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Kawahara

2021年4月入社

1997年2月生まれ
茨城県常総市出身
キーワード:
「イベント企画×組織運営」
「街づくり×防災」
「クリエイター×地域」

クオリティの高い黒子でありたい

ー 大学に在籍しながら就職されたということで、経緯などを教えてください。

筑波大学に編入する前から利用者としてLab(コワーキングスペース)に足を運ぶようになりました。堀下さんや、その頃のスタッフの人たちと交流するうちに、イベントスタッフとしてカメラマンを務めるようになったんです。2018年8月からLabスタッフを務めはじめ、もう2年以上関わっていることになりますね。2020年7月に個人事業主となりましたが、2021年4月から社員として所属することになりました。
僕は、震災をきっかけにまちづくりやコミュニティに興味を持つようになりました。大学生活ではこれまでに学食をリニューアルしたり、街なかの飲み歩きイベントを企画したりしたほか、地元常総市の水害の聞き書き調査、学園祭の実行委員、インターンの運営、よさこいソーランのサークルを立ち上げるなどの活動がありました。
僕は茨城が好きで、ずっと茨城にいたいという思いもあって、やりたいこととやれることのトライ&エラーができるしびっくぱわーに入社を決めました。

ー 入社したばかりでも関わりの深い川原さんですが、どんな業務をしていて、どんな役割でしょうか?

しびっくぱわーでは、コロナ禍で、これまでのコワーキングスペースの運営だけでなく、密を生まない、イベントのオンライン化にも取り組んでいます。映像と企画を組み合わせた、これからのイベントスタイルを作り上げたいと日々取り組んでいます。役割としては企画の他にもカメラマンや配信責任者など技術面での立ち位置が多いかもしれません。

今、しびっくぱわーの5人はそれぞれ堀下さんが持っていないスキルを持った人材が揃っているんですよね。とはいえ、会社が大きくなるにつれて、堀下さんの持つスキルを持つ人材が必要となることは明確です。うちの会社は小泉さんが守りで、ほかの4人が割と攻めのスタイル。
堀下さんのコピーになるつもりはありませんが、いずれ二本柱として支えられるような役割を担いたいと思っています。ほかのメンバーが、僕のイメージカラーとして黒を挙げるように、僕がつくるのは何かの素材が多いのでクオリティの高い黒子でありたい。当人が余計なことを気にせずに、より輝くことややりたいこと、見せたいものを見せるための影の立役者として、1人ではなし得ないことを1.5倍、2倍にする人になりたいですね。

ー これから実現したいことやありたい10年後の姿はありますか?

黒子でありならがら、一方でプレーヤーであり続けたいという思いもあります。誰も追いつけないところにいたいんですよね。今後は、個人のスキルを多重に掛け合わせて、能力の獲得、実践、エラー、再獲得というスパンを個人としても、集団としても実行できるように、いろいろな能力を複合的に噛み合わせていきたいですね。
また、コロナが終わってもオンラインの波とオフラインを溶け込ませ、オフラインの価値を下げずに、オンラインの価値を上げるということにも注力していきたいと思っています。
10年後は34歳。自分が失敗させてもらったように、チャレンジしてもがいている大学生に対して、機会提供し一緒に楽しめる存在になっていきたいです。

Writer

高木 真矢子
合同会社JOYNS 代表・ライター・編集者・プロデューサー

1986年生まれ、茨城県常陸太田市出身。2018年3月JOYNS設立。コンテンツ制作、キャスティング業、PR業、WEBメディア「水戸経済新聞」運営などを展開。個人事業主の中3と小6の2児の母。往復100キロ圏内の取材や打合せは極力ロードバイクで向かうサイクリストでもある。

Kawahara

2021年4月入社
カメラマン /
配信ディレクター

Profile
1997年茨城県生まれ。茨城大学へ進学後、水戸を中心とした地域活性化に取り組むほか、関東東北豪雨をきっかけに地元常総での防災教育に関わる。2017年度に茨城県北を対象とした県庁主催のビジコンに参加し学生初受賞。その後2018年に茨城大学から筑波大学へ編入。図書館情報学に取り組みながら、コワーキングプレイスTsukuba Place Lab運営スタッフ、筑波大学発宇宙ベンチャーWARPSPACE BizDevメンバー、コミュニティFMラヂオつくばディレクターにも参画。2020年度より株式会社しびっくぱわーへ入社した他、Venture Café Tokyo,TSUKUBA CONNÉCTにてOperation Leadを務めている。

