使い方を伝えたことをきっかけに、教育関係者へノウハウを共有する場を立ち上げます。当時のTwitterやFacebookで呼びかけると、30人ほどの仲間が集まり、数日のうちに千人規模のイベントへと広がっていきました。
「やれるか、やれないかじゃなくて、やるのだ」
使ったツールは、ZoomやSNS、Slackなど、特別なものではありませんでした。大切だったのは、できるかどうかを考えすぎることではなく、動き出す気持ちと行動だったそうです。
妄想と仮説の関係にも、質疑のなかで触れました。最初は、ふわりと浮かぶ妄想から始まる。まずは一人ひとりが考えたことを持ち寄り、壁打ちやブレストを重ねながら、少しずつ仮説のかたちにしていく。仮説になったら、実際に試してみる。そんな順番が示されました。
仲間を巻き込むうえで欠かせないのは、「信用ではなく信頼」だとも語りました。信用は「嘘をつかない」という一方向の状態である一方、信頼は、信じて頼り合う相互の関係です。自分からオープンになることで、相手も少しずつひらいていく。伊藤さんは、そんな信頼のつくり方を示しました。
休憩中はBCP恒例の美味しい県北フード&ドリンク!
BCPは人との出会いだけでなく…地域のおやつも魅力のひとつ!
今回は、高萩市にあるフレンチレストランcafe restaurant La Foretさんの焼き菓子と大子町の自家焙煎コーヒー店coffee & furniture 「hajimari」さんの美味しいドリンクを片手にリラックスしながらの和やかな交流となりました!
後半は県北BCPリーダーOBOGによるトークイベント!
過去の県北BCPアイデアソンに参加したBCPリーダーOBOGのお2人をお招きし、アイデアソンに参加していた時のことを振り返りながら、参加して得たものやどのように今に活かしているのかをお話しいただきました!
「会社を日本一に」から、「会員さんを日本一に」——林さん
🙋♀️ 2022年度BCPリーダー
林 三弘さん(いばそう企画有限会社)
家業の葬儀業を引き継いだ林さん。林さんが大切にしてきたのは、嘘をつかない、ありのままの経営でした。厳しい時期もありましたが、現実を正面から受け止めて立て直し、20年ほどかけて黒字へと歩みを進めてきたといいます。
県北BCPでは当初、会社が日本一になることを掲げてエントリーしました。社内会議では、言ったことを自分たちで実行しなければならないぶん、当たり障りのない意見になりがちだったといいます。
「県北BCPでは、責任を気にせずに自由な意見を出してもらえた。その意見を聞いて、できるか、いいねと思うかを僕が判断していけばよかったんです」
中間発表で「会社を日本一に」から「会員さんを日本一に」へとテーマが定まった瞬間、取り組みは一気に動き出し、オーディエンス賞につながりました。
受賞後に生まれたのが、人生を楽しむための「ネクストライフシート」です。亡くなった後のためではなく、これからの時間をどう生きるかを描く。会員を大切にしたいという思いから続く取り組みは、6/30に第4回を迎えるなど、いまも回を重ねています。
木材と住宅資材の卸売業を営む会社で、広報と新規事業を担う美喜さん。取引先の廃業が進むなかで、これからの事業をどうするかという危機感を抱えてきたといいます。地域で自分らしく動きたい。そんな思いから、県北BCPに飛び込みました。
初回のプレゼンでは、原稿を読みながら、涙ながらに思いを伝えたと振り返ります。当時はプレゼンの経験もなく、頼れるのは、木材でプロダクトをつくりたいという熱量だけでした。それでも、その熱量に多様な仲間が集まっていきました。製造業やカメラマン、金融など、異業種のメンバーによるチームが生まれ、対話を重ねた結果、県知事賞を受賞しました。
「いろんな人と意見を交わして、何かをつくっていく。これって地域の未来につながるんじゃないか。新しい社屋をつくりたいと思った源泉も、そこにありました」
異業種の仲間と対話しながら地域の未来を考えた経験は、やがて「八千代の森」という場にもつながっていきました。受賞後も、桜を生かしたプロダクトづくりや地域での出店など、チームとの協働は続いています。
仲間に助けられ、自分の個性の届け方を見つけた——永松さん
🙋♀️2023年度BCPリーダー
永松 裕士さん(monotalk studio)
映像制作の会社を営む永松さん。県北BCPへの参加は、最初から強い目的があったというより、周囲との関係のなかで決めた面もあったと、率直に振り返ります。当時は26歳。自分の考えを強く持っていて、人の意見で方向を変えるつもりはなかったといいます。
ところが、チームに集まったのは、デザイナーや神社の巫女さん、こだわりの羊羹をつくる方など、それぞれの視点を持つ仲間たちでした。
「自分の尖りを丸めるのではなく、尖ったまま、どう的を絞って届けるか。そこを皆さんに助けてもらいました」
仲間に助けてもらううちに、自分の個性をなくすのではなく、そのままどう届けるかを考えるようになったといいます。やがてその取り組みは、審査員賞のダブル受賞につながりました。
いま、永松さんは常陸太田産業振興株式会社の代表としても、地域や事業者のために動いています。県北BCPでの経験は、当時の発表で終わらず、その後の活動へとつながっていきました。
お菓子、コーヒーを片手にネットワーキング🍪☕️
最後の参加者同士のネットワーキングタイムでは、和やかな雰囲気の中参加者同士が交流。初参加の方から長年関わるメンバーまで、異なる属性の初対面の参加者でも、会話が弾んでいる様子が印象的でした。これから始まるアイデアソンの可能性にワクワクするような時間となりました!
\やるぜ、県北!みんな、集まれ!/
2026年12月まで毎月第3土曜日は県北BCPです!「いつか何かを始めたい」「今の仕事や地域で、一歩踏み出したい」そんな方こそ、ぜひ一度県北BCPを体感してみてください。”想いをカタチにする” ヒントと仲間が、きっと見つかります。
次回の県北BCPアイデアソン#2は8/15(土)13:00から開催!

今回だけの様子を覗いてみたい、という方も大歓迎!途中入退場も可能ですので、皆様ぜひ奮ってご参加ください🔥
🗓️ 県北BCP アイデアソン
・8/15(土) 13:00〜18:00 アイデアソン#2
▶︎ メンター:合同会社Emmagination 代表社員 大川貴世美さん
・9/19(土) 13:00〜18:00 アイデアソン #3
▶︎ チームワークとピッチ準備
・10/17(土) 13:00〜18:00 アイデアソン #4
▶︎ 中間発表!
・11/21(土) 13:00〜18:00 アイデアソン# 5
▶︎ デザイン思考とピッチ準備
メンター:クリエイティブディレクター 高野一樹さん
・12/19(土) 13:00〜18:00 アイデアソン #6
▶︎ 最終報告会






