プレゼンテーション特集 vol.8|チーム東和木材産業
1/20(土)に開催した県北BCPアイデアソンの集大成「県北BCPアイデアソン2023最終報告会」に登壇されたチーム東和木材産業のプレゼンテーションをご紹介します。
このプレゼンテーション特集では、県北BCPアイデアソン2023最終報告会に登壇した10チームの活動実績をチームごとに紹介します。今回は、チーム東和木材産業による『道の駅「みちのうち」』です。
*1/20(土) 県北BCPアイデアソン2023最終報告会の受賞者や当日の様子についてはこちらの記事をご覧ください。
皆さんは、色には心理効果があると、聞かれたことがあると思います。ピンクには優しい気持ちになり、柔らかい印象を与える効果があります。初対面の時にピンクを身につけると、相手との関係を築きやすくなります。
みちの思い
全国1,300ヶ所以上に道の駅があります。道の駅は地域活性化の拠点です。皆さんも何度か訪れたことがあると思います。茨城県常陸太田市には「みちのうち」というものがあります。おそらく、皆さんはご存知ないと思いますので、今日は「みちのうち」についてお話しします。
はじめに、私たちチーム東和木材産業について紹介させてください。代表は和田道代さん、みちです。みちのお父さんは木材の伐採・搬出を行っていて、その事業を法人化し、有限会社東和木材産業となりました。みちは平成5年に入社し、材木をトラックに積み、運び下ろすという大変な仕事をしてきました。令和3年に社長就任後、業務開拓を進め、利益を拡大させることができました。ロータリークラブや商工会女性部などでも、積極的に活動をしています。みちは、活動している中で「地元に恩返しをしたい」「人が集まって元気になる場所を提供したい」という思いを抱くようになりました。
そこで、私たちが集まりました。茨城県農林水産部の川瀬さん。茨城県森林・林業協会の小川原さん。日立市のアメハナハワイ代表の小又さん。そして、東京でメーカーに勤めている榊原です。今日は、私、榊原が発表をします。
「人が集まる場所」とは
県北BCPアイデアソンでは「人が集まる場所は、どんな場所だろう」と、私たちはディスカッションを重ねました。「日本中から何かで人を呼ぼう!」「世界中から観光客を呼ぼう!」というアイデアが出ましたが、みちの顔は晴れませんでした。みちが呼びたかったのは地元を離れた家族でした。
みちには2人の息子と1人の娘がいます。3人は地元を離れて元気に暮らしていますが、なかなか里帰りをしません。里帰りをしたとしても、日帰りです。日帰りは、みちにとっても楽です。ご飯も布団も用意しなくていいからです。しかし、本当は、子どもたちやそのパートナーや孫たちと、もっとゆっくりコミュニケーションを取りたいという気持ちがあります。
東京で働く30~40代の男女100人に聞きました。65%の方が「実家に泊まらない・泊まりたくない」という結果でした。なぜ泊まりたくないのでしょうか。「居場所がない」「時間を持て余す」「猫や犬がいる」「風呂やトイレが汚い」「気を遣う」「息苦しい」「昔、不義理をした」「嫌な親戚に会いたくない」「長男夫婦がいる」などの様々な理由がありました。一方で92%の方が「実家の親や親戚に会いたい」「自分の家族やパートナーに故郷を感じてほしい」と感じていました。
泊まりたくない理由をポジティブに解消する
「泊まりたくない理由を、少しでもポジティブに解消することができたら、泊まりやすくなるのではないか」と私たちは考えました。「居場所がない」「猫や犬がいる」「風呂やトイレが汚い」「気を遣う」と言っている息子たちのために、可愛いピンクの小さなお家を建てました。
「時間を持て余す」と言っている息子たちにとっては、常陸太田市で暮らしていた頃にはなかったアクティビティや、当時注目されていなかったスポットがあることを伝えました。
「里帰りをしても、時間を持て余す」と言っていた息子たちが、楽しみを見つけられると「また来たい」と言うようになりました。自分の息子たちのための家を建てたら、地元を離れた子どもたちが帰ってくるようになりました。さらに、友達を連れて帰ってくるようになりました。
「みちのうち」のビジョン
常陸太田市の世帯数は18,000世帯です。常陸太田市を離れて暮らす「常陸太田市が地元である人たち」を含めると、かなりの人数になるはずです。東京で働く30~40代の男女100人のうち92%が「里帰りしたい」と言っています。「息子たちのために建てたような小さなお家を、もっとたくさん建てたら、みんなの家族も帰ってきてくれるのかな」と、みちは思いました。みちは、ビジネスに成功して土地も材木も財産もあります。「この森に家を建てて、常陸太田市出身の子どもたちが泊まりに帰ってくることができれば、なんて素晴らしいことだろう」と、みちは考えました。これが「みちのうち」のビジョンです。
宿泊価格は、常陸太田市の子弟は1棟1泊18, 000円、常陸太田市の子弟以外は1棟1泊25,000円です。宿泊はもちろん、アクティビティを楽しむことができます。また、ふるさと納税も使うことができます。
初期投資は1棟あたり約500万円、稼働率は25%です。宿泊費の収入から運営の支出を引いたら、わずかに利益が残るという設計をしています。
宿泊運営に必要なリネンは、地元の有限会社木村クリーニングさんにお願いしています。清掃や施設の管理は、常陸太田市商工会女性部が担います。ケータリングは、街の洋食屋さん Banbiさんが担当してくれます。
みちのうちに家族が泊まりに帰ってくると、地元企業や地元の住民がもてなしてくれます。常陸太田市のあちこちで幸せな笑い声を聞くことができるようになります。地元を離れた家族が泊まりに帰ってくることで、地元が元気になる。それが「みちのうち」です。
「地元に恩返しをしたい」「人が集まって元気になる場所を提供したい」というみちの思いから「みちのうち」という地元を離れた家族が泊まりで帰ってくることができる施設運営がスタートします。地元企業や地元の住民で「みちのうち」を運営することで、常陸太田市は笑顔が溢れるまちになります。みちの常陸太田市への貢献はまだまだ続きます。今日このお話を聞いて「実家に泊まりに帰りたい」と思った方は、どうぞ拍手をお願いします。
県北BCPアイデアソン最終報告会受賞者が登壇します!
県北地域のネットワークをさらに広げるためのイベント『県北BCPセミナー編vol.6「新規事業開発と新規起業が生み出す県北イノベーション」』にて、茨城県知事賞を受賞されたチーム菊池精機の菊池 正宏さん、オーディエンス賞を受賞されたチームDAIGO SAUNAの和田 真寛さん、優秀賞を受賞されたチーム佐々木製作所の佐々木 謙彦さんがピッチを行います。
キーノートでは株式会社imaの三浦 亜美さんをお招きし「新規事業開発や新規起業におけるコラボレーションの重要性」についてお話しいただきます。合同ピッチでは、県北BCPアイデアソン最終報告会受賞者と県北BSS最終プレゼンテーション受賞者からのピッチを実施し、県北地域でスタートした新しい取り組みについてお話しいただきます。イベントの最後には交流会を実施し、県北地域での広いつながりとコラボレーションを生み出す機会をつくります。
県北地域の活動に少しでも興味のある方は、新たなつながりとアイデアを求めて、ぜひご参加ください!
\やるぜ、県北!みんな、集まれ!/
■ 主催:茨城県(担当:県北振興局)
■ 運営:株式会社しびっくぱわー
■ 共同運営:エヌエヌ生命保険株式会社
■ 後援:日立地区産業支援センター