趣味も仕事も飛び越え、何でもできるようになりたい

仕事の軸として持っているのは「好奇心」。仕事で必要とされるスキルや役割に面白さを見つけると、どんどんハマっていき、クオリティを追求したくなります。一度ハマると、アウトプットの品質を高める方法や、機材の知識、運営ノウハウなど、四六時中考え続けてしまいますね。

そこには「趣味か仕事か」という垣根は無く、むしろ「仕事にできる趣味は無いかな?」と考えているぐらい。面白そうだなと思って始めた趣味は、仕事で活かせるレベルまで突き詰めたくなってきます。

僕が担当する配信ディレクターの仕事も、写真、音響、イベントづくりなど趣味やアルバイトで培ったスキルの寄せ集め。僕の好奇心も手伝って、「安定した配信現場づくり」「蓄積したノウハウの共有」など毎日考え実践しています。

今目指しているのは、配信ディレクターのスキルを軸に、広く深く色々なことをできるようになること。配信スキルだけでなく、リーダーとして企画そのものを引っ張る力も高めたいので、企画づくりの仕事にもトライ中です。

実は、リーダーシップをとるのが苦手なんです。でも、先輩たちの姿を見て抱いた憧れと、「できるようになったら仕事がもっと面白くなるはず」という好奇心で、リーダーとしての力も追求していきたいですね。

好奇心に蓋をせず、楽しいことを見つけてほしい

大学時代から、Tsukuba Place Labを通じて色々なことに挑戦させてもらえて、多くの方から応援を受けながら成長を続けてきました。そこで受け取ってきたものは、あとからやってくる若い世代への応援として返していきたいと思っています。

相談に乗ったり、スキルやノウハウを共有したりと、いろいろな応援のしかたがあります。でもまずは、自分が本気で色々なことにトライしている姿を見せることから始めたいです。

僕は好奇心に導かれて色々なことにハマり、仕事や挑戦につながり、それが楽しくて四六時中あれこれと考えています。意識しなくてもついついて考えてしまう状態こそ、僕にとっての「本気」の状態。そんな経験があるからこそ、そして若い人には、「自分にはできない」なんて思わずに、まずは無意識に考えてしまう楽しいことを見つけてほしいと思っています。

偉そうに言っていますが、なんだかんだ言って僕もまだまだ駆け出しだし、若手の部類に入ります。先を走っている先輩たちには、全然敵わない。それでも、僕なりに自分の可能性を信じ、好奇心に蓋をせず仕事に打ち込んでいます。そんな姿を見せ続けることで、若い人たちにも「自分にもできるかもしれない」と希望を持ってもらいたいですね。

Writer

佐野匠
インクデザイン合同会社 ライター・フォトグラファー

はたして皆様のパワーを受け止めきれるだろうか!?と思いながら挑んだインタビューと執筆。案の定、しびっくぱわーさまの熱に終始飲まれておりました。
それでも、スタッフさんそれぞれが抱く「応援」「成長」「チャレンジ」への熱意に煽られ続けたことで、私自身も熱くなってきました。執筆を終えた今でも、「そうだ、そうだ、やりたいことがあるんだ!」とソワソワしているところです。
執筆にあたり、何度もお話の時間を頂きました。おかげさまで、スタッフのみなさまを以前より身近に感じることができて、ちょっと嬉しかったです。そして、みんなもしびっくぱわーさまの熱に飲まれてみたらいいんじゃないか!?としみじみ感じておりました。

Kawahara

2021年4月入社
カメラマン /
配信ディレクター

Profile
1997年茨城県生まれ。茨城大学へ進学後、水戸を中心とした地域活性化に取り組むほか、関東東北豪雨をきっかけに地元常総での防災教育に関わる。2017年度に茨城県北を対象とした県庁主催のビジコンに参加し学生初受賞。その後2018年に茨城大学から筑波大学へ編入。図書館情報学に取り組みながら、コワーキングプレイスTsukuba Place Lab運営スタッフ、筑波大学発宇宙ベンチャーWARPSPACE BizDevメンバー、コミュニティFMラヂオつくばディレクターにも参画。2020年度より株式会社しびっくぱわーへ入社した他、Venture Café Tokyo,TSUKUBA CONNÉCTにてOperation Leadを担う。現在はフォトグラファー・配信ディレクターとして日々挑戦者を応援すべく、撮影・配信・記録に取り組んでいる。

