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【report】県北BCPアイデアソン #4 中間発表|イベントレポート

10/19(土)に開催した『県北BCPアイデアソン #4 中間発表』の様子を紹介します!

Business Challenge Program(県北BCP)では、新規事業開発を目指したアイデアソンを開催しています。このアイデアソンにて、参加企業であるリーダーの事業開発に関するアイデアを出し合い、参加者であるチャレンジャーとともにみんなで事業開発にチャレンジしていきます!

#4では、#3までのアイデア出しの成果と#7の最終報告会に向けたビジョンを発表。どのチームも、中間発表に向けてアイデアソン以外の時間も作戦会議し、準備を重ねてきました。当日は、3名のコメンテーターの方々やチャレンジャーのみなさんからコメントをもらい、発表後はチームで振り返りを行いました。#5からの後半戦に向けて、各チームのさらなる飛躍が期待できる中間発表となりました。

さてここからは、今回参加できなかった方々や当日の様子を振り返りたいという方々に向けて、中間発表の様子を紹介いたします!





 



 

 

まずは3名のコメンテーターを紹介します!

🙋‍♂️ 小野 哲人さん(株式会社小野写真館 代表取締役)

去年も県北BCPアイデアソンの最終報告会に審査員として参加させてもらいました。人口が減っている地域とは思えない活気のある事業だと感じています。当社は日立市にも店舗を構えています。今日は皆さんと一緒に楽しみたいと思っています!よろしくお願いします!

🙋‍♂️ 笠井 英雄さん(daigocafé 店主)

ゲストハウスやカフェを経営しています。「大子町をどうにかしたい」という想いを自分自身も持ち続けています。大子町の人たちが「大子町から来ました!」と誇りをもって言えるような “大子のブランド” をつくろうと奮闘しています。 今日は皆さんからパワーをもらって、大子町に還元したいと思って来ました!よろしくお願いします!

🙋‍♀️ 幡谷 佐智子(茨城県政策企画部県北振興局長)

2024年4月に県北振興局に異動してきました。県北地域の宝は人の力だと感じています。県北BCPアイデアソンでは、今年も新しいチャレンジに取り組んでいて、チャレンジを応援する皆さんがいます。「やるぞ県北!」という気持ちで、県北地域をますます盛り上げていきたいです!皆さんの中間発表を楽しみにしています。

 

今回は中間発表!

各チームの発表の要点をピックアップして紹介します。

🦠 チーム日本苔アート協会

苔アートの魅力とSDGs ~大人の趣味苔アート~

苔アートの可能性
苔アートは日本の伝統的な庭園の文化を元に自然と調和した美しさを表現する芸術です。その持続可能な性質と心に響く美しさが世界の人々に愛される可能性を秘めてると考えています。

苔アートはSDGsの3つの分野で5つの項目に当てはまる
①環境保護と生物多様性(13:気候変動対策、15:陸上生態系の保護)
②持続可能な都市とコミュニティ(11:持続可能な都市とコミュニティ)
③教育と意識向上(4:質の高い教育、12:持続可能な消費と生産)

SDGsの観点からも近年苔アートは注目されています。苔アートはウォールアートとして、緑化インテリアのジャンルに含まれます。実際に私たち日本苔アート協会でも、星野リゾートのウォールアートや兵庫県のごみ処理場のエントランスの空間デザインを受注しました。

日本苔アート協会の会員を増やしたい!
毎日どこかで苔アートの体験講座が行われているくらいの人気の講座に成長させたいと思っています。ターゲットとしては、健康意識の高い50代の女性に届けたいと考えています。苔アートは癒しを与えてくれるのでストレス解消に最適で、精神的な健康の向上に寄与することができます。都市部に住む50代の女性は環境への意識が高く、持続可能なライフスタイルを求めている方が多いと考えています。会員を増やすために、水やり不要メンテナンス不要のモスチャーの割引購入特典などを検討しています。

今後のスケジュール
InstagramなどのSNSを使いながら、会員数を増やすこと目指します。写真や動画で会員の作品をSNSに掲載したり、有名人とコラボレーションし、まずは認知を獲得していきたいと思っています!最終的にワークショップの開催を目指します。

【コメンテーターによるフィードバック】
小野さん)人生100年時代で、50代以上の趣味のマーケットには可能性があると感じました。SDGsも時代の流れに乗っています。ただ、私も50年生きてきたが、苔について3秒も考えたことがありませんでした。私のような「苔について考えたことがない」という人がいることが課題だと思います。「苔について考えたことがない」という人がいるとわかった上で、ビジネスでどう考えてセグメントしてマーケティングしていくかという話ですね。イベントや企業とのコラボレーションで、ウォールアートなどの目に入るものをつくりながら体験価値を上げることをしてみては?「苔について考えたことがない」という人は狙わずに、少しでも可能性がある人に発信するのはどうでしょうか。様々な場でどのように発信していくのかを考えるとおもしろいと思います!

