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【report】うしくグルメソン #5 開催レポート|おいしい未来ピッチ!

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市民とともに踏み出した「地域発ビジネス」の第一歩

 

2025年12月13日、NN Shibuya Crossroadsにて「北関東コネクテッド!家業イノベソン2025 × うしくグルメソン2025 合同成果発表会 – Demo Day」を開催しました。

本イベントは、牛久市を舞台に進めてきた実践型プログラム「うしくグルメソン」と、北関東3県(茨城・栃木・群馬)を横断して展開された「北関東コネクテッド!家業イノベソン2025」が交差する場として企画されたものです。

渋谷スクランブルスクエア44階にある NN Shibuya Crossroadsを舞台に開催されたこのDemo Dayは、完成された“成果発表会”ではありません。地域に根ざした事業者・市民・行政がともに、地域発ビジネスをどう生み出していけるのか。そのモデル事業化の第一歩を共有する場として位置づけられました。


なぜ、今「地方からの価値創造」なのか|Keynote

キーノートには、明利酒類株式会社 常務取締役の加藤喬大さんを迎えました。

博報堂で新規事業開発を経験後、家業である明利酒類にUターン。酒類事業にとどまらず、医薬部外品事業の立ち上げや、日本酒「雨下(uka)」、クラフトウイスキー「高蔵REBORN」など、地域資源の再定義による価値創造を次々と実現してきた実践者です。

テーマは「地方から生み出す、新しい価値創造」。

加藤さんから語られたのは、成功事例の紹介ではなく、家業を継ぐ中で直面した葛藤、覚悟、そして“開かれた挑戦”の重要性でした。

  • 覚悟をもって旗を立てること
  • 自分たちにしかない価値を言語化し、信じ、伝え続けること
  • 成功だけでなく、過程や迷いを開いていくこと

これらのメッセージは、その後に続く各リーダーピッチに確かにつながり、参加者一人ひとりが自らの挑戦を“地域にひらく事業”として捉え直す視点を与える時間となりました。


リーダーピッチ①|既存事業を再定義する挑戦

伊勢屋|岩崎 和夫さん

『昭和の和菓子屋 ~業績V字回復をかけて~』

地域に長く愛されてきた老舗和菓子屋・伊勢屋。和菓子離れや個人店離れによる業績低下という現実を前に、「第三者の視点」を取り入れてV字回復を目指すため、うしくグルメソンに参加しました。

日持ちする焼き菓子など新たな方向性も検討しましたが、議論と試作を重ねる中で、和菓子屋ならではの技術を活かした和風わらびモンブランを開発。イベントでの試験販売も実施しました。

商品開発を通じて得た最大の成果は、「伊勢屋はまだ地域に必要とされている」という確信を得たこと。原点を見つめ直したこの挑戦は、次の一歩へと確かにつながっています。

試食として和風わらびモンブランが会場に配られました。

 


リーダーピッチ②|新商品から関係人口を広げる挑戦

松蔵屋|石田 晃大さん

『市民とともに生み出す“牛久発”の実験的お酒開発』

UMALab.、自社デザイン部門、そして市民が連携し、地域創生を目的とした実験的な商品開発に挑戦。誕生したのが、牛久産ブルーベリーと小美玉ヨーグルトを使用した完全茨城県産リキュール「UMALab. ブルーベリーヨーグルト酒」。

通常1年近くかかる開発工程を、約半年という短期間でプロトタイプとして完成。現在は国内の飲食店を中心に販売され、香港・台湾への輸出も決定しています。あえて飲食店での提供を主軸にすることで、1本を複数人で共有し、体験として記憶に残る広がりを生み出します。

売上規模ではなく、「牛久でこんな挑戦が行われている」という認知の波及を重視。小さな一歩を積み重ね、地域とともに育つ商品として、次の展開へと歩みを進めています。


リーダーピッチ③|場と体験で地域の魅力を編み直す挑戦

Yobarekka Design Works|若林 和浩さん

『“もっちり×ふわふわ”の新感覚パンケーキで、牛久の新たな名物を』

「牛久に来てほしい」という想いを起点に、若林さんが挑戦したのは、商品開発と体験設計を掛け合わせた取り組みでした。

着目したのは、牛久沼にほど近い城中(じょうちゅう)地区。豊かな景観や文化資源が集まる一方で、「立ち寄って休める場所がない」という課題を抱えています。グルメソン#2でツアーを実施し、地域の魅力や背景を共有した上で構想を具体化していきました。

試作したのが、牛久市女化産小麦粉と粉茶、トッピングとして市内さつまいも菓子専門店の大学芋など地域食材を活かした「かっぱのキューちゃんパンケーキ」。景観とともに楽しめるよう、テイクアウト用パッケージやドリンクの試作にも取り組みました。

若林さんが大切にしたのは、「地産地消とは、訪れた人がその土地で味わうこと」という観光の視点。グルメを入口に、人が集い、余韻を楽しめるカフェ構想は、牛久の新しい滞在価値を提示する挑戦となりました。


成果とこれから|モデル事業化の第一歩として

今回のDemo Dayで共有されたのは、完成されたビジネスモデルではありません。

しかし、

  • 既存事業の再構築
  • 新商品を通じた関係人口創出
  • 場と体験による地域価値の再編集

という異なるアプローチの実践例が一堂に会したことで、牛久市における「地域発ビジネス創出」の具体像が立ち上がり始めました。

うしくグルメソンは、市民・事業者・行政がともに試行錯誤しながら進める“実験の場”です。本取り組みは、この先の展開や他地域への応用も見据えた、モデル事業化の第一歩フェーズに位置づけられます。

ここから、どんな挑戦が生まれていくのか。

そのプロセスを市民とともに描き続けていくことこそが、この事業の本質です。今後の展開にも、ぜひご注目ください。

家業イノベソンの報告記事(note)もぜひこちらからご覧ください。

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