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【report】県北BCPアイデアソン #3|意見がぶつかる場所で、チームが育つ

9/19(土)に開催した『県北BCPアイデアソン #3』の様子を紹介します!

シルバーウィーク5連休の初日、日立地区産業支援センター(HITS)で開催した#3は、キーノートを設けず、25枚の紙でタワーの高さを競うチームビルドワークショップから始まりました。翌月には中間発表が控えています。

同じルールで2回挑んだタワーづくり。その振り返りで伝えられたのは、チームのなかで意見がぶつかるのは避けられない、ということでした。

夕方の成果発表では、ほかのチームと組む具体的な案を示したチームや、事業の根っこに立ち返ったチームが、それぞれの現在地を共有しました。

Business Challenge Program(県北BCP)は、県北地域活性化を目指すコミュニティ。業種/職種/年齢/性別/国籍を超えた挑戦者たちが共創することで未来を切り拓く、アイデアソンによるディスカッションを活用した新規事業開発を通じてビジネス関係人口の創出を図るプログラムです。

茨城県県北振興局が主催し、株式会社しびっくぱわーが企画運営。半年間で事業構想を磨き、最終報告会で発表します。

チームを越えて、コミュニティとして盛り上げる

オープニングでは、5年目を迎えた県北BCPが、多くの人が関わるコミュニティに育ってきたことが共有されました。進行を務める株式会社しびっくぱわー代表の堀下 恭平が呼びかけたのは、チームの中で完結せず、チームを越えて関わり合うことです。複数のチームに顔を出すチャレンジャー(参加者)も、各チームのリーダー同士のコラボレーションも歓迎だといいます。

「コミュニティに貢献する人が、結果、コミュニティからもたくさんのものを得られるんじゃないかなという風に思っております」

いいと思ったら「よっ!」と声をかけて拍手する約束と、議論についていきにくいときに「ムムっ」と伝える合図も、あらためて確認されました。中間発表が近づくほど、それぞれの主張ははっきりしてきます。だからこそ、言葉が雑になっていないか、専門用語に頼りすぎていないか、立ち止まるための合図として使ってほしいと伝えられました。

ペーパータワーで確かめた、ぶつかることから始まるチームづくり

前回から1ヶ月がたち、チームのメンバーも少しずつ入れ替わっています。この日はじめて参加した人もいるなかで、あらためてチームで遊ぶ時間として用意されたのがペーパータワーです。

混乱期を避けず、意見を戦わせる

2回のワークで見えてくるのは、高さだけではありません。短い辺で安定させるか、長い辺で少しでも上を目指すか。三角に折るか、四角に折るか。細かな作戦をすり合わせる時間はなく、誰かが言わずに動いたことに、ムッとする人もいれば、ナイスアクションだと受け止める人もいます。

堀下が紹介したのは、チームづくりの流れを段階で示すタックマンモデルです。互いの様子を見るフォーミングから、意見がぶつかるストーミング(混乱期)へ。その後は、意思がそろうノーミング(統一期)、目標に向かって進むパフォーミング(遂行期)へと進みます。混乱期は防ぎたくなるものの、必ずやってくるものだと堀下は説明しました。

「絶対に価値観は対立します。絶対に。なぜならば他人だからです」

人を否定するのではなく、意見を戦わせてほしい。そのときに大切なのは、相手の背景に目を向けることです。一見おかしく見える意見にも、その人なりの前提やロジックがあります。

「なんでそう思ったの?おもしろいじゃん」

否定から入らず、そのアイデアが生まれた背景を探ることで、思いがけない解決策に出会えるかもしれません。新しい事業をつくろうとしている以上、対立は起きて当然だといいます。