笠井さん)苔アートという名称を初めて聞きました。Instagramでミニチュアのジオラマをつくっている人を見たことがあります。ウォールアートに限らずに「自分の故郷を考える」という視点でターゲットを広げていくと可能性がありそうです。これから成長していく分野だと思いました。がんばってください!

幡谷)テレビ番組で山縣さんが特集されていて驚きました!苔アートってすごいと思いました。今日は実際にお会い出来て嬉しいです。目標が会員数を増やしたいということだが、せっかく北茨城市から日本全国・海外に発信されているので、県北地域に人を連れて来るという関連性を持たせられると良いと思っています。

 

🥑 チームAMAZING JUICE

 

アボガドアップサイクル事業の地域連携とプロモーション

アボカドリテラシーを高めて、フードロスを減らして消費を高めたい
今回の県北BCPアイデアソンでは、アボカドのフードロスを目指して、2週間で300件のアンケートを実施しました。アンケート結果からわかったことは「アボカドの選び方がわからない」「購入しても腐っていることが多い」「アボカドの食べ方がわからない」「アボカドは好きだが購入をためらっている」という意見でした。また、スーパーで現状調査をしました。「管理が難しい」「状態がよくないアボカドを並べていいる」「ロス率を把握していない」などの現状がわかりました。

現状の課題解決のために
「アボカドの選び方がわからない」という課題に対しては、消費者がいつが食べごろなのかを判断しやすくなるようなポップをスーパーに設置してもらいました。また、「アボカドの食べ方がわからない」という課題に対しては、アボカド料理研究家の方にレシピ提供をしてもらいました。売り場での実証実験は現在進行中です。また「完熟の見極めが難しい」「硬さの判断が感覚的」という新たな課題も見えてきました。解決策として、アボカドマイスター制度の導入を考えています。

アボカドマイスター制度設立を目指す!
スーパーの売り場にアボカドの知識を持ったプロ人材(=アボカドマイスター)を配置できるようにしたいです。アボカドマイスターがいるお店は高い信頼が得られて、フードロスを削減していることが評価されて売上が伸びるように制度を設計したいと思っています。制度のルールやノウハウの整理を最終発表までに行います。消費者・環境・店舗すべてがAll Winになるように考えていきます!

セレンティビティな1杯から笑顔咲くサステナブルライフを
AMAZING JUICEの設立当初から、美味しさだけでなく健康や環境に配慮して、全てが共存する笑顔が咲く世界を目指しています!

【コメンテーターによるフィードバック】
笠井さん)daigocaféでもアボカドの上にわさびを乗せた丼を出していてすごく人気があります。アボカドの可能性を実感しています。アボカドの生産量が最も多いのはメキシコなのに「なぜ日立市でやるのか」という理由にストーリーがあると良いと思います。ストーリーのあるところに100%フードロスがないというのを出してほしい!日立市でやる、県北地域でやる意味がもっと出てくると良いと思います。

小野さん)アボカドについて考えたことがなかったが、興味深かったです。毎朝飲めるなら朝食の代わりに良さそう。スーパーで実証実験しているアクションも素晴らしいです。時流のチャンスの波は来ていると思います。ビジネスでは儲かることが大切でスーパー側はロスが増えると儲からない。そこにチャンスがあると思います。アボカドマイスター制度の発想も素晴らしい!現実的な問題は、スーパー側の収益性とマイスター側の収益性だと思います。この2点の課題が解決できればアボカドは広がると感じました。

幡谷)実証実験で生まれた課題を次どうしようと考えていることも素晴らしいです。アボカドマイスター制度はぜひ実現させてほしいです。日立市のフードロスの削減をきっかけに日立市の環境や市民の健康を考えることが、日立市の魅力づくりにもつながります。日立市に貢献していただける取り組み!学校での食育としてもやっていただけると地域の魅力として生きてくると思います。

 

🥬 チーム愛テックファーム

生産者の所得改善をする新ブランド「絆」で農業に明るい未来を

日本の農業が衰退している
新規就農者が少なく、農業に従事する人は高齢化しています。理由は長時間労働に対する対価が低いからです。生産者はつくるプロですが、売ることに関しては素人です。つまり現金化が苦手です。現状の農作物が流通する仕組みは、最終的に生産者の現金化が低いところで販売をする仕組みになっていることが課題だと思っています。

