スクール受講生特集 vol.4|島田 光さん
12/17(日)に開催した県北Business Start Schoolの集大成「最終プレゼンテーション」に登壇された島田 光さんをご紹介します。
このスクール受講生特集では、最終プレゼンテーションに登壇した10名のスクール受講生の活動実績を、おひとりずつ紹介します。今回は、島田 光さんによる『コーヒーと古着の店で国際的なビジネス展開と地域活性化』です。
*12/17(日)最終プレゼンテーションの様子については、こちらの記事をご覧ください。
山の上のコーヒーと古着の店「はるばる」
僕は、茨城県北地域おこし協力隊【起業・複業型】のKENPOKU PROJECT E(以下、PROJECT E)の任期中に、山の上のコーヒーと古着の店「はるばる」をオープンさせます。
「はるばる」は、お客様が「はるばる来てよかった」と感じてもらえる体験を提供する場所です。以下の4つの体験ができます。
・サイフォン式で淹れたコーヒーを飲むこと
・古着を手に取ること
・ガネーシャ像のパワースポットを体験すること
・太平洋と日立の街並の絶景を見渡すこと
では、どのような地域課題に対して貢献するために「はるばる」をオープンするのかという理由をお伝えします。
「はるばる」が目指すもの
一般的に、地域を活性化するためには以下の4つが必要と言われています。
・にぎわいの創出
・地域の外に向けての魅力発信
・移住者の増加
・雇用の創出
地域活性化のためには、その地域に「良いお店」があるかどうかが重要なポイントです。その理由は、その地域に「良いお店」があるということが、移住の条件のひとつだからです。地域の活性化に貢献するため、僕は「はるばる」を日立市にある「良いお店」のひとつにします。「はるばる」を年間1万人の観光客が訪れる場所にします。
「良いお店」の4つの要素
ところで、皆さんは「良いお店」とは具体的にどのようなお店だと思いますか。「良いお店」の答えは観光ガイドにあります。
例えば、皆さんが東京で観光をすると仮定しましょう。「東京 観光」で検索すると、次のような結果が出てきます。東京駅や丸の内、東京ミッドタウンなどで飲食や買い物を楽しむこと、東京スカイツリーに登って景色を眺めること、チームラボの芸術を楽しむことなどです。
つまり、観光客が訪れる「良いお店」には「飲食・買い物・絶景・芸術」という4つの要素が含まれている必要があります。実際に僕は2023年に6ヶ国を訪れ、その度に「観光スポット名+観光」で検索すると、検索結果のほぼ全てにこの4つの要素のどれかが含まれていました。この結果から「はるばる」は「飲食・買い物・絶景・芸術」という4つの要素を含んだお店にします。
現時点で店舗候補地は見つかっていませんが、店舗にする場所の基準は「海と日立市を一望できる場所」と決めています。実際にいろいろな場所に見学に行き、3ヶ所の中から検討しています。具体的なイメージとしては、助川山にあるネイチャーセンターのようなイメージでお店をオープンしたいと思っています。
集客方法について
お客様を集める方法についてお話しします。目的に合わせてSNSを運用します。ひとつめはTikTokです。 @coffee_harubaru というアカウントで、道行く人に「コーヒーを飲みながらお話しませんか?」と声を掛けるストリートコーヒースタイルで、地元の高齢者にインタビューをしていきます。
高齢者にインタビューする理由は、地元の方たちとの関係を作るためです。地元の方に受け入れてもらうことが目的です。また、TikTokでよく見られる傾向の動画はインタビュー形式のものです。そこに、新しいジャンルのストリートコーヒーというスタイルの動画でプロモーションを行うことによって、若者にとって新鮮な体験となり、興味を持ってもらえるようにします。
このように仮説を立て、先日、実際に日立駅前で30人に声を掛けました。30人に断られました。断られた動画を載せたところ「こうした方がいい」というコメントをたくさんいただくことができました。インタビュー動画をまだ載せられていないという厳しいスタートを切ったところですが、諦めずにひとつずつ改善してやっていきます。実際にたくさんの方に断られている様子をこちらの動画に掲載しています。是非ご覧ください。
ふたつめは、InstagramとYouTubeです。濃いファンを作っていくことを目的にInstagramとYouTubeを運用します。Instagramでは普段の僕の仕事風景などを掲載し、YouTubeではノーカット版のインタビューやvlogを掲載する予定です。
