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【report】県北BCPセミナー Matching編を一挙振り返り!

今年度から新たに始まった、Business Challenge Programでは、新規事業開発を目指した二種類のセミナー「Basic(経営基盤の強化を支援するセミナー)」、「Matching(異業種との共創対話を支援するセミナー)」として計6回実施し、さらに事業開発を行うアイデアソンを全7回に渡って実施します。

今回は5月~6月にかけて開催したセミナー編のうち「Matching(異業種との共創対話を支援するセミナー)」の開催模様を振り返ります!

Business Challenge Program(県北BCP)とは?

茨城県北地域の企業による事業開発と将来的な雇用創出を目的に開催しています。事業開発に必要となる、自社の課題や特色を理解し、異業種との対話を通して知見と視点を学ぶセミナーを経て、アイデアソンによるディスカッションとPoCを通した事業開発を実現するアクセラレータープログラムです!

 

県北BCP vol.2 『スタートアップのM&Aによる事業創出』

vol.2では『スタートアップのM&Aによる事業創出』と題し、株式会社小野写真館の小野哲人さんにお越しいただきました。

小野さんは家業である小野写真館の経営を継いだ後、ブライダル事業や成人式の振袖事業を展開していました。コロナ禍以降は、スピード感を持った経営拡大をもたらすため旅館やITスタートアップ企業のM&Aによる事業拡大に取り組まれています。

Matching編初回では、小野写真館がなぜ写真館とは異なる事業のM&Aを行ってきたのかを中心に、小野さんが経営者として携わった事業創出について紹介していただきました。

コロナ禍の影響から会社全体を作り変えることを決意した小野さん。明らかになった経営課題に対して一つ一つ解決策を施すとともに、既存事業と買収事業をかけ併せ、思い切った事業転換=コーポレートトランスフォーメーションを続けてきました。

小野写真館がこれまで行った4件のM&Aから生み出された競争力の高い新規事業の事例から、企業の事業拡大手法としてなぜM&Aが有効かについて紹介いただきました。事業を買うだけでなく、買収事業が持つリソースとともに自社事業を変革させ、新しい動きをもたらしていくことが経営者の仕事だとのことでした。

参加者とのディスカッションでは、既存メンバーと新規事業のカルチャーフィットのために行っている工夫や、経営者として抱いている事業を取捨選択するものさしなどについて、多くの質問が交わされました。さらに時流を掴むため日々多くの情報に触れ、会社の将来に繋がる事業を見出し、実装まで着実に進めていく姿からは経営者としての熱量を感じました。

 

県北BCP vol.4 『テクノロジー活用による事業創出』

vol.4では『テクノロジー活用による事業創出』と題し、株式会社アプリシエイト和田幸哉さん、サイボウズ株式会社勝沢賢一さんにお話しいただきました。

サイボウズ株式会社 勝沢賢一さん》
勝沢さんは企業向けグループウェアやチームワーク強化メソッドの開発を行うサイボウズ株式会社にて、関東甲信越エリアの企業営業グループを担うほか、営業人材開発にも取り組まれています。

勝沢さんからはITツールの活用とオープンな組織の実現についてお話しいただきました。勝沢さん自身の業務上の課題をベースにした解決までの道のりや、事業のコアとなる人や物、お金にテクノロジーを加えることで、組織全体がどれだけ情報を活用し時間を生み出していけるかがポイントになると紹介いただきました。

さらにテクノロジーを活用して属人化していた業務を組織全体で補うとともに、マネージャーが持つ業務をチームへ分担していくために、メンバーのマインドも転換が必要であるとお話しいただきました。

 

株式会社アプリシエイト 和田幸哉さん》
和田さんは常陸太田市出身で、現在株式会社アプリシエイトを経営されています。企業におけるタスク情報やプロジェクトマネジメントに関するサービス・ソフトウェアの自社や受託での開発のほか、eスポーツ事業にも参画しています。

もともと受託開発が多く、クライアントに業績を左右されていたという和田さん。会社の自主性を高める経営課題解決と地域に貢献する経営理念の実現を掘り下げ、新たな自社プロダクトの開発に乗り出しました。ひとつのサービスを作る中で年単位の投資と数百の失敗を重ねてきたという実際のエピソードとともに、事業開発のリアルを紹介していただきました。

また様々な事業に進出していく中、その事業が自社の経営理念を実現するものかどうかを中心に捉え、いざ始める際は目的意識を社内へしっかりと共有すること。そして社内メンバーへ会社の目指す将来を示し、モチベーションを高めていくことが重要であるとお話しいただきました。

質疑では社内での情報公開の仕組みをどう新規メンバーを含め浸透させていくかや、新規事業開発にまつわる人材配置について、マネージャーとしてどのようなことをケアしていくのかなどの質問が寄せられました。テクノロジーによる組織のアップ―デートに取り組まれているお二人からは、現場でITを活用するためのノウハウや、事業開発において中小企業が大企業に勝てるポイントなどについてもお答えいただき、テクノロジー導入による企業の可能性を見出す時間となりました。

 

県北BCP vol.6 『スタートアップ/ベンチャー企業の実機展示会』

vol.6では『スタートアップ/ベンチャー企業の実機展示会』と題し、茨城県内のスタートアップ/ベンチャー企業の展示会や実機体験を通じたマッチングを実施しました。

今回出展いただいたのは、株式会社ノエックス / 株式会社KINTONE / 株式会社Doog / 株式会社ワープスペース / 株式会社ニューコム シロク事業部 / 株式会社つくば研究支援センター / 合同会社ときわ水電の7社の方々。

この展示会は、スタートアップ/ベンチャー企業が持つ技術やビジョン、新規事業へ取り組む事例に触れ、事業開発の視点を知ることを目的に開催しました。

展示企業はモビリティやエネルギー、ヘルステックなど多様な領域の企業に参加いただき、新規事業創出に繋がる新たなコミュニケーションが参加者そして展示企業同士で生まれるなど、とても学びの多いイベントとなりました。

県北BCPはまちのこ団ともコラボレーションを行いました!

県北BCPセミナー編vol.5、vol.6の開催日には、県北地域での新規事業に挑戦する誰もが参加できる県北BCPを実現するため「まちのこ団」が展開する移動式あそび場とのコラボレーションも行いました!

「まちのこ団」とは、茨城県地域おこし協力隊に所属し、現在実施中の県北BCPアイデアソン編のリーダーの一員でもある増田大和さんが行う、たくさんの道具や素材とともに各地に子どものあそび場を創出する事業です。

開催当日は県内各地から多くの方にご参加いただき、中にはお子様連れの方もいらっしゃいました。すぐ傍に子どもたちがすごせる場があることで普段参加できないセミナーイベントにも来ることができたという保護者の声もあり、まさに子どもたちの声を聞きながらこれからの事業創出を目指す時間となりました。

まちのこ団の県北BCP出張レポートも公開されていますので、ぜひ併せてご覧ください。

県北BCPセミナー編のうち「Matching(異業種との共創対話を支援するセミナー)」として開催したvol.2、4、6。M&Aやテクノロジー活用、実機展示会といった様々な視点から生み出される挑戦に数多く触れることのできる機会となりました。

これから県北地域においてどんなコラボレーションが起き、どんな事業開発が行われるのか、目が離せません!

県北BCPセミナー Basic編の振り返りはこちらから!