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【report】県北BCPセミナー Basic編を一挙振り返り!

今年度から新たに始まった、Business Challenge Programでは、新規事業開発を目指した二種類のセミナー「Basic(経営基盤の強化を支援するセミナー」、「Matching(異業種との共創対話を支援するセミナー)」を計6回実施し、さらに事業開発を行うアイデアソンを全7回に渡って実施します。

今回は5月~6月にかけて開催したセミナー編のうち「Basic(経営基盤の強化を支援するセミナー)」の開催模様を振り返ります!

Business Challenge Program(県北BCP)とは?

茨城県北地域の企業による事業開発と将来的な雇用創出を目的に開催しています。事業開発に必要となる、自社の課題や特色を理解し、異業種との対話を通して知見と視点を学ぶセミナーを経て、アイデアソンによるディスカッションとPoCを通した事業開発を実現するアクセラレータープログラムです!

 

県北BCP vol.1『経営の質を高めるリーダーシップと経営課題の抽出

県北BCPの幕開けとなったvol.1では『経営の質を高めるリーダーシップと経営課題の抽出』と題し、株式会社ヤマオコーポレーションの鬼澤慎人さんにお話しいただきました。

鬼澤さんは茨城県内や全国各地を飛び回り、日々、組織をリードする方へ「経営品質」や「リーダーシップ」の支援、研修に取り組まれています。

鬼澤さんからは、変化し続ける世の中で地元企業が事業を続け、地域をより良くしていくためには何が求められ、そして経営者にとってのリーダーシップとは何かについてお話しいただきました。

さらに、リーダーが組織の成果をより引き上げていくために、関わる人との信頼関係を強めその人の成長を助けること、そして実践と振り返りから自らの判断力を高めていくことが大切だとしました。

県北地域での新たな事業開発を目指すBCP全体の土台となる企業経営について深く学ぶ2時間となり、参加者の方々からは、若手経営者がリーダーシップを発揮していくための方法や時間の使い方、これからの雇用の形などについて多くの質問が寄せられました!

企業経営や組織開発に取り組む参加者の方からの、まさに今抱いている課題にまつわる質疑となり、リーダー自身の成長のため様々な人との対話を重ねていくことや、失敗を恐れずにチャレンジをし続け、応援する事の重要さを教えていただきました。

 

県北BCP vol.3『新規事業を作るにあたっての経営学と人材活用』

Basic編の2回目となる県北BCPvol.3では『新規事業を作るにあたっての経営学と人材活用』と題し、社会保険労務士法人 葵経営の皆川雅彦さん、株式会社えぽっくの若松佑樹さんをお招きしました。

社会保険労務士法人 葵経営 皆川雅彦さん》
皆川さんは自ら社会保険労務士事務所を営むほか、日々多くの企業経営者の方々とともに、経営・人事労務改革のサポートに携わっています。

皆川さんからは、企業の原点となる存在意義を明らかにするために”なぜ”を繰り返していくことの大切さや、会社を表現する上で不足なく、また、自然体の経営理念をたてることについてお話しいただきました。

また、どのような状況であっても変えてはいけないものと、時代に合わせて変えていくべきものとを見極め、不変の領域の中に新しい変化を取り入れる「不易流行」の心が地域の企業にとって重要なポイントであると紹介いただきました。

 

株式会社えぽっく 若松佑樹さん》
若松さんは2014年に茨城県地域おこし協力隊としてUターンして以来、県内の中小企業の経営革新や学生のインターンを通した人材育成に取り組むほか、副業や兼業といった多様な人材コーディネートに携わってきました。

若松さんからは「地域×副業」をテーマに副業人材とのコラボレーションによる企業の販路拡大や、新商品開発の実例のほか、実際に副業人材を募集する方法などを紹介いただきました。さらに、毎日顔を合わせるわけではない外部人材だからこそ、気をつけなければならないコミュニケーションのポイントなども、事例に触れつつ紹介いただきました。

企業にとってスキルフルな外部人材は、これまでにないイノベーションを生み出し、企業経営に大きな影響をもたらす存在です。オープンイノベーションの精神から、多様な人材と出会い自らの事業との掛け算を目指してほしいとのことでした。