混乱期を避けて通ったチームは、簡単に崩れてしまう。だからこそ、ちゃんとぶつかることが大切だと語られました。

立ち止まりも組み直しも、チームを越えて共有された1ヶ月

ワークのあと、県北BCPリーダーが1分ずつ、この1ヶ月の進捗を共有しました。各チームのテーマは、#1のレポートで紹介しています。

🏢 株式会社マイステック 代表取締役 石川 美菜子さん / 日立市


チョコレートづくりや初崎のまちを歩くイベントなど、4つのアイデアを実践。日立市産業祭でのチョコレート販売に向けて動いています。

🏭 株式会社茨城テック 自立共創事業部 部長 篠原 慎一さん / 日立市

作品の販売や居場所づくりを考えるなかで、ほかのチームとの接点が見えてきました。この日は、協力できることを探ります。

📈 コンプラス株式会社 取締役 経営戦略室長 佐藤 修一さん / 日立市

チーム名は、スペイン語で「買い物」を意味する「チームコンプラス」に。チームメンバーの声を受け、生まれ育った日立を中心に、構想を組み直している最中です。

🌈 株式会社ゆいまーる 代表取締役 鈴木 花奈さん / 日立市

視察を重ね、安心して過ごし、自分のペースで一歩を踏み出せる居場所の輪郭が見えてきました。この日は参加者からもアイデアを募ります。

🏷️ 株式会社オールウェイタッグ 代表取締役 菊池 理可子さん / 日立市

9/5のミーティングでのヒアリングから、資格を持って働ける仕事との接点づくり、コミュニティと発信がキーワードに。20代から30代前半の女性を中心に、キャリアを変えたい人、続けたい人に届ける方向です。

🌿 自然と仲良し 共同代表 椎名 可奈子さん・東海林 悠里さん / 日立市

地域を訪れ、農地の管理や、農業がはじめての親子も参加しやすい仕組みなど、具体的な課題が見えてきました。

🏛️ 常陸太田産業振興株式会社 代表取締役 永松 裕士さん / 常陸太田市

熟成チーズについて保健所の認可を取得し、運営施設ではチーズを使ったメニューの提供も開始。この日は、ビジネスピッチから伝え方を学びます。

🚗 レンタカーズSEiWA 取締役 棚谷 泰之さん / 高萩市

メンバーと車で県北を巡り、地域内の移動を担う二次交通として、地域を結ぶ役割をあらためて確かめました。点在する魅力をつなぎ、地域全体の経済効果を高めることを目指します。

🚀 株式会社PROUD 代表取締役 五十嵐 快さん / 高萩市

地域の挑戦を応援できるカタチに変える「チャレンジベース」。Discordを使ったコミュニティや自主イベントを進めるなかで、思うように進まない段階にあることを率直に共有しました。

🎨 METEORA GRAVITY イラストレーター ハルタスクさん / 北茨城市

立ち止まってしまった1ヶ月だったと振り返りながらも、そのなかで先が見えるものも見つかったと共有。今回の話し合いで、もう一度走り出します。

中間発表は、会場とオンラインから声を集める場

グループワークに入る前には、次回の中間発表と、12月の最終報告会の進め方が共有されました。

#4は日立市民会館で開催し、オンラインでも配信。各チームが8分で発表し、コメンテーターのフィードバックに加え、会場とオンラインの参加者からコメントを受け取ります。

堀下によると、会場とオンラインを合わせて、1チームあたり160人ほどからコメントが届く計算になるといいます。分かりにくかった点や、詰めが甘いと感じた点も含め、多くの角度から声をもらえる貴重な機会。だからこそ、たくさんの人に声をかけてほしいと呼びかけました。

中間発表に審査はありません。一方、12/19の最終報告会では、公平性を保つため、8分のピッチを質疑応答なしで行います。発表の順番は、中間発表も最終報告会もくじ引きで決め

3時間のアイデアソン

3回目となったこの日は、チームの顔ぶれにも変化が見えてきました。毎回同じチームで議論を重ねる人がいる一方、いくつかのチームを掛け持ちする人も生まれています。#1、#2、Slackでのやり取りと、顔を合わせる機会を重ねるなかで、踏み込んだ意見や笑顔も増えていました。はじめて参加した人や、久しぶりに参加した人もその輪に加わります。

常陸太田産業振興の永松さんからは、自分たちのテーマだけでなく、ほかのチームにどう貢献できるかも考えてほしいという呼びかけがあり、レンタカーズSEiWAの立ち寄りスポット、Challenge Baseでのチーズフェア、マイステックのチーズを使ったチョコレートといった案が挙がり、拍手が起きました。

