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プレゼンテーション特集 vol.2| チームアトリエトモドール【オーディエンス賞】

1/18(土)に開催した県北BCPアイデアソンの集大成「県北BCPアイデアソン2024最終報告会」で、オーディエンス賞を受賞されたチームアトリエトモドールのプレゼンテーションをご紹介します。



このプレゼンテーション特集では、県北BCPアイデアソン2024最終報告会に登壇した10チームの活動実績をチームごとに紹介します。今回は、オーディエンス賞を受賞されたチームアトリエトモドールよる最終プレゼンを特集します。テーマは『ここから街に灯をともす物語』です。
*1/18(土) 県北BCPアイデアソン2024最終報告会の受賞者についてはこちらの記事をご覧ください。

 

人形が私を助けるかもしれない

大学2年生の頃、渋谷公園通りにある画廊で偶然人形展を見て、私も人形を創ってみようと思い立ちました。実際に創ってみると面白くなり、独学で人形を創り続けました。制作しながら「人形が私を助けるかもしれない」という予感がしました。大学卒業後も東京で会社勤めをしながら、趣味として制作を続けました。結婚を期に日立市に来てからは、茨城県内の大学で彫刻を学び直し、制作を続けました。2003年に「風の径」という作品がスウォッチグループのオメガ時計のイメージキャラクターに選ばれたことをきっかけに、私はアーティストとしての評価を得るようになりました。

 

アートを通して豊かな文化の風土を

都市計画策定委員として、日立市の文化やアート環境についての意識調査を依頼された時のことをお話しします。その調査で、市民がアートに関心がないことを知りました。移住者として感じた日立市の印象は「工業優先の殺風景な街」「味気のない街」でした。その味気のなさは市民の心にも影響していて、よそ者ゆえの深い孤独を感じました。私と同じように、孤独感や寂しさを抱えている方はたくさんいらっしゃると思います。そのような方々のためにも、私にとって一番身近なアートを通して豊かな文化の風土をつくることが、自分にできる街への貢献だと思いました。

 

日立市に発表の場を自分でつくろう

2018年の制作発表後「日立市に発表の場がないなら、自分でつくろう」と決心しました。2020年2月に日立市の街中にギャラリーをオープンしましたが、コロナ禍のためオープンの翌月から休業を余儀なくされました。2022年にギャラリー運営を再開しましたが、私自身の熱量は落ちていて「いつ辞めようか」と毎日考えていました。そのような時に、家族の紹介で県北BCPアイデアソンに出逢いました。

 

想いの共有は力になる

県北BCPアイデアソンでは、ギャラリーの現状や課題を聞いて集まってくださったチームメンバーからたくさんの知恵を出していただき、行動を起こすことができました。想いを共有すれば、想いは力に変わることを実感しました。私自身にも大きな変化があり、作家さんやお客さまとのコミュニケーションに積極的に取り組めるようになりました。たくさんの新しい作家さんとつながることができ、2025年にギャラリーで催される作家展の予定が全て埋まりました。また、お客さまや日立市民の皆さんにとって親しみやすい場となるように、ギャラリーの外観のDIYを行いました。看板作成や植え込みの手入れ、照明の設置、駐車場の線引きまで、チームメンバーと共に行いました。



 

日立市の街全体に灯をともす

県北BCPアイデアソンに参加するまで、芸術家は一人で活動するものだと思い込んでいました。しかし、チームメンバーと想いを共有し、一緒に考えるという体験を経て、世界の広がりを感じました。そして「ギャラリーをこの街のために続けていきたい」という、私の心の中にある確かな灯に気づくことができました。アートは生きていくための必需品ではありませんが、暮らしの中でアートに触れると心に余裕ができ、心に優しい灯がともります。その灯を家庭や職場に持ち帰れば、味気のない日常や殺風景な街全体にアートの灯が広がります。40年前の「人形が私を助ける」という予感は、私の心だけではなく日立市の街全体に灯をともすことだと信じています。



 

\やるぜ、県北!みんな、集まれ!/

10チームのチャレンジはこれからがスタートです!3年間に渡って築き上げてきたBCPコミュニティでは、県北地域でのチャレンジを応援する土壌ができました。これからも、みんなの力で県北を盛り上げていきましょう🔥

次回のプレゼンテーション特集はチーム今橋製作所です。お楽しみに!