農業の現金化率を高める
現金化率を高めるためには、属人化・ストーリー性・個性が最重要です。農業をしている人は、売ることが苦手な人が多く、いろいろ考えると生産に集中できなくなってしまいます。そこで僕が「絆」というブランドを立ち上げました。地場野菜を相場より高い金額で僕が買い取り販売まで行っています。営業利益は6%です。誰も損をしない仕組みで存続可能なスキームにできたと思っています。この仕組みを茨城県に広げて、関東圏に広げて、最終的には茨城県のブランディングにつなげたいと思っています。

「絆」ブランドで小さなまちおこしのきっかけをつくる
僕が目指す世界を実現するには、僕一人の力ではできません。人を巻き込むことが大切です。県北BCPアイデアソンでは、茨城大学の学生さんと連携して絆マルシェというイベントを行うことになりました。絆マルシェでは絆野菜のプロモーションを行います。BAKE SHOP CORINさんのパンやAMAZING JUICEさんのアボカドジュース、東京発電さんのさつまいもも販売します。「まちおこしをしたい」という水戸プロさんが想いを込めて企画・運営しているイベントです。親子の参加型のイベントです。ぜひ11/4(月祝)は晴耕雨読に来て学生たちの頑張りを見てください!「絆」をテーマに生産者の所得を上げるのは結果論です。最終的に僕がしたいのは「絆」という野菜のブランドを使って小さなまちおこしのきっかけをつくることです。

【コメンテーターによるフィードバック】
小野さん)人口が減っていく中で、農業が目指すビジョンにすごく共感できました。自社でリスクを取って、収益性を上げていくことを他の農家に展開できれば課題解決になると思います。。現金化率で仮に5%でも利益を出せるのであれば、10億円や30億円くらいの可能性があると思います。茨城県が潤って全国が潤ってビジネスを大きくできる可能性を感じました。

笠井さん)地場産品はそれ自体でブランド。絆ブランドで良い値段で売れることが目標だと思います。農薬を何%しか使っていないなどの基準があるとお客さんも買いやすくなるのかと思いました。大子町には奥久慈しゃもというブランドがあり「奥久慈しゃもは必ずこの飼料を食べる」という基準があります。基準がブランドになっています。松本さん自体がブランドになります。自分がブランドになって「僕が全国から野菜を集めて売ってます」とできれば良いと思います。

幡谷)松本さんの取り組みでたくさんの方を巻き込んで付加価値や販売力を高めていただきたいです。県北BCPアイデアソンを盛り上げるのに、県北地域の宝は人の力だと感じています。県北地域の人の絆を高めていただきたいです。

 

⛰️ チームまちグループ要建設

世界一のそばの里づくり 御前山

「常陸秋そばを世界に広めたい」
茨城と言えば常陸秋そば、常陸秋そばと言えば御前山となるにはどうしたら良いのかを考え行動に移すために県北BCPアイデアソンに参加しました。御前山ヴィレッジは建設途中ですが、飲食店・宿泊施設・農業施設ができています。まち庵も2024年冬にオープン予定です。そばを食べに来たら工場の見学もできる、観光スポットにもなるということを目指しています。

まちグループ要建設と御前山について
まちグループ要建設のパーパスに「地場産業に取り組み、地方都市の社会問題の解決を図り、地域社会へのイノベーションを起こす」というものがあります。当社の経営理念、目標です。そもそも御前山の魅力は「関東の嵐山」と言われるくらい景色がきれいです。また都心から近く、春夏秋冬の自然を感じられます。

御前山地域に足りないのはコミュニティではないか?
「常陸秋そばを世界に広めたい」と考えていましたが、県北BCPアイデアソンでコミュニティの大切さに気付かされました。コミュニティ計画とは、地方の社会問題の解消をすることです。地方の自治体ではどこも同じような問題を抱えていると思いますが、地方の社会問題とは、中山間地帯の経済の活性化、雇用の創出、人口減少と高齢化の解消、耕作放棄地の回復などです。しかし、そもそもコミュニティ計画とは誰が誰のために行うものでしょうか。私たちまちグループ要建設の社員が、御前山地区の方々に広げ、県北地域や茨城県全域、そして日本全国、世界の方々へとコミュニティを広げられるようにしていきます。

【コメンテーターによるフィードバック】
小野さん)世界一のそばの里づくりはわかりやすいテーマです。大きなブランドになりそうだと感じました。御前山はまだまだ全国的にも知られていない場所だと思うので、ハードルは高いですが可能性を感じました。常陸秋そばを広げたいという一点突破で食体験を広げられると可能性があると思います。宿泊業ではストーリーが必須ですが、体験から宿泊までをワンストップで叶えられるのは良いと思います。ラグジュアリーな体験があると、世界の人たちが1泊数十万円を簡単に払う世界が実現するのが宿泊業。そばは日本固有の文化であり、可能性を感じました。

