スクール受講生特集 vol.5|福地 美喜さん
12/17(日)に開催した県北Business Start Schoolの集大成「最終プレゼンテーション」に登壇された福地 美喜さんをご紹介します。
このスクール受講生特集では、最終プレゼンテーションに登壇した10名のスクール受講生の活動実績を、おひとりずつ紹介します。今回は、福地 美喜さん(株式会社八千代商事 副社長 / 株式会社SOSU 代表)による『本社老朽化に伴い解体予定の八千代商事の跡地に、オフィス空間以外に地域の人達が集える交流の場を作る「新社屋プロジェクト」』です。
*12/17(日)最終プレゼンテーションの様子については、こちらの記事をご覧ください。
私は東京都出身で、2006年から日立市に住んでいます。夫が経営する株式会社八千代商事の取締役副社長をしています。株式会社八千代商事は木材と住宅資材の卸売業を営んでいます。私は株式会社八千代商事では新規事業を担当しています。2023年9月に、株式会社SOSUを設立しました。
株式会社SOSU設立の舞台裏
私が感じている地域の課題は以下の2点です。
・県北地域における女性のキャリアの断絶
私の周りにいる子育て世代の女性たちの中には、過去に築いてきたキャリアが、移住を機に断絶してしまっている女性たちが多いと感じます。県北地域には、家庭の事情で一度離職した女性たちが再び仕事を通して輝くことができる雇用の場が少ないと感じています。
・新規事業を生み出すことができない県北地域の中小企業
2022年に、茨城県政策企画部県北振興局主催の事業開発プロジェクトBusiness Challenge Program(以下、県北BCP)に参加し、株式会社八千代商事の新規事業について考えました。県北BCPのプログラムを通して、異なる業種や職種、立場のみなさんと対話を繰り返す中で感じたことは、他の中小企業の方も新規事業を生み出せず悩み苦しんでいるということでした。
夫の経営を長年傍で見てきた私は、中小企業の実直さや堅実さこそが地元の産業を支えてきたことをよく知っています。この県北地域の中小企業のみなさんの苦悩は、とても他人ごとは思えない課題でした。
2021年から2年半、私は株式会社八千代商事の新規事業を模索するため、会社の外に飛び出し様々なアクションを起こしました。その結果、私の活動はあちこちで知られるようになりました。私の強みは、柔軟な発想とフットワークの良さだと自負しています。その理由は、私は子育ての合間に会社を手伝うという働き方をしていたため、良い意味で会社の色に染まりきっていなかったからだと思います。
私の強みを活かしながら、これまで以上にスピード感をもって新規事業を進めるため、株式会社八千代商事と別の会社を作って外側からサポートすることにしました。これが、株式会社SOSUです。
また、県北地域で新しい会社を女性である私が立ち上げることは、地域の女性たちに勇気を与えることになり、地域の起爆剤になると考えました。そのため、株式会社SOSUのビジョンは「関わる人を幸せにする」としました。
株式会社SOSUは「県北地域で活躍できる人を輩出する」というミッションの元に立ち上げたコンサルタント会社です。最初の事業として、株式会社八千代商事の新規事業の運営をサポートするためにプロジェクトを立ち上げました。今後は、このモデルケースを県北地域の中小企業に向けて訴求させていきます。
新社屋プロジェクト「八千代の森」について
新社屋プロジェクトは「八千代の森」と言います。キーフレーズは「ぐるぐるつながる八千代の森」です。茨城の森の資源をぐるぐると循環させてつながる森を育てていく、また、人と人が繋がりぐるぐると人の輪が広がっていく。このふたつの思いを込めています。
2025年4月に、株式会社八千代商事の本社の建て替えに伴い、オフィス空間とは別にパブリックスペースを設け、地域の方が集える場をつくります。新社屋プロジェクト「八千代の森」を通して、女性や若者が働きたいと思う環境を整え、雇用を生み出していくモデルケースをつくっていきます。
具体的には、創業時から事業の核であった木材卸売業の象徴である木を植え、30年かけて森を育て、日立市を代表するランドマークにしていきます。
地域の方が集える場では、近隣の方に愛され、八千代の森に親しんでもらえる場を開催します。例えば、茨城県産木材の新しいプロダクトを披露する場、地域の異業種同士がコラボレーションしアイデアや企画を出し合う場、野外上映会や演奏会、お祭りなどです。
建物の1階は工房ラボです。工房ラボは、木材加工機を導入し、地元の異業種の方とプロダクト開発をする実験の場となる予定です。また、県外のクリエイターを誘致し創作活動の場としても提供します。
2階のオフィス空間では、八千代の森が完成するまでにシステムを導入し、時間と場所にこだわらない働き方を確立させていきます。自然いっぱいの環境や心癒される空間で、リラックスして敷地内のどこでも好きな場所で働くことができます。社員が地域の方と交流することで、お互いに新しい発見やひらめきを生む環境をつくっていきます。
今後のスケジュールとしては、2025年3月に八千代の森は完成し、運営を開始します。2024年最初のイベントは、本社の解体イベントです。八千代の森の完成を地域の方がワクワクして待ち望んでいただけるように、イベントを定期的に企画開催していきます。
また、新社屋プロジェクト「八千代の森」の取り組みに、茨城県外の人材を呼び込んでプロジェクトチームをつくりました。茨城県初の副業協力隊(“企業連携型”地域おこし協力隊)の方も受け入れました。
最後に、今日は皆さんに「ぐるぐるつながる八千代の森」という言葉を覚えていただきたいと思います。これからも応援よろしくお願いします。
県北BSS最終プレゼンテーション受賞者が登壇します!
県北地域のネットワークをさらに広げるためのイベント『県北BCPセミナー編vol.6「新規事業開発と新規起業が生み出す県北イノベーション」』にて、茨城県知事賞を受賞された松井さんと優秀賞を受賞された齋藤さんがピッチを行います。
キーノートでは株式会社imaの三浦 亜美さんをお招きし「新規事業開発や新規起業におけるコラボレーションの重要性」についてお話しいただきます。合同ピッチでは、県北BCPアイデアソン最終報告会受賞者と県北BSS最終プレゼンテーション受賞者からのピッチを実施し、県北地域でスタートした新しい取り組みについてお話しいただきます。イベントの最後には交流会を実施し、県北地域での広いつながりとコラボレーションを生み出す機会をつくります。
県北地域の活動に少しでも興味のある方は、新たなつながりとアイデアを求めて、ぜひご参加ください!
詳しくはこちらをチェック!!