参加者を交えたディスカッションでは自分の行動の軸は何かや、軸を定めるために何を学ぶかといった経営者の考え方や、副業人材の給与体系や人材教育に関する実際の労務に関する質問が寄せられました。

皆川さんと若松さんのそれぞれからは、経営者やプロジェクトリーダーが他者を巻き込みながら事業を進めていく上で必要な「CARE」の考え方や事業への仮説をもって、理念や思考の軸をどれだけ共有できるかが重要だとのディスカッションが行われました。

 

県北BCP vol.5『良いものを作るだけでは売れない、デザイン力とマーケティング戦術』

県北BCP vol.5では『良いものを作るだけでは売れない、デザイン力とマーケティング戦術』と題し、インクデザイン合同会社の鈴木潤さん、株式会社FRASCOの尾崎香苗さんにお越しいただきました。

インクデザイン合同会社 鈴木潤さん》
鈴木さんは茨城県日立市出身で、現在はデザイン会社を経営。「会社をデザインする」をコンセプトに、企業のIR資料や印刷物、ロゴなどのデザイン制作を行っているほか、自身もプレゼンテーションなどのスライド資料のデザインを支える、スライドマスターとして活動しています。

今回は経営者がデザインをどう捉えているかという内容とともに、事例やハウツーなどを紹介いただきました。

鈴木さんからは企業が自社製品やサービスのデザイン制作に取り組む際、経営者自身がデザイン制作する必要はなく、まず取り組むべきは戦略であること。デザインの目的を定め、解決すべき課題は何かを明らかにすることが重要であるとお話しいただきました。

また、一緒に制作を行っていくデザイン会社を決める際の検討方法など、実際的な手法についてもレクチャーしていただきました。さらに経営者が実際にデザインを行わないとしてもデザインリテラシーを高めることは効果的であり、事業を進める道具としてのデザインをより活用できるようにしてもらいたいとお話しいただきました。

 

株式会社FRASCO 尾崎香苗さん》
現在は広島県と茨城県を中心に、「人と地域の幸せの化学反応を起こす」をテーマに出版やコンサルティング、移住定住の促進まちづくり関連の事業を展開しています。

尾崎さんが扱うデザインは、ものに限らず、プロジェクトやイベント、コミュニティなど多岐にわたります。今回は主な実例として、地域の特色にスポットライトを当てたデザインを加え、そして世の中の耳目を集めるような発信に繋げていく過程をたっぷりと紹介いただきました。

地域で大切にしたいものを求心力に、たくさんの人とコラボレーションを重ねていくなかで商品を作り上げていく尾崎さん。手にとる人の感性に訴えかけるマーケティングのデザインを意識されているとのことでした。

会場全体での質疑応答では、企業と制作側のディレクションポイントや、制作過程におけるコミュニケーションで気をつけている点などの質問が寄せられました。さらに失敗を引きずらないマインドマップの手法やリーダーとしてのチームとの関わり方など、お二人の経営者としての姿勢について活発なディスカッションが行われました。

会場には過去にインクデザインさんへロゴ制作を依頼された企業の方もいらっしゃり、当時の制作フローや注目したポイントなどをご紹介いただきました。またデザイン制作だけでなく、顧客への商品の見せ方や、地方の特色を生かした地域間の連携など、多岐にわたる分野での知見を伺いました!

 

県北BCPセミナー編のうち「Basic(経営基盤の強化を支援するセミナー)」として開催したvol.1、3、5では、会場、オンライン双方から多くの方にご参加いただき、県北地域への注目度の高さを改めて実感しました。

リーダーシップ、労務、人材、デザイン、マーケティングといった各回のテーマから得られた知見はどれも実践に活かせるもので、県北地域の事業をさらに前進させるための土台を整える時間となりました。そしてその知見をもとに、それぞれが組織のリーダーとして自身の環境でどのように事業開発へ向かっていくか、どのようなアクションが生まれていくのか、これからの活躍に注目です!

県北BCPセミナー Matcihg編の振り返りはこちらから!