笠井さん)魅力的な事業計画ではありますが、もう少し尖らせたらおもしろいと思います。「常陸秋そばを食べに来るのなら御前山!」くらいで良いのではと思いました。他の地域から来ていただくだけの理由がないと「ただそこにある」で終わってしまいます。御前山地域はモビリティリゾートもてぎに近いエリア。モビリティリゾートもてぎには世界中から人が集まっています。モビリティリゾートもてぎの例も含めて考えてみると良いと思います。

幡谷)常陸秋そばは質が高いです。食の魅力は人の行動を呼び寄せることができるコンテンツです。御前山地域に人を呼び込むためにご協力いただきたいです。都内でも使われているくらい、茨城を代表する質の高い食は常陸秋そば。食べられて、体験もできる拠点は、これからも観光振興を計るうえでありがたいと思っています。。

☀️ チーム茅根電設工業

常陸大宮市で、100年先も持続可能な企業のひとつになる

100年先も農業を続けるために

茅根電設工業は3年前に農業を始めました。目的は、耕作放棄地と太陽光発電の組み合わせで農地を有効活用し、効率よく儲かるようにすることです。現在はフルーツトマト10トンと、ブルーベリー900本を育てています。トマトを育てて3年目になります。この先の100年も農業を続けるために、AIを使って何ができるか、農場の後継者として育てられたら…と考えています。常陸大宮市の平均年齢と農家の平均年齢を考えると、ここ数年が勝負の分かれ目です。これは同時に大きなチャンスでもあり、私はこの機会に日本の課題に貢献したいと強く思いました。

私たちの会社が農業を行う理由
エネルギーをつくることは私たちの本業です。しかし農業に関しては全くの素人です。だからこそ徹底的に魅力的で儲かるものにしたいと考えました。「常陸大宮市で異業種から農業に参入してすごく儲かってるらしいよ、それなら俺でもできそうだ」と思ってもらえたら嬉しいです。

100年後を見据えて出した答え
大切に育てたトマトが3年目のシーズンになりました。100年後を見据えてどのように販売していくかを考える中で、人の購買行動に関わる6つの感情に合わせた商品設定を行うことにしました。個人的な経験や価値観に共感できると購入の動機になるので、AIスタッフたちが購買行動のタイプに合わせて常陸太陽の庭の想いをお伝えします。AIスタッフにより自分の購買行動のタイプに合う形の楽しい購入体験ができると購買行動が促進される、というものです。具体的には心と体を癒すトマトをつくります。リコピン、GABA、ビタミンが豊富な私たちのトマトに、AIで生成したイケメンスタッフや可愛らしいイラストのスタッフが加わります。飲むと同時に心も癒される、内側から元気に綺麗になれる商品を目指しています。私たちが描いている事業計画が実行できれば、農業はもっと魅力的で可能性のあるものになると思っています。

【コメンテーターによるフィードバック】
小野さん)農業×AIスタッフ、おもしろい!AIには労働基準法は関係ないし、中小企業だけを考えても、社会的に給与を上げて行かないといけないタイミングです。すごく良いと思いました。農業だけで儲からないという事実も大事です。今の段階でAIで動画が作れるのすごい!AIについて農家や商店に教えるだけでもビジネスになると思います。

笠井さん)海外で売れるのではないかと思いました。ドバイと茨城県はつながりがあるはずです。ドバイでは農作物があまりとれないだろうし、1本2,000~3,000円くらいで売れるのでは?宮崎県の方でAIを使った農業を展開している方がいるはずです。農林水産省で表彰された方です。参考にしてみてください。

幡谷)異業種への参入とAIの活用は興味深いです。AIスタッフがイケメンでイラストの子達も良い!推し活をやってる人が多いので、あとは売り先をどうするかだと思いました。残りのBCPの期間で議論していただいて、常陸大宮発の海外ブランドにできるようにがんばってください!県北地域に人を呼び込むということで、茨城のインバウンドの人気のコンテンツは果物狩りです。体験コンテンツとしても海外向けのコンテンツとしてがんばってほしいです!

 

💡 チーム東京発電

未利用農地を活用したさつまいも栽培で、地域の輪を創出したい!

