『しびっくかいぎ #2 “デザインで伝える”』を開催!
3/30(水)にTsukuba Place LabからYouTube Live、Facebook Live、Instagram Liveにて配信しました。
『しびっくかいぎ』とは…?
”あらゆる挑戦を応援する”ために。シビックプライドの種を見つけ、ともにじっくりと時間をかけながら大きく育てる事業を、しびっくぱわーでは大切にしています。私たちのお仕事は人とのつながりなくして生まれない。ご一緒させていただいている仲間をお招きし、対話を通じて私たちが”どんな想い”でプロジェクトを生み育んでいるのか語り合う”公開会議型イベント”です。 しびっくかいぎは「しびっくぱわーってどんな会社?」を発信したいと思い開催することにしました。人ありきのお仕事をしているからこそ、一緒にお仕事させてもらっている仲間たちと一緒に想いや考えを発信していきます!
第2回は、「会社をデザインする会社」インクデザイン合同会社の鈴木 潤さんと佐野 匠さんをお招きし、【デザインで伝える】ことをテーマにお話しいただきました。インクデザインさんには今回、弊社の新たな名刺デザインをしていただきました。イベントでは、名刺のデザインに込めた思いや製作秘話、それぞれの「デザイン」におけるポリシーなどに話が広がりました。
ゲスト
鈴木 潤さん(インクデザイン合同会社 代表社員)
= 学生時代、山登りをしたり、小説を書いたり、お笑いをやって、うだうだしている 間に2年留年。やさぐれていたときに、グラフィックデザインとApple Macintoshに出会い衝撃を受け、無事にまっとうな道へ。印刷会社のデザイナーとして、上場企業を中心としたコーポレートツールや IRツールのデザイン、ディレクションに15年間携わる。
コーポレートツールのプロフェッショナルとして、「日本のカイシャをおもしろくしていきたい!」との想いから、2013年、「会社をデザインする会社」、インクデザイン合同会社を創業。上場企業からベンチャーまで、紙からWebまで、ビジネスに必要なデザインをワンストップで提供する。将来はコーポレートツールのデザインにとどまらず、子育てと仕事の両立や、時間や場所にとらわれない新しい働き方の提案や、起業・ベンチャーへのデザイン的支援など、これからのカイシャのカタチをおもしろくデザインしていきたい。
夢は日本のカイシャで働く人々とその家族の気持ちがもっと豊かになること。笑顔溢れる未来をデザインしたい。プライベートでは、幼稚園児の育児と起業の両立を実践中!最近は息子の影響で電車の魅力に取り憑かれ、九州に電車を見に行きたい。UKロックと登山が好き。
2014年足立区合同信年会のプレゼンテーション大会において見事優勝!
2014年4月1日。見事にエイプリルフールを成功させる。
佐野 匠さん(ライター・フォトグラファー)
= 1985年茨城県下妻市生まれ。20代半ばに東京から地元に戻るも、キャリアもスキルも学歴も無かったため、悩んだ末にボランティア活動に参加し、その中で写真、文章、デザイン、企画、イベント運営などのノウハウや経験値を蓄積。最近やっとライターやフォトグラファーの仕事を頂けるようになりました。カッコいいと思うものは、マグナム・フォトとナショナルジオグラフィック。
モデレーター
堀下恭平(株式会社しびっくぱわー 代表取締役社長、Venture Café Tokyo TSUKUBA CONNÉCT operation manager)
= 1990年熊本生まれ。東日本大震災をきっかけに2011年春からコミュニティ拠点として学生カフェを創設。カフェで出会った仲間と下妻市や水戸市、横浜市などの商店街活性化にかかわる。大学を休学し、世界一周の後に京都へ移住。関西を中心に行政計画策定のコンサルティングで最初の起業。つくばに戻り大学生をしながら、2016年12月コワーキングプレイス Tsukuba Place Labを創業。オープンから5年が経ち、企画運営したイベントは1,600本以上、利用者は16,000人を突破。2018年10月つくば駅前コワーキング up Tsukubaを創業。2021年4月からつくばスタートアップパークを運営。あらゆる境界線を融かし、価値共創が高まる仕掛けづくりに挑戦中。
「迷ったら全部やる」がモットーで「成功するまで続ければ失敗しない」が信念。令和元年度茨城県表彰 新しいいばらきづくり表彰 産業振興 受賞。総務省認定 地域力創造アドバイザー。
東京の錦糸町にあるデザイン会社です。日立市出身で茨城で活動しているので茨城でのお仕事もしています。その関係で堀下さんと出会いました。業務内容は普通のデザイン会社とは異なり、上場企業の株主様向けのIR資料をメインにしています。ニッチなところで戦っています。今9年目で、デザイナーだけでなく、佐野さんのようなライターもいて、社内でいろいろできるようにしています。
オンリーワンにしてナンバーワン!IR資料を主軸にしているわけですね。
IR資料が主軸ではあるんですが、割となんでもやっています。規模にかかわらず、デザインの力でいろんな方を応援したいという思いがあります。
15人くらい社員さんがいると思うんですが、どんな職種の方がいるんですか?