Kawahara

2021年4月入社
カメラマン /
配信ディレクター

Profile
1997年茨城県生まれ。茨城大学へ進学後、水戸を中心とした地域活性化に取り組むほか、関東東北豪雨をきっかけに地元常総での防災教育に関わる。2017年度に茨城県北を対象とした県庁主催のビジコンに参加し学生初受賞。その後2018年に茨城大学から筑波大学へ編入。図書館情報学に取り組みながら、コワーキングプレイスTsukuba Place Lab運営スタッフ、筑波大学発宇宙ベンチャーWARPSPACE BizDevメンバー、コミュニティFMラヂオつくばディレクターにも参画。2020年度より株式会社しびっくぱわーへ入社した他、Venture Café Tokyo,TSUKUBA CONNÉCTにてOperation Leadを務めている。

プロフェッショナリズムと大胆さのループが成長を加速させる

自分にとって「Be Professional」は守りで「Go Bold」は攻めの価値観です。仕事の中で常に100点をとれる状態から一歩踏み出し、新たなフィールドで挑戦する。そこで100点をとるためにさらに努力する。この攻めと守りの繰り返しで成長が続いていくと考えています。

“プロフェッショナルである” とは、自分の担当領域に求められる役割を十分に果たし、他の人の仕事に確実につなげること。その繰り返しが信頼関係を作り上げていくと思っています。

例えばしびっくぱわーで行うイベントのオンライン配信では、私は配信ディレクターとして多様な機材を使い分けています。配信を滞りなく進めるために現場の状況に応じて機材をアップデートして「ここはちょっと不具合だったな」や「なんかこれ調子悪いな」のように気になったことはメンテナンスを行います。また、不具合の調整方法を他のメンバーに共有しておくことも必要です。

裏方の準備も着実にこなして安定した配信を積み重ねた結果、2020年にTsukuba Place Lab内で数人規模から始まったオンライン配信事業は、今では500人以上の規模のカンファレンス配信まで担うようになりました。これが私にとっての「Be Professional」というカルチャーと、常に高い水準の仕事を遂行し続けることの大切さを感じた経験です。

一方で、ひとつの分野の中で完璧を目指すだけでは現状維持になりがちです。そんな時には「Go Bold」の精神で、自分がやったことのない分野にあえて踏み出していくようにしています。

時には大胆なアクションで挑戦をしてみることで、これまでとは違う正解を出せるようになることもあります。具体的には、入社2年目に担当した茨城県の脱炭素経営普及啓発シンポジウムの運営ですね。この案件では茨城県内の企業の社長や大手企業で脱炭素事業に取り組んでいる方々を相手に、事業者の代表としてシンポジウム運営の矢面に立つ経験をしました。相手から見ると若手に見えたでしょうし、実際の経験も少なかったのですが、自分自身を信頼していただけるように相手が不安に感じそうなことは早めに解消するなど、丁寧にかつ真摯なやり取りを心がけました。

慣れているカメラマンや配信ディレクターとは違う業務でプレッシャーもありました。ですが、その後また普段の撮影の仕事に戻った時に、被写体と向き合うという、実はとても責任のある瞬間への向き合い方も上手くなったと感じています。

100点満点を目指すことと「やったるぞ精神」で新たなステップを踏み出すことを繰り返していけば自分自身の成長につながって、プロフェッショナルとしての仕事を全うできるようになるのではないかと思います。そこからクライアントへの貢献や満足度の向上にもつながっていくのではないでしょうか。

挑戦を繰り返すのは正直大変です。でも、仕事を楽しいと思えるからこそ続けられています。もし、しびっくぱわーに興味を持ってくれている人がいたら、それぞれが持っている「これへの興味のためなら楽しく頑張れそう」という想いを聴かせてもらいたいです。新しいことに挑戦するからこその「楽しいキツさ」をポジティブに乗り越えていけるメンバーが待っています。

Interviewer

佐野匠

取材では、仕事や目標、これまでの歩みなどをいきいきと言葉にするしびっくぱわーの皆様の熱を間近に感じていました。具体的なエピソードや、体験から思考を深める話題も多く、真剣に楽しく仕事に打ち込んできたからこそ語れるお話だったと思います。
期せずして、今回の取材は私の転換期とも重なり、自分の仕事のあり方を見つめなおす大切な時間でもありました。
貴重な機会を頂きありがとうございました。
皆様のご活躍を楽しみにしております!