水力発電の会社がさつまいもの栽培を始めた理由
県北地域で100年以上続く水力発電ですが、県北地域の活力がなくなってきていると感じています。地域のために漠然と「何かできないか?」と考えていたら、土地があるので何かに使っていただけないか?という声をいただいた。調べてみると、社会課題に農家の未利用農地という問題にいきつきました。私たちは、常陸太田市の小菅町にある約1ヘクタールの土地をお借りして、さつまいも栽培をしています。

地域の活性化を目指したい
上手にさつまいもをつくれるだけでは地域は活性化しません!将来的には観光名所になるようなファームになり、たくさんの観光客に来てもらえるようにしたいと思っています。地域の活性化のためにはどうすれば良いか。農業の指導をいただいた方、支援者の方、地域の方との繋がり、近隣農家さんとの連携がとても大切です。もっと広く人を呼ぶために、旅行関係のつながりや規模拡大のために働いて下さる方々も必要になってきます。地域の輪を広げて、お互いの強みを掛け算をして、地域の強みをつくっていきます。そのためには差別化となるキラーコンテンツを形成する必要があります。このキラーコンテンツについてを県北BCPアイデアソンで考えています。

異業種から農業への参入。成功への秘訣は?
異業種から農業へ参入して黒字化できている民間企業は多くありません。黒字化できている企業がやっていることを調べると、生産したものを消費者に届けるルートをしっかりと確保している企業が成功しているということが分かりました。また、販売先については県北BCPアイデアソンでつながりができた皆さんからご縁をいただくことができました。大変感謝しています。また、成功のためには生産技術の向上も大切です。生産技術の向上は、大きなお金をドンと動かすのではなく、スモールスタートで「自ら手を動かして汗をかく」ということを大切に行っています。気象データ、土壌データ、栽培データ等を把握した上で、買っていただく皆様のニーズと栽培データを掛け合わせてニーズにあった栽培計画をつくり実行するということを繰り返していきます。

【コメンテーターによるフィードバック】
小野さん)東京発電さんは東京本社なのに、県北地域の取り組みに参加いただいているのが素晴らしいと思います。その上で茨城のさつまいもに特化したもの、大企業の手法ではなくスモールスタートでやっていることが素晴らしいです。その中でも大企業のノウハウを持って取り組んでいることが意義があると思います。バリューチェーンの構築など個人の農業では難しいことを実績として残すことにも意義を感じました。大事なことは黒字化だと思います。赤字だと企業の論理としてなくなってしまう。時間がかかっても黒字化できると意義があると思います。

笠井さん)良いところに目をつけたのでは!景観ということで太陽光発電ではなくしたということが良いことだと思います。農地の原風景はすごく美しいので、そこが耕作放棄地で荒れてしまうとまわりに迷惑がかかります。大事に育てていってほしい事業です。地域とのコラボレーションや発展ということで、僕としては発電事業にさつまいもをかけてコンテンツにしていくとおもしろい事業が展開できると思いました。

幡谷)地域貢献の取り組みをしていただいていることに県北振興局としてありがたいと思っています。引き続きよろしくお願いいたします。

 

🤝 チームシンカゼ

地域企業のイノベーションを促進するスキルシェア文化の構築

地域には人材支援が必要
県北地域を中心に、都市部の人材と地域企業のマッチングを行っています。私が目指すのは「地域に人がいなくても事業運営ができる仕組みをつくること」です。今後、地域から労働人口が減り続けることはほぼ確定をしています。その中で「地元の人を社員で採用する」以外の手段で、労働力を確保する仕組みが必ず必要になります。ただ、人材が足りないという危機感はあるものの、壁があって事業改革に取り組めないという中小企業は多いです。ヒト、カネ、情報、時間の中で「時間」だけは使っていただきたいですが、それ以外はサポートができる、というものが今回の提案です。

スキルシェアという市場
従来の考え方では、1人が1社に所属するのが当たり前でした。今は、1人が複数社に所属してスキルをシェアするのが当たり前になってきています。当社はOtanomiという副業兼業人材のマッチングサイトを運営しています。副業兼業人材とはどのような考えをもっているのでしょうか。Otanomi経由で副業に応募する方は「地域に貢献したい」「成長したい」という意欲があるということがわかっています。報酬はお金ではなく経験で受け取りたいと考えている方も多いです。
さらに、求人案件数よりも「副業をやりたい」という人の方が多い、つまり、人が余っている市場がスキルシェア市場です。やりたい副業の第2位は「地域おこし」です。地元に貢献したかったり、地域で何かやりたいという人が溢れています。スキルシェアでこの労働力を活用することができます。

地域越境学習とは?
地域越境学習とは、大企業の社員の社外インターンのような仕組みです。大企業で研修として取り入れているところが増えています。期間は3ヶ月で、本業を持ちながら地域の企業で新規事業の立ち上げ支援などを行います。大企業が研修費としてお金を払い、社員を地域の企業に送り出します。地域企業はお金かかりません。当社ではこの事業を通して、ヒト、カネ、情報の不安を払拭できると考えています。9月から10数社と商談し現在調整中です。スキルシェアを活用し、地域に人がいなくても事業運営ができる仕組みをつくっていきます!