デザイナー、紙もの、ウェブデザイン、イラスト、動画、など、それぞれ社員が得意分野を持っています。ひとくちにデザインと言っても色々なスキルがあります。
佐野さんはなんでインクデザインにジョインしたんですか?
フリーランスのときもインクデザイン「さん」と仕事をしていたんですが、去年3月、潤さんがライターとしての手腕を買ってくださって入社しました。
僕達にも弱みがあったんですよ。コンテンツを用意してください、と言われることが多かったんですが、当時コンテンツは作れなかった。内部でコンテンツを作れる力が欲しいなと思って採用しました。採用してから、一気にコンテンツがつくれるようになったんです。
だから僕らみたいな雑な依頼も受け止めてくれたんですね(笑)
でも、細かいこと決まってないけどお願いしたい、ということ多いです(笑) デザインができないから、言語化して「こういうのがいいです!」とまとめられない。今回も、名刺作りたいんです、と言っても仕様が決まってない。そうしたら、聞き取りから入りましょう、と言っていただいて。
仕様は決まってないけどアイデアだけはある、という意図を汲んでくださって、デザインで表現してくれたと。これは佐野さんがいなかったらできなかったんですね?
しびっくぱわーとしてなぜ名刺を作りたかったか?というのをお話ししたいと思います。今までは僕がデザインしたものを使っていたんです。でも、4月に6人になるんです。昨年新卒2人が入り、次の4月もなんと新卒2人入ってくるんですよ(笑)
僕としては新人教育というのは大切にしていて。
地域を愛し自己決定できる「人を育てる」というのがうちの会社のミッションで、その最たるものが社員だと思うんです。そして、この人と一緒に仕事したい、という人を採用している。人で戦ってる、人でやっている会社なので、みんなの色が出るような仕事の仕方をしたい、その最たるものが名刺じゃない?というのを1年目の社員が言ったので、改めて作りましょうかということになった。
とはいえ、仕様は決まっていなくて、いい感じのもの作って欲しい、というのしかなくて。これは信頼できる知り合いじゃないと無理だな、と。インクデザインさんですね、ということでご依頼しました。
まず完成した名刺を見せますね。みんな色が違って裏面が地図っぽくなっているんです。どこにどう置いても、道が繋がるようになっています。
デザインするのに、一旦話を聞かないと始まらないな、と思ったので、佐野さんに社員さんのインタビューをお願いしました。30分以上インタビューしてもらって、
外から見えるしびっくぱわーというのと、社員が語るしびっくぱわーをすり合わせしていきました。
聞き取りの結果見えてきたしぴっくぱわーの3つの特徴
まず思ったのは、個性があつまる会社だな、と。一人一人やりたいことがばらばら。でもしびっくぱわーのビジョンを共有しているおもしろさがあり。それを表現したくて、この先道分かれたり増えたりするかもしれないけれど、社員の道がクロスするポイントがこの会社、というイメージでデザインしました。
それから、しびっくぱわーがどう見られているか、というのは前向きで活発で明るいイメージ。けれども、それだけでなく、8年目の会社感を出したかったので、文字をいれすぎず、落ち着いた感じにしました。
あとは、つくば感をどれだけ出そうかな、と。つくばの会社だけど、それを押し出しすぎるとつくばで完結してしまう企業のように思われてしまうのではないかな、と個人的に思いまして。しびっくぱわーはもっと違う世界を見てるんじゃないかな、と思ってつくば感は薄めにしました。
しびっくぱわーは平均年齢25,6歳くらいの若い社員でそれぞれが情報過多なので、文字詰め込みがちだったんですよ。それは変えたいと思ってました。つくば感をどれくらい入れるかは個人に任せました。
一番いいなと思ったのは、チームで動いている感じが出ていることですね。みんな違うことやってるけど繋がってる、交わってるを伝えたかった。
名刺をお渡ししながら「この名刺、社員の名刺とつながるんですよ」という話ができると、他の社員も紹介しやすくて、使い勝手がいいです。
使い勝手が良い、といいつつまだ使ってないんですけど(笑) 使い勝手が良さそうと思っています!
