【report #199】県北BSSセミナー#5「強みを活かした大胆な販路開拓戦略」
12/7(土)に開催した県北Business Start School セミナー#5「強みを活かした大胆な販路開拓戦略」の様子を紹介します!
県北Business Start School(県北BSS)は、茨城県県北振興局が主催する、茨城県北地域で新しく事業を起こし育みたい方々がともに学び、ともに高めあい、ともに事業成長するためのコミュニティです。
今年度最後のセミナーである今回は、茨城県水戸市にある明利酒類株式会社の本社で開催しました。「強みを活かした大胆な販路開拓戦略」をテーマに、明利酒類株式会社 常務取締役の加藤喬大さんをお招きし、戦略的な事業展開と販路開拓のために取り組んだ具体的なアクションやその過程について、たっぷりとお話しいただきました。セミナーの後は、加藤さんによる豪華試飲付きの酒蔵&蒸留所見学ツアーも開催されました!
加藤喬大さん プロフィール
2014年、博報堂入社後、消費財メーカーのマーケティング戦略立案と実施を担い、その後スマートシティなどの新規事業の責任者を経験。
2020年、コロナをきっかけに江戸時代から続く家業に戻り、酒のアルコールを活用した医薬部外品事業を着想し、新工場を設立し、売上減少を支えた。日本酒の付加価値を引き上げるプレミアム日本酒『雨下uka』、グローバルIPとのコラボレーション、さらに60年ぶりのクラフトウイスキー事業に挑戦している。
すでにお客様が決まっていて、売る商品が決まっている場合は、販路開拓ではありません。販路開拓とは、新しい商品をつくって新しいお客様に売りに行くことです。今回のセミナーでは、2020年4月に家業である明利酒類株式会社に戻り、強みに着目して0から1を生み出した実際の事例を元に、加藤さん流の販路開拓について解説いただきました。
「今、この空間にいらっしゃる皆さんに、しっかりと価値を届けたい」との想いで登壇してくださった加藤さん。具体的な取り組みの事例を、一歩踏み込んで掘り下げてお話ししてくださいました!今回のレポートでは、加藤さんのお話から一部を抜粋してお届けします。
強みを再定義することから始めよう
加藤さんが家業に戻った2020年4月の社会状況は、緊急事態宣言が出され、マスクと消毒液が全く手に入りませんでした。「この社会状況で、自分たちにできることは何か」と考える中で、お酒で使うアルコールと消毒で使うアルコールは同じだということに加藤さんは気がつきました。
明利酒類は、BtoBのビジネスでアルコールを販売しているため、18万リットルのタンクを6基持っています。そのタンクでは、極めて純度の高いアルコールをしっかり管理することができます。これが明利酒類という会社の力です。加藤さんは、明利酒類は酒蔵ではあるが酒造りの会社ではなく、酒造りの原料であるアルコールに強みがある「総合アルコールカンパニー」だと、強みを再定義しました。強みを再定義することで、消毒液代用として使える「メイリ65%」という新しい商品が誕生し、更に「MEIRIの除菌」という商品も生み出すことができました。大容量なので多くの場所に使える「MEIRIの除菌」は、小・中学校や保健所、病院、大型複合施設などへと販路を広げることができました。
新しい商品を生み出す時のポイントは、新しい領域で事業を始めるのではなく、自分たちがすでに持っている強みから始めることです。強みを再定義し、言語化し、新しい事業をつくっていきましょう!
ブランディングとは独自性
「明利酒類のものづくり」を世界の人に知っていただくための考え方についても、加藤さんからお話しいただきました。ブランディングと聞くとデザインのことだと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。ブランディングとは「自分たちにしかできないものづくりとは何か」を歴史的・空間的に徹底的に考えることに時間を使うことです。デザイナーに発注する前に、自分たちの独自性について言語化しておくことが大切です。デザインでやるべきことは、独自性をいかに表現するかです。
約60年ぶりにウイスキー製造の免許を取得した「高藏蒸留所」でのウイスキーづくりの事例でも、明利酒類の独自性を歴史的・空間的に考えています。明利酒類は、百年梅酒のメーカーとして皆さんに認知していただいていることと、水戸市にある会社だということがポイントです。水戸市の気候や風土、そして、百年梅酒のメーカーであることを活かすため、百年梅酒を熟成させたウイスキー樽の中にウイスキーを入れています。このように、明利酒類にしか生み出せない芳醇さを追求したフルーティなウイスキーをつくっています。
講演の後も質問が続々と!
会場の皆さんからは加藤さんへの質問が止まらず、Q&Aの時間が足りないほどでした。また、参加された方がお互いに気づきをシェアし合う姿もあちこちで見られました。「自分も強みを再定義して更に事業に取り組みたい」「今回の学びを “よかった” で終わらせずに、もっと事業を進めていきたい」などの熱量の高い感想がたくさん寄せられました!
講演の後は、豪華試飲付きの酒蔵&蒸留所見学ツアーへ!
酒蔵&蒸留所見学ツアーでは「自分たちの強みがどこにあるのか。強みを別の角度から捉え直すことができるのではないか。明利酒類の場合は、酒造りではなく “アルコール” に強みがあると捉えた」という加藤さんのお話を、五感を通して改めてインプットする時間となりました。
セミナーの最終回である県北BSSセミナー#5「強みを活かした大胆な販路開拓戦略」では、いつも以上に学びや気づきをたくさん得ることができました!今回インプットしたことをしっかりと実践で活かしていきましょう!
県北Business Start School(県北BSS)では、最終回として県北BSSマッチング#2を2025/1/11(土)に晴耕雨読にて開催します!県北地域の事業者のフードドリンクを片手に、県北地域での仲間づくりの時間としてじっくりたっぷり参加者同士でお話ししませんか?
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