【コメンテーターによるフィードバック】
小野さん)人口減少は日本全国、特に県北の課題です。スキルシェアは課題解決につながると思いました。本当に大切な仕組みです。ここを考えているのはすごくプラスです。ただ、県北地域すごく保守的なエリアなので新しい概念を受け入れてもらえるかが気になりました。社会貢献がしたい優秀で若い人が多いのは事実ですし、受け入れ側の中小企業にお金がかからないのがメリットというのもわかります。「本当に優秀な人が来る」などの派遣された側に実際のメリットが出てきたらもっと良いと思います。「無料だからやってみよう」でメリットがなかったという話も聞いたことがあります。非常に意義のある取り組みなのでがんばってほしいです!

笠井さん)県北地域は特に人材が不足しています。必要な事業だと思いました。拡大して行けると良いですね。大企業が派遣する側の人材がどこまでの意識をもってやってくれるのかが課題かもしれません。あまりやる気のない社員が派遣されると、受け入れる側の労力がかかることが課題だと思いました。

幡谷)地域越境学習は関係人口拡大の上でもすごく期待している取り組みです。首都圏と県北地域の距離感はとても良いと思っています。プライベートで家族を連れて遊びに来たり、移住したりといろいろな展開が考えられます。期待しています!

 

🎨 チームアトリエトモドール

まちの誇り、ここにしかない唯一無二の存在を目指して

(登壇前に携帯スピーカーを取り出し、ジャズを流しながら)音楽をかけているのは、ギャラリーの雰囲気を味わってもらいたいからです。私たちの発表の時間は頭を使わず、目と心を使って聞いてください!

作家としての想い
40年前に結婚を機に日立市に移住してきました。子どもが幼稚園に行っている間に県内の大学で金属彫刻を学び、その後素材を変えながら人形制作を続けました。作品は県内外で発表しましたが、日立市には展示できるギャラリーがなかったので2018年から2年かけて場所を探し、2020年にギャラリーをオープンしました。作家として、作品を見てくださる方に寄り添う人形を心がけてつくってきました。時代や地域を超えて今を生きる女性たちのしなやかさや優しさをテーマに表現してきました。また、女性のライフスタイルの変化を形にしながら、現実の女性の生き方にも興味を持ち、今は若い世代の応援をしたいと思っています。

ギャラリー創業のビジョン
芸術文化を地域に根付かせたいです。アーティストとアーティストを育てる人の交流の場所を日立市につくりたいと思いました。ギャラリーに込めたのは、コーヒーを味わいながら柔らかなひとときを過ごし、ゆっくりアートを楽しんでいただきたいという想いです。アーティストの作品を紹介する文化の発信基地にし、地域の方と双方向の化学反応を期待したい。また、私の去った後も10年20年とつながっていく場にしたいと思っていました。しかし、現実は上手く行かず、コロナ禍も更に追い打ちをかけ、ギャラリーを続けるかやめるかと毎日悩んでいました。ずっと考えている時に家族の紹介で県北BCPに出逢い、悩んだ末参加させていただくことにしました。

県北BCPアイデアソンでの取り組み
チームの皆さんとのアイデアソンで課題がよりリアルに浮かび上がりました。また、協働・共感できる方々と次々につがることができ「とにかく動いてみよう」と決心しました。例えば、お客様から「場所が分かりにくい」という声がたくさん寄せられているという現状に対して、看板や掲示板を設置するために動いています。ギャラリーらしいアートのある場所としての存在感を示せるようなおしゃれな看板を設置したいと考え、外構業者さんや製作会社さんと相談中です。その他、近隣の高校や大学の学生さんに壁アートや作品展示をやってもらえないかと提案しています。また、広報活動を強化するためチームメンバーにSNS運用のサポートをしていただいています。すでにインプレッションの数値や掲載写真の質の向上などの効果が出ています。引き続きギャラリーの本質を見極めながら色々なアイデアに挑戦していきます。県北BCPアイデアソンでつながった私たちチームアトリエトモドールの活動でギャラリーが地域とつながって、アートムーブメントの始まりとなり、まちの誇り、ここにしかない唯一無二の存在になるような発見や挑戦を続けていきたいと思います。

【コメンテーターによるフィードバック】
笠井さん)アートはすごく大事な要素です。最近殺伐とした生活をしていると感じていて、何が足りないかなと考えていたら、アートだなと思いました。大子町にもう少しアートがあると良いと思ったところでした。日立市にはアートがある!なぜ日立市でやるのかということが作品のテイストに入っていたり、地域に根差した作品というのがあったりすると良いと思います。地域の人たちと作品づくりするというのも良いです。これから10年20年やっていただいて、活動を続けていただきたいと思いました!

