相互支援の仕組みで独立開業の壁を解決──県北BCPアイデアソン2025最終報告会・茨城県知事賞のチームB&beが描く、日立の未来
この記事のポイント(1分で分かる)
- 県北BCPアイデアソン2025最終報告会で茨城県知事賞を受賞したチームB&beの挑戦を紹介
- 日立市で美容の学びと独立支援の「相互支援」モデルを構想(※構想段階)
- チーム名:チームB&be
- リーダー:コスメライセンススクール茨城校 代表講師 大畑 義則さん(日立市)
- テーマ:日立を日本一の美容が学べる街にする
- 本記事の結論:チームB&beは、美容関連の講師と受講生が相互に支え合う仕組みで、独立の壁を越えようとしています。
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「地方で何か始めたい」「地域に貢献したい」。そんな想いを持ちながらも、一歩が踏み出せない。独立への壁、資金の不安。そして何より、一人で挑戦するという孤独感。これらが多くの人の前に立ちはだかります。
県北BCPアイデアソン2025最終報告会では、そんな迷いの先にある挑戦が、具体的なかたちとしていくつも発表されました。そのなかで茨城県知事賞を受賞したのが、「日立を日本一の美容が学べる街にしたい」と語るチームB&beです。ここからは、当日の言葉と具体例をたどりながら、その構想の輪郭を追います。

県北BCPで挑む「相互支援」の仕組みづくり
県北BCPは、県北地域活性化を目指すコミュニティです。業種/職種/年齢/性別/国籍を超えた挑戦者たちが共創することで未来を切り拓く、アイデアソンによるディスカッションを活用した新規事業開発を通じてビジネス関係人口の創出を図るプログラムです。
茨城県県北振興局が主催し、株式会社しびっくぱわーが運営。半年間で事業構想を磨き、最終報告会で発表します。
20歳のCMとの出会いから37年 ── ものづくりのまちに美容という彩りを
チームB&be リーダーの大畑 義則さんが美容の世界に飛び込んだきっかけは、20歳のときに見た1本のCMでした。
「20歳のときに出会ったCMがきっかけでした。ここでコスメというものに興味を持ち、22歳で創業し、現在37年目を迎えています」
大畑さんは最終報告会のステージで、そう語り始めました。現在、大畑さんが手がけているのは2つの事業です。創業37年目の「N’s Beauty Studio」と、開校10年目の「コスメライセンススクール茨城校」。2つの事業を掛け合わせることで、これまで9件の個人サロン独立支援と4人の講師育成を実現してきました。
大畑さんが掲げる理念は、「関わる人を輝かせ、未来を創る」。
そして目標は、「日立を日本一の美容が学べる街にしたい」というものです。

大畑さんが感じてきた「3つの壁」
「美容業界で独立する人には、いくつかの課題があります」
大畑さんは自身の経験をもとに、独立における「3つの壁」を挙げました。
- スキルの壁:1つの技術だけでは、客層の幅を広げにくい
- 環境の壁:店舗探しや家賃の負担が重い
- 集客の壁:新規の顧客をどう獲得すればいいか分からない
大畑さんの周囲では、これらが独立を志す人の前に立ちはだかってきました。
解決アイデア:相互支援のプラットフォーム
これらの課題に対し、大畑さんが構想したのが、講師同士が手を取り合うプラットフォームです。日本化粧品検定を軸に、メイクやネイル、アロマなど、多様な資格を横断的に学べる場をつくります。
「講師は受講生を、受講生は顧客を。チーム全体で紹介し合い、支え合う仕組みをつくりたい。一人では難しいことでも、連携すれば実現可能になります」
この言葉が示すのは、「競争」ではなく「共創」の発想です。
「やっていそうでやってなかったことなんです」
と大畑さんは言います。
仕組みの全体像
講師の募集は、水戸の「美フェス」実行委員長の小倉さんとの連携や、各協会からの紹介で進めます。
講座や体験会を入口に、学びたい人と教える人、そして仕事につなげたい人が出会う場をつくる——そのイメージです。

年齢や立場を問わず ── 一人ひとりの挑戦を支える3つの事例
大畑さんが特に意識しているのが、これまで情報や機会が届きにくかった層にも学びの入り口を増やすことです。
現在の茨城校には、さまざまな背景を持つ受講生がいます。
学生の受講生・梅原さん
茨城校の生徒である梅原さんは、10代でのインストラクター取得を目指しています。来年、サロンの創業を決意しました。

子育てと両立する受講生・前田さん
前田さんは子育てをしながら資格を取得し、現在は自宅サロンを経営。さらに高校の非常勤講師としても活躍しています。

大畑さんの隣にいらっしゃるのが、前田さん
会社員として学ぶ受講生・門脇さん
門脇さんは会社員として働きながらセカンドキャリアを考え、副業申請を行い、福島教室を開校しました。「今日はオンラインで見ています」と大畑さんは紹介しました。
大畑さんの構想は、誰もが自分らしいキャリアを描ける場づくりを目指しています。
3段階で実現を目指す「美ハウス村」構想
大畑さんは構想を3段階で描いています(※いずれも構想段階)。
ステップ1:常陸多賀駅前から展開。講師チームを結成する「美の聖地」
まずは講師を集め、チームを結成。独自のプラットフォームを構築し、将来的に多様な資格取得を可能にすることを目指します。
ステップ2:移動式住宅で「庭先サロン」の可能性を探る
移動式の空間活用も選択肢として検討しています。
将来的には、開業希望者に向けて「学び・技術・空間」をまとめて支援するかたちも思い描いています。
ステップ3:宿泊・資格・開業支援が一体の「美ハウス村」
3年後を目標に、日立駅前に宿泊・資格取得・開業支援が一体となった「美ハウス村」の実現を目指しています。
ものづくりのまちとしての歴史を大切にしながら、美容という新たな彩りを加える——その集大成が、美ハウス村です。

中学生に語った夢が使命に
大畑さんは、地域の外だけでなく次世代にも言葉を届けています。キャリア教育の現場で語られた場面がありました。
「先日、水戸の赤塚中学校で、キャリア教育として中学2年生にこのプレゼンをしてきました」
大畑さんは最終報告会の締めくくりに、こう宣言しました。
「何としても実現させなくてはいけない使命に燃えています」
次世代を担う中学生に、地域で挑戦する大人の背中を見せ続ける責任を感じた——大畑さんはそう語ります。

まとめ
「挑戦」という言葉は、一人では重すぎても、チームなら軽くなります。
大畑さんが37年かけて築いた相互支援の仕組みは、年齢も立場も問わず、誰もが自分の得意分野で一番を目指せる場を生み出していました。
この記事の要点3つ
- 相互支援:講師と受講生が紹介し合い、支え合う仕組み
- 多様な入口:年齢・性別・働き方に関係なく、学びの選択肢を増やす
- 段階的な構想:3年後の「美ハウス村」に向けて、一歩ずつ
この記事の核心は、地域でも、未完成でも、挑戦は始められるという希望です。
ものづくりのまちとして歩んできた日立に、美容という新たな彩りが加わる。制度や資金面の工夫に加え、最後は人のつながりが推進力になる——そう感じました。

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■ 主催:茨城県(担当:県北振興局)
■ 運営:株式会社しびっくぱわー
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■ 後援:日立地区産業支援センター