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【report】県北BCPセミナー編 vol.4|イベントレポート

9/9(土)に開催した『県北BCPセミナー編 vol.4』の様子を紹介します!

Business Challenge Program(県北BCP)では、茨城県県北振興局主催のもと、茨城県県北地域の企業による事業開発を通した将来的な雇用創出を目的に、事業開発に必要となる自社の課題や特色を理解し異業種との対話を通して知見と視点を学ぶセミナーと、ディスカッションとPoCを通した事業開発を実現するアイデアソンを開催しています。今年度も県北BCPでは、6回のセミナーと7回のアイデアソンを開催し、事業開発を通した将来的な雇用創出を目指していきます。

セミナー編vol.4では「中小企業による新規事業開発を知るをテーマに、株式会社ヤマチクの山崎彰悟さんにご登壇いただきました。台風の影響でオンライン開催に急遽変更し、実施しました。

 

🎋 株式会社ヤマチク 3代目 山崎 彰悟さん

「竹の、箸だけ」を作るメーカー、株式会社ヤマチク 三代目 |工芸界のストロングスタイル| 竹のお箸を、もういちどお箸の定番へ。 竹産業を、もういちど儲かる産業へ。 南関町を、もういちど面白いまちへ。

ヤマチクのコンセプトムービーはこちら📽️

 

新規事業開発の3ステップ
① 構想する。② 伝える。③ 巻き込む。

①のアイデアを詰めたりコラボレーションしたりするワークショップはたくさんありますが、僕が大事だと考えるのは②と③です。実際にそれを実行するのは社員さんなので、なんで実行するのかをしっかり伝えて、何をやって欲しいかを明確にし巻き込む。意外とこれができない。アイデアとしては素晴らしいけど、実は社員さんたちが自分事にできていないというのが僕ら自身もありました。

① 構想する。

「本当に、新規事業は必要か?」

2018年まではOEM主流の下請けメーカーでした。そこから、OEM商品の増産対応、取引先訪問と商品開発、新規OEM取引のための会社案内とHPの作成に取り組み、それでも新たな対策が必要になったのでここで初めて自社ブランド化に取り組むことに。自社ブランド「okaeri」ができて売り上げの65%が自社ブランドとなり、結果社員や地域の人の自慢になることができました。

まずは自社の既存リソースでやりやすいところはどこなのか、そこで努力していくら稼げるのかを考える。それでも足りないときに違うフェーズに行く。新規事業開発は、最後に取り組むことになります。「なんでやるのか?」「本当に今のリソースでできることはないか?」を何度も問いかけながら取り組んでください!

強みと機会の分析

新規事業を開発する上でよくやるのがSWOT分析ですが、中小企業はSO分析が特に重要!弱みも脅威も書き出して客観的に分析した上で、戦える強みは何でそれを使える機会はどこなのかを考えることが大事です。

ヤマチクは田舎の零細企業なのに、竹の箸のシェアはNo.1。「竹の、箸だけ。」という強みと「SDGsが一般化してきた」というタイミングで、誰にも負けない土俵を手に入れました。

だからこそ、SWOT分析を毎年やってください!そしてあなたの「誰にも負けない土俵はどこにあるか?」を常に模索してください。どんなに小さくても、1番になるとたくさんのコラボが生まれます。

新しいアイデアは常にとなりにある

やりたいこと、できること、社会ニーズを考えたときに、ビジネスチャンスはかぶっていないところにあります。だからこそ、関心を広げるため、できることを増やすために何をしているかがすごく大事。

② 伝える。

はじめに。ここに来ていることやここで学んだことを、社員さんたちに話していますか?
意外と話していない人が多いのですが、話した方がいいです!

リブランディングの最初に取り組んだのは、会社案内

実際に自分たちの仕事が見えるようにしかっこよく写真を撮ってもらい、自分たちがやっていることを見える化するために会社案内を作成。そこで1番喜んだのは、社員さんたちでした。社員さんたちは、わたしたちリーダーの全ての言動を感じています。みなさんの一挙手一投足が見られていると思った方がいいです。そして、言葉と行動が一致しているかもすごく大事だと思っています。

僕たちのコンテンツは、ひとベースのものが多いです。ヤマチクでは、社員さんの頑張っているところや会社が評価しているところを会社として発信。社員のインタビューを記事にしたり、仕事参観を行ったり、お客様だけでなく社員さんにとってもプラスになる取り組みを行っています。