Writer

清田睦月
インクデザイン株式会社所属 エディター

1999年生まれ、IR(インベスター・リレーションズ)分野での製作を得意とし、インタビューライティング、企画・編集などを行う。インクデザイン株式会社が日立市にサテライトオフィスを持つ縁から、茨城県内での取材に多数関わる。特にお気に入りの地域は大子町。

Kawahara

2021年4月入社
カメラマン /
配信ディレクター

川原さんのポートレート写真

Profile
1997年茨城県生まれ。茨城大学へ進学後、水戸・日立を中心とした地域活性化に取り組むほか、関東東北豪雨をきっかけに地元常総での防災教育に関わる。その後2018年に筑波大学へ編入し、在学中に開業。Tsukuba Place Labスタッフや筑波大発宇宙スタートアップBizDevメンバー、コミュニティFMディレクターなどへの参画を経て2021年株式会社しびっくぱわーに入社。現在は配信ディレクター・カメラマンとして年間250件以上のイベント企画運営・ライブ配信ディレクション・撮影に携わる。


 

しびっくぱわーの仕事で一番好きな瞬間は何ですか。そう聞くと、少し迷ってこう答えました。

「イベント・配信が滞りなくトラブルなく進み、無事完了できた時」——。

華やかな成果でも、誰かに褒められた瞬間でもありません。イベント・ライブ配信がトラブルなく終わったという、ただそれだけの静かな安堵が、川原さんにとっての成果を実感する瞬間だといいます。

カメラマン、配信ディレクター、つくばスタートアップパーク(以下、スタパ)でのイベント企画運営。複数の役割を持ちながら、堀下さんが前に立ち、川原さんが後ろで支える。約8年間、メンバーが変わっても揺らがなかったその体制の中で、入社6年目に突入した今、新たな変化が起きています。そんな、川原さんの現在地を聞きました。

現在、川原さんはどんな役割を担っていますか?

川原:仕事は現場だけではないですが、現場に焦点を当てると、社内的には現場のスペシャリスト側だと思っています。

うちの会社には二つの大きな役割があって。イベントの現場で参加者の関心を集め、全体のテンションと進行をコントロールしていく人と、その対角線上で会場全体を俯瞰して品質を整えていく人。よくあるかたちとしては、堀下さんが前で、僕が後ろなんですよ。この体制は僕がTsukuba Place Lab(以下、Lab)に携わり始めてから8年くらい、ずっと変わっていません。

僕は今、つくばに常駐している唯一の社員で、社歴も一番長い。インターン生のサポートや、イベントの運営・オペレーションを中心に、現場全体を支える役割を担っています。

うちの会社は「ポジション採用」を一切していなくて、人のスキルに合わせて役割を後からつくる。僕に限らず全員そうで「ポジション」という意識はほとんどないと思います。

前回のMembers記事のインタビューから1年以上経過しましたが、川原さん自身の役割に変化はありましたか?

川原:もともと「現場を見るから、企画はお願い!」「現場は統括するけど、経営寄りのマネジメントには入らない」とあえて線を引いていたんです。必ずしも優秀なプレイヤーが優秀なマネージャーになるとは限らないし、僕の場合は自分の得意な領域を突き詰める方が、会社全体の出力も上がるんじゃないかと信じていました。

もちろん、イベントの企画もPMみたいなことも経験してきました。「できるけど、あえてやらないでおこう」という感覚だったところを、この1年では「この会社を回すためにはやらなきゃ」と思うようになって、動き始めたんです。

だから、つくば市内2カ所の拠点で言えば、Labは堀下さん、スタパは僕、という意識付けを自分でするかたちになりました。スタパでは毎週水曜にイベントを年間50本ほど開催しているんですけど、その企画・運営を今は僕が中心になって進めています。

またスタパに限らず、つくばエリアのさまざまな機関から案件の相談をいただくことも増え、以前は事業を進めるポジションをあえて持たなかった僕が、この一年はそういう部分を多くやるようになりました。結果として、チーム全体がうまく回っている実感はあります。

「しびっくぱわーの仕事で一番好きな瞬間は、イベント・配信が滞りなく無事完了できた時」という答えについて、もう少し聞かせてください。

川原:何事もなく終わるというのがどれだけ素晴らしいことか、と思っています。

現場運営、特にライブ配信ってマイナスが目立つんです。音声が乗らない、フレームがカクつく、しまいには映像が切れる。十分に情報を届けられていない時点で、もうマイナス100なんですよね。

何事もなく、穏やかに終わった。逆に怖いくらいだけど、その時に「よかった」と思えるんです。

川原さんは、カメラマンとしても活躍されていますが、撮影を担当するときに大切にしていることは?