こうした動きは、ほかのチームにも広がっていました。チーム日立Booster’sは、コンプラスやオールウェイタッグとの協働を検討し、ゆいまーるやエモターテインメントと一緒に講座を開く計画も進んでいます。レンタカーズSEiWAは、常陸太田の道の駅やマイステックの初崎のまちをつなぐ構想を共有。チーム自然と仲良しにも多くのチャレンジャーが集まりました。

それぞれのチームという「点」を、互いのプロダクトやアイデアで「線」につないでいく。10チームが、県北BCPというひとつのコミュニティのなかで関わり合う場面が増えています。成果発表の時間になり、「グループワークおしまいにしてください!」と声がかかってもなお、話し合いが止まらないほどの熱気で、コミュニティの醸成がとても強く感じられました。

議論の合間には、金砂郷食品の『パリントウ』と、菓匠たけだの『あかがねの道』でひと息。

『パリントウ』は納豆をもとにした新食感のスナックで、カレー味、うす塩味、わさび味、唐辛子味が並びました。

『あかがねの道』は、日立の発展を支えた「あかがね(銅)の道」をモチーフにした菓子です。

しびっくぱわー堀下がサーブする3種類のオリジナルブレンドコーヒーに加え、子ども用の麦茶も用意されました。

この日は、県北BCPリーダーOBで、チームエモターテインメントのメンバーでもある株式会社佐々木製作所 代表取締役 佐々木 謙彦さんから揚げ餅の差し入れもあり、チーム株式会社マイステックが試作したチョコレートも数量限定で振る舞われました。

この日は、まちのこ団のあそび場を目当てに参加してくれた中学生の姿もありました。あそび場は、小さな子どもたちが思いっきり遊べる場所であるのはもちろん、地域の子どもたちから選ばれる居場所にもなりつつあります。

3分で見えた、次の一歩とチームを越える動き

グループワークを終えて、各チームが3分ずつこの日の成果を共有し、発表後にはリーダーたちがくじを引いて、中間発表の順番も決まりました。

🏭 チーム日立Booster’s(株式会社茨城テック)

精神的な自立から経済的な自立へ進むステップを整理しました。グッズの制作・出品や、コンプラスから販売を学ぶこと、オールウェイタッグの企業紹介動画を利用者が制作することなど、ほかのチームとの協働案も生まれています。

🎨 チームエモターテインメント(METEORA GRAVITY)

小さくまとまりかけていた構想から、同人イベントを開く原点に立ち返りました。『茨ひより』も活用し、イベントを関係人口を増やす手段として設計。出展の見込みも2件あると報告されました。

🚀 チームChallenge Base(株式会社PROUD)

この日を「彷徨った会」と振り返り、対象をイベントづくりに挑戦する人へ絞りました。最初の成功体験を支える仕組みを描き、ポイント制も構想しています。

🏢 チーム株式会社マイステック

新しいメンバーも迎え、初崎のまちにどんな想いで取り組むのかを、あらためて深掘りしました。目的は「愛される場所にしたい」。その柱としてチョコレートをつくる方向を確かめ、場所の魅力を一言で伝えるコンセプトワードづくりを宿題として持ち帰りました。産業祭で販売するチョコレートに、その言葉を載せることが次の課題です。

🚗 チームレンタカーズSEiWA

県北には魅力的な場所があるのに、訪れる人はどこへ行けばいいか分からない。名所だけを訪れて帰ってしまう。そんな課題に対し、ドライブマップをつくり、協力店とのつながりを通じて、お客様と地域の人をつなぐ構想を共有しました。常陸太田の道の駅や初崎のまちなど、ほかのチームの拠点との連携も思い描いています。

🏷️ チーム株式会社オールウェイタッグ

企業と個人をどうつなぐかを考え、若い女性が働きやすい企業の想いをインタビュー動画で届け、関心を持った人をオープンチャットに招いてコミュニティを育てる流れがまとまりました。動画づくりにはチーム日立Booster’sも加わり、事業としてお金をどう回すかは今後の課題です。紹介してもらえる企業も募っています。

🏛️ チームHOIP(常陸太田産業振興株式会社)