集客方法についてまとめます。SNS運用をメインに据え、ストリートコーヒーという企画を通して地元の方たちと直接会い、その様子を動画にすることで若者への認知を獲得していきます。
古着事業は「はるばる」の根幹
古着事業についてお話しします。古着事業は「はるばる」の根幹であるため、最も大事なことは売上を上げることです。古着事業の売上は仕入れの個数に比例するため、3年間で仕入れ量を4倍にします。その中で販売個数・利益率を高めるための独自の方法を3つ考えました。
・ウェブサイトと店舗の連携
お客様はウェブサイトで古着を購入できるのはもちろん、実際に店舗に来られたお客様が、カフェで飲食中にウェブサイトを見て、気になる商品を実際に手に取って確認することができます。また、お客様が「気になっている商品があるので、カフェに行く時に実際に見せてほしい」とお店に連絡をすれば、お店が事前に商品を用意し、お客様が来店時にすぐに希望の商品を手に取って見られるようにするなどの連携を行います。
・リメイク古着の販売
集めた廃棄服で独自ブランドとしてリメイク服の販売を行い、「はるばる」というブランド力を強化します。
・NFT古着
NFTとは「唯一無二のデジタルデータ」もしくは「デジタルデータに唯一性を持たせることを可能にする技術」そのものを意味し、「このデータは自分の物だ」と主張できる名札や証明書のようなものです。NFT化した古着は唯一無二の資産価値を持つようになり、新たな価値を生み出します。
ガネーシャのあるパワースポット
「はるばる」は日本で数少ないガネーシャのあるパワースポットにします。タイでは一般的な「現世で願いを叶える行為」つまり、パワーをもらうための行いができるお店にします。
ガネーシャの像を店外と店内それぞれに設置します。お客様は店外ではその像に金箔を貼り、店内では服の切れ端を貼ります。服の切れ端は、着なくなった服で構いません。お客様は着なくなった服を「はるばる」に寄付することもできます。寄付された服はリメイク古着の材料になります。
ガネーシャのご利益をより得たい方には、純銀でできたガネーシャの首飾りを購入することが可能です。非常に精工に作られていて、小さいながらもずっしりと銀の重みを感じる首飾りです。この首飾りはタイの職人が作っているもので、日本での独占販売契約を僕が結んでいます。ガネーシャの像の設置及び経費の回収は2027年までにできるように計画しています。
以上により、観光で非常に大事な要素であるパワースポットの条件を満たすことができます。
2026年の店舗オープンに向けて
最後に、プロジェクトスケジュールについてお話しします。2023年は古着事業の確立を目指しました。現在、僕と4人のスタッフで運営しています。スタッフを採用できたので、僕は仕入れに集中できる環境が整いました。2024年はSNSを強化し、2025年はポップアップの回数を増やし、店舗改築を始めます。
PROJECT Eの任期3年目である2026年に店舗をオープンします。この時には仕入れを5,000着まで伸ばします。
僕は、山の上のコーヒーと古着の店「はるばる」をオープンさせて、年間1万人の観光客が訪れる場所とし、茨城県日立市の活性化に貢献していきます。
県北BSS最終プレゼンテーション受賞者が登壇します!
県北地域のネットワークをさらに広げるためのイベント『県北BCPセミナー編vol.6「新規事業開発と新規起業が生み出す県北イノベーション」』にて、茨城県知事賞を受賞された松井さんと優秀賞を受賞された齋藤さんがピッチを行います。
キーノートでは株式会社imaの三浦 亜美さんをお招きし「新規事業開発や新規起業におけるコラボレーションの重要性」についてお話しいただきます。合同ピッチでは、県北BCPアイデアソン最終報告会受賞者と県北BSS最終プレゼンテーション受賞者からのピッチを実施し、県北地域でスタートした新しい取り組みについてお話しいただきます。イベントの最後には交流会を実施し、県北地域での広いつながりとコラボレーションを生み出す機会をつくります。
県北地域の活動に少しでも興味のある方は、新たなつながりとアイデアを求めて、ぜひご参加ください!
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