川原:僕は、カメラマンは目立たない方がいいと思っています。

だって、主役は被写体じゃないですか。その方が一番自然にいい状態であれるのを撮らせてもらう方がいい。その瞬間に何を一番大事にすべきかを考えたら、僕の我よりもっと大事なものがあるんですよね。

川原さんが最近、仕事で印象に残った出来事は?

川原:日立市の拠点「晴耕雨読」のスタッフ、さきよさんの現場力がめちゃくちゃすごかったんですよ。

下校時間に自ら外に出て、通りがかる子どもたちにあいさつしたり、しゃがんで目線を合わせて話しかけていて。子どもたちが「立ち寄り」にならないよう、あえて外でコミュニケーションを取る配慮もしながら、地域のご年配の方ともとても穏やかに関係を築いている一幕が社内で共有されました。

地域の中で「自分がここにいてもいいんだ」とポジティブに感じられる瞬間って、実は大人でもそんなに多くないんじゃないかなと思うんです。子どもの頃からそうした体験をどれだけ重ねられるかが、その場所への愛着につながっていくんじゃないかと、僕は思います。

さらに、その愛着によって一つひとつの人の「機能」が少しずつ好転していけば、その地域全体が良くなっていくと心から信じているんですけど、さきよさんはまさにそのきっかけを自然に生み出している。

「そのために仕事してるよね、僕たちは。」と、改めて思えた出来事でした。

現在、川原さんはスタパの運営も任されていますが、川原さんにとって、スタパはどんな場所ですか?

川原:これを自分の言葉で言語化したことはないですね。今、初めて考えてみました。

挑戦したい人、挑戦している人の「寄り合い所」みたいなものかなと思います。公民館のようでもあるけれど、ギルドホールみたいな感じもある。

スタパで毎週のイベントを続けている中で、3カ月後や半年後に「あの時のおかげで課題が解決しました」と報告をいただけると、あの場でのコミュニケーションがつながったんだなと感じます。

ただ、水曜日の夜はどうしても都合で来られない人もいます。水曜日以外にもチャンスをつくるためにはどうしたらいいか——「僕がスタパにいることで、挑戦者の窓口になるしかない」と思っています。

僕ももっと、スタパに来てくれた方々と目線を合わせたい。物理的にもだし、経営者の方が多い場なので、自分の視座を上げながら、同じ目線で話ができるように心がけています。

「スタパやLabに来れば、次も何かがある」とポジティブに思える状態をつくりたい。そのコミュニケーションが生まれなければ、何も次の動きは生まれません。そのために、家でも仕事はできるけれど、僕はスタパに行くんですよね。

川原さんが5年以上、この会社に居続けている理由は?

川原:僕、めちゃくちゃ茨城っ子なんですよ。幼少期から小・中・高・大、そして今まで、全部茨城で過ごしてきました。

特に、地域コミュニティやローカルビジネスに関わる領域では、大学生の頃から県内のいろんな大人の方々に、本当にたくさん育てていただいたと思っています。

その受けた恩を、仕事を通じて次の世代に少しずつ送っていけたらいいなと。それが僕なりの恩返しだと感じています。

さらに、お世話になった方々と一緒に、もっと成長した自分で、もっとたくさん仕事をご一緒できたら嬉しいなと思っていて。それがまだ終わっていない。

だから今、茨城を離れる理由が僕にはないんですよね。

知っているコミュニティだからこそ、ただのお金のやりとりではなく、顔の見える関係として、お金以上のものが返ってくることもあります。そんな嬉しいことないじゃないですか。

つくばにいれば、首都圏の空気感を感じることやスタートアップの話も聞ける、さらに、国際的な話もできる。一方で、ローカルな話もできる。

僕がやりたいことのほとんどは、茨城で実現できている気がします。

極論を言えば、地元だからこそ、やりたいことを全部やっていけるんじゃないかなと思っています。

川原さんにとって、代表の堀下さんはどんな存在ですか?