小野さん)作家さんとしてこのような場にチャレンジするのがすごいです。アートは人の心を豊かにします。進化すればするほどリアルなアートを掛け合わせることができるでしょう。アートは可能性を秘めていますが、アートギャラリーは入りにくいです。そのためにコラボレーションは良いと思います。何が正しいかはわからないが、認知が課題ということであれば今の学生さんとの取り組みは良いと思います。箱を持っていることをどうやって強みにできるか。他の作家さんや県北地域のアートのハブ機能ができれば、県北地域のアートを感じられる場としてのブランドになるでしょう!50年100年続けられる強みがアートにはあります。素晴らしいことだと思うので、つくっていってください!

幡谷)すごく素敵な音楽で素敵なギャラリーなんだろうなと感じました。洗練されたギャラリーがあることはまちの文化レベルをあげるために重要なことです。コロナ禍を経て一度壁にぶつかって今動かれていることは、すごくよかったなと思います。ご自身の作品のテーマを伝えることが大事。日立市の文化発信基地となってもらえることを期待しています。

 

🥛 チームCORIN

Miki 健康で美味しい商品

ミキとは?
ミキの語源は御神酒です。県北BCPアイデアソンでのリーダーへのチャレンジは、自分にとってはかなりハードルが高いものでした。ミキの存在を3年ほど忘れていましたがリーダーへのチャレンジをきっかけに存在が蘇ってきました。ミキは、お米とさつまいもという茨城の特産品でつくることができる乳酸菌飲料です。微生物は地球や生物にとって欠かせないものと気づかされます。ミキには腸と心を整える力があります。

BAKE SHOP CORINについて
地域の空店舗を利活用し、3年前に旧河原子郵便局を改装し、現在のお店をオープンしました。イベントスペースでの地域のにぎわいづくりも目指しています。乳酸菌飲料は睡眠の改善や免疫の向上に効果が認知されている世の中で、乳酸菌飲料であるミキを使ったパンができないかを考えています。乳酸菌がグルテンを分解するので、消化の良いパンになります。高齢化の進む日立市の皆さんの健康に貢献できればと思っています。ミキはお米はおかゆにして、さつまいもはすりおろしてつくります。ミキは、形が悪く市場に流通できない商品も利用できるので、フードロスとなるものを買い取り、茨城県産品のみでミキをつくることを考えています。

今後の展望
BAKE SHOP CORINの顧客は、年齢層の高い女性が多く、健康に訴求した商品はより地域に寄り添えると考えています。現在、私たちは不定期でパンのオンライン販売を行っていますが、現在ミキを使ったパンを販売してるところは数えるほどしか全国にありません。私たちがミキを使ったパンをオンラインで売り出すこともできるのではないかと考えています。まずはパンやカフェメニューの商品化や、ミキの商品のアイコンをつくるなどしてブランド化も進め、ミキのワークショップの開催ができたらと思っています。

【コメンテーターによるフィードバック】
笠井さん)大子町のパン屋さんで30年やっているところがあります。奥さんがベトナムの方です。旦那さんが仕事でベトナムに行って出会ったそうです。ベトナムのバインミーが美味しいということで全国に発送していて。通常ではやらないような多くの量を発送しています。ミキにも全国にファンがいるだろうから、参考にしてみてはどうでしょうか。

小野さん)ミキをほとんどの方が知らないと思います。認知がないものだから広めるのは難しいですが、できたらすごい!R-1などの成功事例を見ていると、狭くても伝えらることができれば、ミキに関わるライバルが少ないというのは利点になります。高単価で販売できる可能性を感じました。本質的に健康を求める富裕層に可能性があるとも感じました。ビジネスは行動力と実行力がすべて。大手がミキに参入するのは難しそうです。地域のパン屋さんも参入しにくそうです。狭い層にネット販売でしっかり販売できるようになると、大きな可能性があると感じました。

幡谷)健康に訴求した商品はポテンシャルがあるので、BAKE SHOP CORINさんの中で主力商品になるように育てていっていただけたらと思います。それでファンが増えて支持してくれる人が増えたら、自分のところで扱いたいという大手企業が出てくるのでは?まずはBAKE SHOP CORINさんの主力商品に育てられるようにネーミングやブランディングを考えてみてください!