ライターである佐野さんからデザイナーさんに渡るまではどのようなフローだったんですか?
佐野さんのインタビューを聞きつつディスカッションをしました。
佐野さんの聞き取りがすべてなんですね。佐野さんどういう意識でインタビューしたんですか?
まず第一に相手を理解しようとする。いい話を聞きだしてやろう、みたいな意識はあんまり無いですね。取材のテーマの中で、自分が聴きたいなと思うことはもちろん、話し手が大切にしていることをしっかりと聴く。具体的にうまく言葉にできなくてもいいと思ってるんですよ。うまく言葉にできない感じも受け止められたらと思っています。
確かに佐野さんはいつも話を聞いてるイメージですね。それは仕事だからじゃなくて普段からですか?
聴きすぎてしまうので気をつけてます。軽いインタビューができないんですよね。30分のつもりが一時間になってしまったりということがよくあります。前にあったのは、都内のイベントで交流会があったときに、盛り上がって話が楽しくなっちゃって、終電逃してホテルに泊まるとか(笑) もともと話を聞かせてもらうのが好きで、それを何か役に立てないかとライターを意識しました。
(佐野さんのインタビューの様子)
やりたい、やれることが仕事になってるんですね。仕事だからこそ意識していることは?
インタビューの前段階を考えることですね。なぜ今回取材するのか、なぜこの人を取材するのか、どういう人に向けて、何を伝えて、読んでもらった人にどんな気持ちになって欲しいか、を考えます。聴きたい、だけじゃなく目的をはっきりさせる。
今回名刺作りはものをつくるときの理想的な形だったなと思うんですよ。なぜ作るか、みんなどんな思いなのか、をライターが聴いてまとめてデザイナーさんに渡せるって大事なんじゃないかな。自分の力をデザインのスタッフにつなげられると楽しい、嬉しいと思いました。
(しびっくぱわー中井遥)インタビューを通じて、思いをイラストで表す、文字で表す、というデザインそれぞれで気をつけていることはありますか?
話してくれた事実を大切にすること。そのまま書くと伝わらないこともあるので、読みやすい文章にしてその人の思いがちゃんと伝わるようにしています。大切なことを話してくれたと思うので、それを曲げないように気をつけています。
デザインは逆で、ありのままはあり得ないと思ってます。むしろそこに解釈を入れるのがデザイナーだと思っているんですね。その人の思いをそのままデザインにしようとすると、色から何から指定してもらわないとデザインが完成しない。そこはライターと考え方の違いが大きいと思いますね。なので、僕から見るしびっくぱわーとは、というのも意識しました。
とはいえ、自分も少し解釈を入れています。読みやすくするときに解釈して、間違わずに伝えられるような表現で読みやすくする、という。
(しびっくぱわー中井遥)どんな会社ですか?って聞かれると答えづらいから、言葉じゃないんだけど表現できる、そんな名刺になったと思います!
「しびっくぱわーらしい」ってなんなのかわからないけど、しびっくぱわーらしいと思った。
うちで言うデザインって、イベントの企画なんですよね。イベント登壇していただくときにも、目的がはっきりしていないと失礼というのはわかります。
インタビューされるような方はすでにたくさんのインタビューを受けてるんです。情報はググれば出てくるんですよね。だから下調べはしっかりする。話を聴きに行く人が本を書いていれば、その人の本は全部読んだ上で突っ込んだ質問をする。けど突っ込みすぎると聴衆を置いていってしまうから、聴衆が分かるテンポで、聴衆がぎりぎりついてこられるような半歩先の質問をする、というのを意識するのが僕にとってのデザインですね。
緻密な準備と主観の匙加減こそ本質だけれど難しい。でも自分のカラーがあるからそのカラーを出していくことが大事なんだろうな、と思います。
しびっくぱわーにおいてはそのカラーの出し方がみんな違えばいいな、と改めて思いました。
自分がインタビューを受けてからの名刺ができまでのプロセスが分かるとともに、そこに込められたしびっくぱわーの理念や社員の思いがよく分かるお話しでした!
しびっくぱわーかいぎに参加してくださったみなさん、そしてこの記事を読んでくださったみなさん、ありがとうございました!今後も月に1回くらいの頻度でしびっくぱわー主催のしびっくイベントを開催していきます。
次回「しびっくかいぎ#3」は4/23(土) 10:00〜12:00に開催します!
ゲストは起業を目的につくばに移住し “つくば福来る風の香り” を共同制作した江本州陽さんです。お楽しみに!
詳細/お申し込みはこちらから
株式会社しびっくぱわー 青木優美