スクール受講生特集 vol.2|齋藤 幸枝さん【優秀賞受賞】
12/17(日)に開催した県北Business Start Schoolの集大成「最終プレゼンテーション」で、優秀賞を受賞された齋藤 幸枝さんをご紹介します。
このスクール受講生特集では、最終プレゼンテーションに登壇した10名のスクール受講生の活動実績を、おひとりずつ紹介します。今回は、優秀賞を受賞された齋藤 幸枝さんによる『アボカド起点のアップサイクル事業で食の未来にイノベーションを』です。
*12/17(日)最終プレゼンテーションの様子については、こちらの記事をご覧ください。
私は、専門学校卒業後、都内で10年以上パティシエとして働いていました。2021年に、アボカドのジュースとスイーツの専門店AMAZING JUICEを立ち上げました。2023年5月に、茨城県北地域おこし協力隊【起業・複業型】のKENPOKU PROJECT E(以下、PROJECT E)として、日立市に着任しました。
成長する市場の将来性と課題
突然ですが「6年で9倍」という数字が何を意味しているかを、ご存じの方はいらっしゃいますか?この数字は、2023年12月に日本経済新聞に掲載されたアボカドに関する数字です。新聞記事によると、国産アボカドの生産が広がっており、栽培面積は6年で約9倍になっています。
世界の生産量は10年で約2倍、日本の輸入量も10年で約2倍、国産アボカドの収穫量は6年で約72倍になっています。アボカドは、世界一栄養価の高い果物としてギネス世界記録に認定されており、近年は、消費者の健康意識の高まりとともに、世界での需要が伸びています。アボカドには、市場の将来性があると言えます。
一方で、アボカドの環境破壊の問題についての報道を、多く目にするようになりました。原因は、局所集中生産であることと、生産する側も消費する側も、環境に無配慮で無計画なことと考えます。そこで、私たちはアボカドの新たな美味しさを届けながら、本質的な問題解決を目指して、自分たちで取り組んでいます。
「資源循環型ビジネス」の取り組みと
これまでの軌跡
私たちが取り組んでいるのは、アボカドを起点にしたアップサイクル事業です。アップサイクルとは、本来捨てられるはずのものにデザインやアイデアなどの新たな付加価値を持たせ、新しい製品へとアップグレードすることです。私たちは、アボカドを起点にした「資源循環型ビジネス」に取り組んでいます。
今後は、持続可能なアボカド農園で取れたアボカドでジュースやスイーツを作って、アボカドの皮と種を再活用した自社製品作りを行います。アボカドの仕入れは、PROJECT Eのメンバーである赤羽さんと神田さんが運営するPieces’FARMから行います。
「資源循環型ビジネス」を形にするために、過去に行った活動をお話しします。第一歩として、アボカドのジュースとスイーツの専門店に着手しました。2021年7月に実施したクラウドファンディングで、ネクストゴールの150万円を達成し、吉祥寺に常設の店舗をオープンすることができました。皆様のご支援のおかげです。店舗での看板商品は、完熟アボカドとチョコレートソースの相性がとても良いアボカドジュースです。ストローは、アボカドの種からできた生分解性100%のストローを使用しています。常設店と並行して、JR代々木駅構内に3ヶ月限定出店したり、サスティナブルやアップサイクルをテーマにしたコラボイベントを開催しました。また、慶応義塾大学 牛島利明教授のゼミで、大学生向けにワークショップを開催するなど活動してきました。
都内でのこれらの経験から、今後は「事業をより迅速に地域密着型で成長させていきたい」と考えました。その活動拠点として、茨城県に魅力を感じ、拠点を移しました。茨城県の魅力は、持続可能なアボカド農園Pieces’FARMさんとのご縁、自治体の積極的な取り組みとサポート、魅力的な特産品、そして「ものづくりのまち」として培われてきた技術があるという点です。いつも手厚いサポートと応援をしてくださる皆様、ありがとうございます。
現在の活動
~茨城県県北地域に根差して~
現在、PROJECT Eとして私が取り組んでいることをお話しします。活動のテーマは、日立アボカドを起点にした新産業創出と、女性が活躍する活気あるまちづくりです。キッチンカーで各地のイベントに出店し、アボカドジュースとスイーツの販売を行っています。また、道の駅 常陸大宮 かわプラザ内にあるGelato&Smoothieさんとアボカドのジェラードを共同開発し、販売も行っています。他にも、地域活性化の取り組みとして、アボカドだけではなく、地域の特産品を使った商品開発と販売を行っています。PROJECT Eとして着任後、奥久慈のりんごやお米、日立市の茂宮かぼちゃなどを使用した商品開発を行いました。また、茨城県に移住や転入をしてきた女性の暮らしを応援するplayfulさんと、アボカドの皮と種を再活用し草木染めのワークショップを行うなど、地域に根付く皆さんとのコラボイベントも多数開催しています。
実現したい未来へ向けて
今後は、自分たちで皮と種を再活用した生分解性可能な製品開発を行い、新産業として地域を活性化させていきます。既に世の中には、種を使ったカトラリーや、皮と種を使った素材があります。既存の生分解性可能な素材を参考にしながら、多くの方にご相談させていただきながら、計画を進めています。
今後の目標としては、2024年に、空き店舗を探すのと並行し、茨城県内の大学や研究機関、企業の方と一緒に、素材開発やプロダクトの共同開発を進めます。2025年に、地域の女性を雇用し、資金調達を行い、アボカド農園を併設したアボカド拠点をオープンさせます。そして、日立アボカドのブランドの認知向上、雇用と店舗の拡大を行います。
アボカドを起点にした「資源循環型ビジネス」を実現させることにより、美味しさと健康と環境が共存する持続可能な食の未来を目指しています。応援よろしくお願いいたします。
県北BSS最終プレゼンテーション受賞者が登壇します!
県北地域のネットワークをさらに広げるためのイベント『県北BCPセミナー編vol.6「新規事業開発と新規起業が生み出す県北イノベーション」』にて、茨城県知事賞を受賞された松井さんと優秀賞を受賞された齋藤さんがピッチを行います。
キーノートでは株式会社imaの三浦 亜美さんをお招きし「新規事業開発や新規起業におけるコラボレーションの重要性」についてお話しいただきます。合同ピッチでは、県北BCPアイデアソン最終報告会受賞者と県北BSS最終プレゼンテーション受賞者からのピッチを実施し、県北地域でスタートした新しい取り組みについてお話しいただきます。イベントの最後には交流会を実施し、県北地域での広いつながりとコラボレーションを生み出す機会をつくります。
県北地域の活動に少しでも興味のある方は、新たなつながりとアイデアを求めて、ぜひご参加ください!
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