 

📣 チーム今橋製作所

「何から始めればいいかわからない」中小企業の悩みを解決し、地域を元気にしたい

10年前から大手に依存しない経営体質を目指してきた
今橋製作所は日立市の中央に所在する社員数30名弱の金属加工を本業とする会社です。代表を中心に約10年前から大手に依存しない経営体制の確立に向けて動いてきました。そのノウハウをもとに、コンパスリーチという事業を2022年から行っています。コンパスリーチでは、大きな課題に直面する地域の事業者を助けることで地域を元気にしたいという想いで、製造業を対象としたWeb集客や補助金を使ったご支援をさせていただいています。

日立市の現状
日立市の中心の産業である製造業者の数は2000年から2022年にかけて47%減少、約半数になっています。人口もピーク時から17%減少していて、2050年には10万人にまで減少する見込みです。要因は大手企業の方針転換によってものづくり事業からの撤退が進んでいるということが挙げられます。大手依存からの脱却が急務ですが、だからと言ってすぐに新規顧客を見つけられる訳ではありません。今までは大手企業に納品することが仕事だったのに、何から始めれば良いのかわからず困っている事業者さんがたくさんいることに、当社は気づきました。

初回のヒアリングで本当に困っていることを把握
当社は、初回のヒアリングで自社のサービスの話を一切しません。経営者が本当に困っていることを把握し、その中で当社がご支援できるような内容が急務であれば我々がご支援を行い、急務でない場合には正しい相談先を紹介し悩みを解決するというご支援を行ってきました。今後、このコンパスリーチという事業をより多くの方に広げることで課題を解決し地域を元気にしたいと思っています。そのためには、今の事業に何かプラスαが必要です。

幅広い業種やサービスに拡大するために
既存の製造業
向けの支援メニューをより幅広い業種やサービスに拡大するための1つ目の柱として、コミュニティ運営を行います。コミュニティ運営の目的は、既存の事業ではつながることができなかった方や、まだ悩みが明確になっていない方、相談できでずに悩んでいる方との出会を生み出すことです。
また、2つ目の柱は、課題を可視化できる伴走支援です。伴走支援で悩み解決の機会を増やしていきます。コミュニティ運営の目的には、悩みを持つ人同士との出会いだけではなく、共に解決してくれる連携先の拡大も含まれています。現在、
実現すべきコミュニティの形を模索しているところです。テーマを大きく掲げるべきか?参加者を増やすために幅広くするのか?理想を突き詰めると実現できないのでは?などと悩みながら、チームでアイデアを出し合っているところです。「何から始めればいいかわからない」という事業者の信頼と出会いを獲得するための事業を、より具体化できるよう今後も取り組んでいきます。

【コメンテーターによるフィードバック】
小野さん)製造会社が地域を元気にしたいということが素晴らしいです。本当に小さないろいろなことが中小企業の実態の中にはあります。地域の中小企業が地域の企業の支援をやっているということにビジネスの強さを感じました。ドラッカーが言っている「顧客を創造し続ける」ということろは、当たり前ですが一番難しいことです。顧客の創造を再現性を持ってできるのであれば大きなことができます。コミュニティは経営者の悩みをシェアしあって解決していくことは良い流れだと思います。コミュニティ自体の運営が目的になったり、コミュニティ内での上下ができてくるのは本質的なことではないので、本質的なコミュニティ運営ができると良いと思いました。

笠井さん)日立市ならではの悩みだと思いました。10%の会社がなくなっているというのは大きな問題なので、ぜひ成功させてもらいたいです。ノウハウをサービス業に広げるのは難しいと思います。できれば同業者、仲間をつくって「こういうのやろうよ!」とする方が早そうです。全体像が少しわかりにくかったので、ビジュアルで「こういうことやったらこうなるよ」がわかるようにすると良いと思います。

幡谷)ものづくりのまち日立が抱える課題に、地元の今橋製作所さんが取り組むということに大きな意義があります。大事なのは実績をつくること。所さんも話していたが、テーマや実現性について話ているということだが、実現したコミュニティを継続していくことも大事です。ものづくりのまち日立が発展していくように、今橋製作所さんが中心となって盛り上げてほしいです。

今回のフード・ドリンクは…



hajimariが出張サーブ!また、BCPアイデアソン2022のリーダーでもある株式会社常陸風月堂 藤田さんのおいしい和菓子をたくさんご用意しました!発表の前後や合間に、テーブルに準備したお菓子と一緒にコーヒーを楽しんでいました!

 

今回もまちのこ団のあそび場をお届け🧸

あそび場と会場を行き来したり子どもの声が会場に聞こえたり大人も休憩時間に遊んだり…!大人もこどもも全力で「今、この瞬間」を過ごしていました!





 

最後に#5以降に向けて中間発表の振り返り!







 

県北BCPアイデアソン2023、後半戦スタート🔥

県北BCPアイデアソンは、来年1月までの合計7回実施します。
#1,2,3に参加できなかった方や、まずは中間発表を見てみたいという方も、ご参加大歓迎です!
ご都合の合う日程に、ぜひご参加ください!

・11/16(土) 13:00〜18:00 アイデアソン #5
・12/21(土) 13:00〜18:00 アイデアソン #6
・2025/1/18(土) 13:00〜18:00 アイデアソン #7 最終報告会(都内で開催予定)