永松さん自身の想いをどう伝えるか、チーズ工房と熟成チーズの違いをどう示すかを整理しました。ビジネスピッチの動画を参考に、中間発表をつくり込みます。

🌈 チーム株式会社ゆいまーる

安心して過ごすところから、自分の「やってみたい」を見つけ、役割として経験できる居場所を描きました。経験でためたポイントを使える仕組みも考えています。

「その子にとっての今日の一歩を大切にしたいと思っています」

子どもや地域の人、支援者と一緒に、少しずつカタチを変えていく場所を目指します。

📈 チームコンプラス株式会社

方向性を変えた経緯をメンバーに共有し、ネットショップを始める人の動機づくりに焦点を当てました。商品を並べるだけでは、見向きもされない。だからこそショップごとにストーリーを持たせ、キャラクターの絵本やショートムービーでファンを増やしていく構想です。チーム日立Booster’sとのコラボレーションも進めます。

「ここにいる皆様、1つずつショップ持ちましょうよ」

最後は、会場の参加者にもネットショップへの挑戦を呼びかけました。

🌿 チーム自然と仲良し

前半に、事業の根っこを確かめ直しました。地域の農地を10年後にも残していくにはどうすればいいのか。農地だけでなく、農業を通じて生まれる地域のつながりも守っていきたいという想いがあります。

そこに、子育て世帯が気軽に農業を体験できる場へのニーズを掛け合わせます。NPOの子どもたちが田んぼで収穫までを体験する事業と、家族で取り組む貸し農園を構想。中間発表までに、NPOに登録する家庭へアンケートを取り、参加しやすい価格を探ります。

新しい視点と出会いが広がるコミュニティ

後日公開されたアンケートには、この日の場についての声が寄せられました。

「自分にはない新しい視点に気付き学べます!視野も出会いも広がる素敵なコミュニティです!」

「様々な業種、立場の方と交流でき、意見を出し合い、とても学びが多いです。みなさんパワーたくさんで、パワーをもらえます。」

今回寄せられた声からも、さまざまな立場の人と意見を交わすことで、新しい視点や学び、出会いが生まれていることがうかがえます。

ぶつかることを前提に、チームになっていく

25枚の紙を積み上げたワークで共有されたのは、意見がぶつかるのも、チームになっていく過程の一部だということでした。

同じ日の成果発表では、原点に立ち返ったチーム、対象を絞り直したチーム、ほかのチームの力を借りる具体的な案を描いたチームが、それぞれの次の一歩を共有しました。チームの中だけで答えを出すのではなく、県北BCPというコミュニティのなかで力を持ち寄ろうとする動きも見えはじめています。

クロージングで伝えられたのは、中間発表までに3つの問いを深めておくことです。なぜ今やるのか、なぜあなたたちがやるのか、なぜこれをやるのか。そのうえで、堀下はこう続けました。

「なんでやるのかは、皆さんの中にしかないです」

10/17(土)の中間発表は、まだ途中段階にある構想を共有し、会場とオンラインの参加者から声をもらう場です。事業としてお金をどう回していくかなど、各チームはそれぞれのテーマと向き合いながら、構想をさらに磨いていきます。

#1と#2のレポートから気になるチームを見つけ、中間発表でコメントを届けてみてください。

県北BCPアイデアソン、チャレンジャー募集中

県北BCPアイデアソンは、最終報告会を含めてあと3回。途中からの参加・単発参加・初参加も大歓迎です。地域に関わらず、どなたでも参加できます。

次回#4は10/17(土)、日立市民会館で開催。10チームがこれまでの進捗を8分で発表し、コメンテーターと会場・オンラインの参加者からフィードバックを受け取ります。Zoom配信は14:00〜17:20です。

▶︎ 県北BCPアイデアソン #4の詳細はこちら
https://civicpower.jp/bcp/news/35559/

📅 今後の開催予定

 10/17(土) 13:00〜18:00 アイデアソン #4
中間発表!

 11/21(土) 13:00〜18:00 アイデアソン #5
デザイン思考とピッチ準備
ゲスト:クリエイティブディレクター 高野 一樹さん

 12/19(土) 13:00〜18:00 アイデアソン #6
最終報告会!

 ※中間発表・最終報告会はオンラインでも配信予定です。

🎪 子育て世代のチャレンジ、大歓迎!

当日は、まちのこ団によるあそび場も予定されています。お子さんと一緒に、ぜひ会場へお越しください。

\やるぜ、県北!みんな、集まれ!/