川原:経営者として、コミュニティに携わる人として、「誰かの挑戦を応援する」ことにおいて、まだまだかなわない存在だと思っています。

ただ、ほとんど敬語は使わないですし、仮に同級生だったら絶対に仲良くならないタイプだろうな、とお互いに言い合っています(笑)。ではなんでこんな関係になっているのか、正直自分でもよくわからないんですけど、互いの専門性を大事にしながら本気で仕事をしあえる仲間なんだろうなと。

僕は機材を使って外に出力するのが得意で、彼はビジネスを回して外に出すのが得意。お互い真逆のやり方なんだけど、リスペクトを持ってかみ合わさっているから成り立っているんだと感じています。

堀下さんは僕にとって、いい存在であり、いい友人ですね。

堀下さんは、最新のMembers記事で「いい仕事をする」という軸について語りました。川原さんにとっての「いい仕事」とは?

川原:自分にできることを正しく発揮して、より効果の高い行いをすることだと思います。

趣味であれば、効果がなくてもいいけど、仕事はそうではありません。自分たちも、クライアントも、ステークホルダーも、みんながポジティブにそれぞれの役割を十分に発揮し、全体でより良い効果を得ていくための行いをしていくこと。そのプロセスを時に注意深く、時に大胆に進めることこそがいい仕事だと考えています。

一方で、そもそも僕は仕事を「ライスワーク」として考えたことがなくて。自分という存在が、充実していて、不足していない状態でありたいんです。「これが足りない」「あれができなかった」と感じる状態は、仕事でもプライベートでも嫌じゃないですか。

僕の中では、プライベートと仕事の区分はあまりなくて、すべてが「自分」なんです。だからこそ、やるなら正しく、充実して、満足できる、効果の高いことをしたい。そう思っています。

川原さんが次の1年で挑戦したいことは?

川原:現場を僕とは違うアウトプットによって、質高く進めてくれる人が生まれてくること。

2026年3月に長期休暇でスペインに行かせていただいたことで——というか10日間しびっくぱわーから離れたことで、僕という現場運営者がいない状態が生まれたんですよね。

挑戦したいのは、それを今後も堂々と選択できること。僕がいないから代わりに、というのではなくて、こういう機会はこの人がやった方がいいよねと、ポジティブに選択できる状態をつくること。

それができたら、組織としてめちゃくちゃ強いと思うんです。

 

まとめ

前に立つ人を、後ろから静かに支える。何事もなく現場が終わった時に、心の中でそっと「よかった」と思う。

川原さんの仕事は、現場がうまくいけばいくほど、外からは見えにくくなるものです。けれど、その「見えなさ」の中にこそ、場を少しずつ良くしていく力があるように感じました。

「自分にできることを正しく発揮して、より効果の高い行いをすること」——

川原さんが語った「いい仕事」の定義は、どんな仕事にも通じる、静かな指針のように思います。みなさんの周りにも、外からは気づかれにくいけれど、誇りを持って現場を支えている人がいるかもしれません。その仕事の意味を、少しだけ想像してみてください。

Writer's Voice

ミヤタハルカ
フリーランス Webライター・編集者・クラウドファンディングサポート

お仕事では、ライターとカメラマンとして記事制作でご一緒していた川原さん。出会いは、おそらく10年ほど前に、茨城の人たちが集まる場所で一度だけ顔を合わせたきり。お互いに存在はなんとなく認識していましたが、直接ゆっくりお話ししたのは今回が初めてでした。

正直に言うと、私は川原さんのことをもっと「青年らしい」印象で捉えていました。でもインタビューで出てくる言葉はどれもロジカルで、一つひとつにしっかりとした判断の根拠がありました。本をたくさん読んできた人なんだろうなと、やり取りを通じて感じました。

ただ、ロジカルなだけじゃない。代表の堀下さんがいつも奥底に持っている、あの熱い感じ——川原さんにもそれがあるように思いました。だからこそ、お二人は一緒に走り続けているのかもしれません。

「僕の我なんていらない」と静かに言い切る人が、この会社の「もう一つの車輪」として8年間回し続けている。その静かな意志が、しびっくぱわーの現場の温度の一因になっているように感じました。