ヤマチクのnote記事はこちら📖

伝わるまで絶対に諦めない。伝わるまで、何度でも。

新しいアイデアが最初から受け入れられることはありえません。だからこそ、伝わるまで何度も伝えることが大事です。リーダーとなる人は、想像以上に社員さんに対して自分たちの考えを伝えていません。わかってもらえないだろうなと思いながらも、とりあえず話すということを大事にして欲しいと思います。

③ 巻き込む。

3つのステップの中で、これが1番難しいと思っています。リーダーが全部ひとりで行動するのは難しいので、実際に行動するのは社員さんたちです。もちろん、社員さんは指示をすれば動いてくれます。でもそれが、わかんないけどとりあえずやってもらうのか、課題意識を共有できてやりがいを持ってやってもらうのかだったら、絶対後者の方がいい。だからこそ、巻き込み方をぜひ意識してください!

「言われたものを作る」から「自分たちで作って、自分たちで伝える」へ

自社ブランドを作ったことで、作って伝えるまでが仕事になりました。そこで、社員さんからお客様に竹の箸について説明してもらうようにしています。目の前の自分がやっている仕事を伝えることはとても大事で、我々がやっている仕事を知られないのは社会的損失だと伝えています。

お箸の製造小売業への業態転換

2023年11月11日(土)、ファクトリーショップ『拝啓』を新設!
手紙をコンセプトに、生産背景を伝える手紙のような場所、お客様が手紙を綴るようにお買い物ができる場所としてオープン。

これを作るにあたって最も危惧したことは、作る人と売る人が完全に分かれてしまうこと。「わたしたちは関係ない」をいかになくすか、すごく意識してプロジェクトを進めています。その下準備は、実はずっと前からしていました。

気づかぬうちに、実は強くなっている

ヤマチク社内デザインコンテスト」を開催し、言われたものを作るのではなく、自分たちが作りたいものを作る。そこから「自分事でものづくりができる」「お客様を主語にして考えることができる」ようになることを目指しています。

このように、社員さんが気づかないうちに強くなるような、そんなしくみを社内に組み込んでいくことが大事だと思っています。その成果として、社員さんはファクトリーショップ『拝啓』の新設をポジティブに捉えてくれています。

今いるメンバーを大切に

みなさんがちゃんと言葉にすること、そして巻き込むこと。新しいメンバーにジョインしてもらうことももちろん大事だけれども、今いるメンバーを蔑ろにするのは分断のリスクがあります。新しいメンバーばかり気にかけていると、今いるメンバーはどう思うか?リーダーは、人間の心の機微に必ず敏感でなければなりません。新しいメンバーだけに頼るのではなく、今いるメンバーで協力してできるようになるしくみも必要です。

よいアイデアが不足している組織はない。
よいアイデアを実現すべく仕事をする組織が少ないだけである。

ピーター・F・ドラッカー

僕の好きな言葉です。本当にその通りだと思っています。
アイデアの中で毒になるものは、ほぼないと思ってもらって構いません。アイデアが生まれたときではなく、やろうと思った瞬間にイノベーションが始まります。アイデアは必ず既に社内にあります。あとはやるだけ!

 

山崎さんからのお話の後は、参加者から質問し気になるところを深掘り!
実際に新規事業開発に取り組み、社員さんを大切にしながら新しいアクションをし続けている山崎さんだからこそ話せるお話は、新しいことにチャレンジしようとしている参加者のみなさんの次の一歩につながる内容だったと思います。参加者からの質問にもズバッとお答えいただき、オンラインでの実施でしたが熱量ある空間となりました!

 

今年度の県北BCPはセミナー編とアイデアソン編を交互に実施し、インプットとアウトプットを同時進行で進めることで、より早くPDCAサイクルを回していきます🔥
次回以降の予定もしっかりチェックしておいてください!!

 

\やるぜ、県北!みんな、集まれ!/

今後のスケジュール

🌱 県北BCP セミナー編▶︎事業開発に向け、自社の課題や特色を知り、異業種との対話ができるセミナーを開催します!
*お申し込みはこちら
【vol.5】11/11(土) 10:00~12:00「どのように情報を届けるか、デザイン力とブランディング戦術」
登壇者:有限会社時の広告社 小松 和広さん
【vol.6】2/17(土) 13:00~17:00「新規事業開発と新規起業が生み出す県北イノベーション」
形 式:県北地域で新規事業開発や新規起業を目指す方々による合同ピッチ

⛲️ 県北BCP アイデアソン編▶︎新規事業開発を目指したアイデアソンを開催します!
*お申し込みはこちら
【開催日】10/21(土)、11/18(土)、12/16(土)、1/20(土)のいずれも13:00~18:00で実施!