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プレゼンテーション特集 vol.1|チーム佐々木製作所【優秀賞受賞】

1/20(土)に開催した県北BCPアイデアソンの集大成「県北BCPアイデアソン2023最終報告会」で、優秀賞を受賞されたチーム佐々木製作所のプレゼンテーションをご紹介します。



このプレゼンテーション特集では、県北BCPアイデアソン2023最終報告会に登壇した10チームの活動実績をチームごとに紹介します。今回は、優秀賞を受賞されたチーム佐々木製作所による『射出成型を活かしたゴルフグリップの開発と海外販路拡大』です。
*1/20(土) 県北BCPアイデアソン2023最終報告会の受賞者や当日の様子についてはこちらの記事をご覧ください。

株式会社佐々木製作所の業務内容は、特殊ウレタン材を使用した射出成型による工業用部品の製造です。多品種の生産を行っています。弊社の強みは、多能工による生産管理と品質管理の能力、高い射出成型の技術です。私の強みは、32年のゴルフ経験です。ゴルフの知識、技術、人脈に加えてゴルフ愛があります。会社と私のふたつの強みを掛け合わせた自社開発品へのチャレンジを行っています。射出成型技術を生かしたエラストマーゴルフグリップの開発・販売です。

ゴルフグリップの開発・販売にチャレンジする意味

ゴルフグリップ市場の成長は、10年間で1億433ドル増、日本円に換算して151億円増と言われています。2021年から2031年までで約25%、151億円増えるという換算です。もちろん、ゴルフ市場の成長がある前提で「ゴルフグリップ市場は増える」と言われています。

コロナ禍をきっかけに「ゴルフは密にならない」という理由で、世界のゴルフ人口は非常に増えています。また、シミュレーションゴルフ施設も増加しています。少し前までは「ゴルフに行こう」と思えば、移動だけで1~2時間かかることが当たり前でした。しかし、今日の会場のある渋谷区にもたくさんのシミュレーションゴルフ施設があります。ゴルフのスタイルは、シミュレーションゴルフ施設へ数分で移動し、お酒を飲みながらゴルフを楽しむというスタイルに変わってきています。

タイガー・ウッズがシミュレーションゴルフのトーナメントを実施するということで、世界的にもゴルフ人口は増えるという予想が立てられています。ゴルフのスタイルの多様化が広がってゴルフ人口が増えています。

グリップの可能性

ゴルフクラブは「ヘッド」「シャフト」「グリップ」というパーツに分類することができます。その中でも「グリップ」は唯一人の手が触れるパーツです。人によっては半年~1年で交換する消耗品です。

ゴルフクラブのリユース市場についてお話しします。リユース市場の中でスポーツレジャー市場の規模は1058億円です。その中でも中古クラブの市場は約80%を占めています。大手のリユース市場だけでも838億円の市場があり、中古クラブの買取・販売を行っている店舗数は全国に500店舗以上あります。また、個人同士が取引できるフリマアプリやネットオークションサイトでは、中古クラブを買ってグリップを交換するという取引も多く見られます。

グリップは素材が2種類あります。昔からあるものは海外製のラバーグリップです。ほとんどのメーカーがOEMで購入すると、ゴム素材のグリップがついてきます。製造工程では工数がかかり熟練の技が必要な場合もあります。エラストマー素材は簡単に豊富なカラーバリエーションを展開でき、射出成型で製造できます。「エラストマー素材は未来の素材である」と私は思っています。

エラストマー素材でどのようなグリップを作るかを考えた時に、私はまずゴルファーの悩みを聞きました。「なんとなく使ってる」「違いが分からない」「選ぶ基準がない」という声がありました。また、クラフトマンにも同様に聞いてみました。クラフトマンとは、グリップを交換したりクラブを調整したりする人のことです。クラフトマンの困りごとを聞くと「グリップが入れづらい」「エンドキャップが壊れる」「エンドキャップが緩い」という声が集まりました。これらの声から私たちは「優しいグリップ」を目指しました。ゴルファーに優しく選びやすいグリップ。クラフトマンに優しく装着しやすいグリップ。お客様と販売者両方に優しいグリップを目指しました。

 “Made in 茨城” のグリップ

茨城県内にエラストマーゴルフグリップのメーカーや、エラストマーゴルフグリップの金型製造の経験があるメーカーはありません。関西圏の大手企業がほとんどです。しかし、茨城県には優秀な企業がたくさんあります。製品のモデリングを日立市の株式会社今橋製作所さんに、金型製作を笠間市のいがり産業株式会社さんにお願いしました。そして  “Made in 茨城” の技術を入れたゴルフグリップが出来上がりました。

まだ完成品ではありませんが”GMASTER”として日本国内での商標登録は完了しました。現在、日本以外の12ヶ国でも申請中です。

GMASTERの戦略とビジョン

GMASTERの販売先は、開発から携わっていただいている専門商社や工房、ECサイト、ふるさと納税です。特に工房は、茨城県内に数多くあります。直接工房に足を運びグリップの良さを伝える泥臭い営業をどんどん行います。

プレイヤーへの認知獲得には「どのような人に使ってもらうか」が大事です。現在、23名のプロゴルファーや有望アマチュアに声を掛けています。開発も一緒に行っています。

プロモーションは、SNSの活用を考えています。ジュニア大会への協賛やカートCMを検討しています。特にゴルフ業界の活性化と、私たちがゴルフ業界に貢献することが大事です。ジュニア大会への協賛を中心に行いたいと思っています。

販売計画についてお話しします。2024年に6万本の販売を目指します。2026年に韓国をはじめとするアジアから海外展開を進めます。2029年には5倍の31万本の販売を目指します。

現在、製造現場を整えているところです。間もなく出来上がります。

2026年のアジア展開を皮切りに世界を目指します。海外進出が実現できれば、大手に負けないぐらいの高い年収を社員に支払うことができます。雇用創出もできます。地元への貢献につながって、茨城県北地域の活性化につながると信じて、私はこの事業を進めていきます。

県北BCPアイデアソン2023のチャレンジは今日で終わりますが、私のチャレンジはこれからです。「茨城県北地域から世界へ!」まだまだ皆さんの応援やアイデアがたくさん必要です。引き続き応援よろしくお願いします。



 

県北BCPアイデアソン最終報告会受賞者が登壇します!

県北地域のネットワークをさらに広げるためのイベント県北BCPセミナー編vol.6「新規事業開発と新規起業が生み出す県北イノベーション」にて、茨城県知事賞を受賞されたチーム菊池精機の菊池 正宏さん、オーディエンス賞を受賞されたチームDAIGO SAUNAの和田 真寛さん、優秀賞を受賞されたチーム佐々木製作所の佐々木 謙彦さんがピッチを行います。

キーノートでは株式会社imaの三浦 亜美さんをお招きし「新規事業開発や新規起業におけるコラボレーションの重要性」についてお話しいただきます。合同ピッチでは、県北BCPアイデアソン最終報告会受賞者と県北BSS最終プレゼンテーション受賞者からのピッチを実施し、県北地域でスタートした新しい取り組みについてお話しいただきます。イベントの最後には交流会を実施し、県北地域での広いつながりとコラボレーションを生み出す機会をつくります。

県北地域の活動に少しでも興味のある方は、新たなつながりとアイデアを求めて、ぜひご参加ください!

\やるぜ、県北!みんな、集まれ!/